お節介妹、錯乱する
二次元の実妹最高だろ!という気持ちと思い付きで書きました。
気軽に書ける文量で、ゆっくり投稿していくつもりです。
俺には美春という名前の世話焼きな妹がいる。お節介と言っても良い。
父さん曰く、『亡くなった母さんに良く似ている』らしい。
母さんが亡くなった10年前の時点では、俺も兄として妹を守らなきゃいけないと思って、美春の世話を焼く側だった事を覚えている。
しかし、いつからだったか、美春は自分の事は自分でやる様になり、少しずつ家事を覚えていると思えば、気付けば俺の身の回りの世話までやり始めた。
『そこまでやらなくていいよ』、と何度言っても聞かないし、『これは自分でやりたいからやらないで』と言ってもやりたがる。
母さんがいなくなった事で、精神的な安定を求めての事かとも考えたけれど、直接聞いてみても、なんでそうなるのかと不思議そうにしていた。
正しく生粋のお節介焼き。それが俺の妹、美春の最大の特徴と言って良いだろう。
勉強も運動もそれなりに出来て、身内贔屓もあるが容姿も可愛い方だと思うので、未来の旦那にはお節介位は我慢して貰おう。
なんて、そんなことを考える程には可愛い妹が、おかしな事を言い出したのは土曜日の朝、布団から引きずり出されて、二人で朝食を食べている時だった。
因みに父さんは既に会社の同僚と遊びに出掛けたらしい。
美春が朝起きてくると、机の上に置き手紙があった様で、『言ってくれれば早起きしたのに!』とぷんすか怒っていた。
母さんには好きに世話を焼かせていたという父さんも、流石に娘が相手では父のプライドが許さない様で、美春と不毛な争いをしている所を何度見たことか。
それは兎も角。
「はい?なんだって?」
俺は聞こえてきたあまりに理解出来ない言葉に、思わず聞き返した。
「もう、ちゃんと聞いててよ。だからね兄さん」
仕方ないなぁ、とばかりに首をふる美春に合わせて、サイドテールがファサファサと揺れる。
「兄さんって恋人はおろか、休日に遊びに行く友達もいないでしょ?」
「それは、まぁ、お恥ずかしながら」
無慈悲な妹に物申したい気持ちをグッと堪えて先を促す。
「そもそも仲良くない相手となんて話したくないし、新しい人間関係なんて築きたくない。そうでしょう?」
「仰るとおりです」
「詰まりね」
頷くばかりの俺の様子に勢い付いた美春が、此方を指差して断言する。
「このままじゃ、兄さんには一生恋人なんて出来ないと私は思うの!」
なんとも酷い決め付けである。可能性位は多少何処かに転がっているのではないかと言いたい所だけれど、それはまぁいい。
問題はこの後だ。
「百歩、いや千歩譲って俺には一生恋人が出来ないとして、だからなんだって言うんだよ」
落ち着いて言い返した言葉に、『百歩も必要ないと思うけど』、なんて呟いてから、美春は先程俺が聞き返したものと、寸分違わぬ言葉を発した。
「生涯で一度も彼女が出来ないなんて可哀想だから、私が兄さんの恋人になってあげる」
マジで意味わからん。
なんとなく点けていたテレビでは、血液型占いをやっていて、O型の運勢は堂々一位。順風満帆な一日になるらしい。
……朝イチから波乱なんだが?
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↓はGrokで作った美春のイメージ画像です。




