表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

429/445

第二百十四話 遠征

光槍ライトニングパイクの活躍(?)は四十話辺りを参照のこと。

『まあ倒してしまったところで素材なんかは落ちたりしないので別にいいんですけど』


 は? それって倒す意味無いのでは? あ、いやいや、一応周りに住んでる人の安全が確保されるっていうメリットはあるんだけど。


『うーん、そうね。それなら魔晶が出るようにしときましょう』


 中に魔力が詰まった石、魔晶。魔法を発動する時の媒介物質になったりはするんだけど、そこまで役に立つ訳でもない。そんな所が適当かなあ。討伐の証明が出来ればいいんだし。


『じゃあ私は忙しいからあとは頼んだわよー』


 そう言って調和神様との通信が切れた。創造神様の折檻がまだなのか、それとも折檻された事務の穴埋めをしないといけないと言うことなのかは分からない。あー、うん、神様もつらいのね。


 改めて依頼品……いや、ぬえを見てみよう。私の鑑定サイコメトリで雷が弱点と出たものの、弱点属性が得意な人とかいるのかな?


 ともかく偵察は終わったので帰って報告だ。転移で森から帰る。今回のは冒険者ギルドから人を出して行かせる事になった。ゴールド級は捕まらなかった。グスタフさんはふらりと森に入ったまままだ出てこないんだと。また彷徨ってんのか、あの人。


 何人かの冒険者が居て私も行くことになった。そのうちの一人から声を掛けられた。


「よう、キュー。しばらく見かけなかったがこの街にいなかったのか?」

「……誰?」


 いきなり話しかけてきた男に見覚えがなかったので怪訝そうな顔をした。こう見えて私は美少女だからね! あ、いや、その、ティアが美少女だから必然的に私も美少女になるっていうか。違うのはおっぱいの大きさと身長体重だけだよ、多分。


「あら、本当にキューだわ。お久しぶり、元気そうでなによりよ。お互い生きて再会出来てよかったわ」


 あれ? 確か光槍ライトニングパイクのジャニスさん。……あっ、こいつもしかしてグレイ?


「お久しぶりです、ジャニスさん。相変わらず仲が良さそうで何よりです」

「そう見える? まあそんなこともあるかもね!」


 あれ? ジャニスさんの反応がなんかおかしい。まあ、この二人が居るということは残りの二人も居るのだろう。


「ふむ、キューも一緒か。ならば移動は楽になりそうだな」


 アンガーさんが私の上から声を掛けてくる。背が高いその横にはひょっこりと顔を出しながらサーラさんが会釈してくれていた。


「今回は皆さんが一緒なんですね」

「何パーティか合同らしいけどな。早くゴールドに上がりたいからひとつずつ確実にギルドの貢献度を稼いでいかないと」


 どうやらみなさん、順調に活動していってるようだ。まああの後私はなんだかんだで王都で活動してたようなものなんだけど。というかこっちの大陸での活動よりも向こうの大陸での活動の方が長くない?


「おいおい、お前らまた女を引っ掛けたのか? いいねえ、パーティに女がいる奴らはよ!」

「ドージ、お前らもか」

「当たり前だ! ゴールド狙ってんのはお前らだけじゃねえんだよ」


 ドージと呼ばれた男はデカい剣を背中に背負っていた。いや、あの、今から森に行くんだけど、その剣、森だと振りまわしにくくない?


「ドージさん、何やって……へぇ、光槍ライトニングパイクのお坊ちゃんお嬢ちゃんたちじゃねえか」

「バッカス。お前達のリーダーだろう。縄でもつけとけ」


 次に声を掛けて来たのは軽装の弓使い。弓使いなのに何故か眼帯をしている。それ、見えにくくない? それとも目玉が熱病で出てきたから拾って食べたとか?


「そろそろ出発だそうで。おや、雑魚どもじゃないか」

「どっちが雑魚だよアホネン」

「負け惜しみを。サーラ如きの魔法では私の木門魔法には勝てないのはわかってるでしょう。雷使いということで直々に声が掛かったんですよ、我々は」


 どうやらこのアホネンはサーラさんに悪意があるみたい。しかし名前がどうにも。


「サーラさん、知り合いですか?」

「同じ先生に魔法を習ってて。私は落ちこぼれだったから」

「サーラさんが落ちこぼれ?」


 確か前回の森の調査では金門の魔法を中心に色々使ってたような気がするんだけど。


「金門は、魔法使いとしては半人前だから」


 どうやら火門や木門みたいな直接攻撃手段、水門みたいな回復、土門みたいな防御みたいな一人で出来ることが少なく、戦士とか別で居ないと話にならないかららしい。そんなこと言われても適正というのはどうしようも無い。


 なお、大半の金門の術師は何をしてるかと言うと、自分でも前線で戦えるように剣などの技をみがくんだそうな。サーラさんはそこまで敏捷には動けないらしく、補助で手一杯なんだと。


「心配するな、お前は俺が守る」

「アンガー」


 どうやら二人の仲はだいぶ進展してるみたいだ。まあそれを見てなんかジャニスさんがイライラし出したけど、こっちはこっちで何かあったのかな?


「冒険者パーティは全員こっちに集まれ!」


 ギルドマスターのアリュアスさんが出て来ていて、説明を始めてくれた。今回の仕事は鵺の討伐。弱点属性は雷、それから物理攻撃ということで物理アタッカーと雷を使える木門魔法使いを中心に配置したとのこと。


 別々のルートで進んで四方八方から一斉に襲いかかってボコるのが作戦なんだと。そういうのを作戦というのかは分からない。囲んでボコるだけじゃん?


「現場に着いたら合図を出すまでは待機。全員で一斉に仕掛ける。良いな?」

「はいっ!」


 全員の返事を確認。パーティは四パーティいて、全員がシルバー級。私は偵察班だから別枠だけどね。光槍ライトニングパイクと行動を共にする事になった。これは私が顔馴染みだから。あと、このパーティだけ木門の魔法使いが居ないから。私も使えないよ? あ、街に戻って応援要請する為の肉壁? そうですか。


 他の三パーティはさっきのドジバカアホトリオの他に四人パーティが二つ。よく見るとトリオかと思ったらもう一人居るんでやんの。こっちは神官服だね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ