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英語(episode22)

敵を海外、国内、どっちにしようかなってやったら海外になりました。


9月22日:風門→木門 に訂正。すいませんでした。

「赤鷺金融?」


 私たちはおばあちゃんと別れた後にタケルの家に転がり込んだ。明日も仕事だから長居は出来ないんだけどどうも気になったからだ。


「そうなの。なんか乱暴な奴らでね、ティアちゃんが倒してくれたから大丈夫だったんだけど」

「そうか。まあティアは強いんだよねえ」


 私程度の腕で強いって言われても。身体強化とか使わないとまともに渡り合えないんだけどなあ。森の奥とかいったら戻って来れなさそう。


「それよりも、相手の事が知りたい」

「わかった。ちょっとまってて。もしもし、母さん、ちょっと頼みが……えっ、違う違う! 別に留守にしなくていいから! そうじゃなくて調べて欲しいことが。心配しなくても二人とも処女?なな、な、な、何言ってるのさ!」


 タケルの電話の内容に凪沙がひたすら顔を赤らめている。私は、そうだね、処女だね、としか思わない。というか貴族の娘がキズものだったらそれだけで問題だろう。それこそ冒険者になったばかりなら尚更だ。


「頼むよ、それじゃあ」


 タケルが電話を切って説明してくれた。貸金業の免許の管轄は大蔵省、つまり、四季咲しきざきの領域なんだって。だからどんな業者かってのを調査してみるんだって。


 しばらくしてタケルの電話が鳴った。私たちに緊張が走る。


「もしもし? あ、母さん。うん、うん、はぁ? 四季咲の傘下にはそんな名前の業者は登録されてない? って事は闇か。こりゃあ参ったな。うん、ありがとう。えっ、まだ何か? 厚さは何ミリ……って要らないっ!」


 最後のはシールドの厚

 さなのだろうか。でも要らないって。今回は銃じゃなくてお金を使った戦争みたいなものだもんね。凪沙はまた赤くなってる。


「四季咲の傘下じゃなかったの?」

「ああ、登録はないそうだ」

「ということはやっぱり闇金なのね」


 厄介な事になったとばかりに凪沙が頭を抱えた。私はなんのことか分からなかったが、四季咲に認められた認可貸金業と別に、無許可で貸金業を営んでる奴らもいるらしい。赤鷺はきっとそういう奴らの会社なんだろう。よく考えたら書類を偽造する様な奴らが真っ当なしょうばいをするわけがないからね。


「八家内なら伽藍堂か清秋谷せいしゅうや、八家の外は分からないけどろくでもない奴らに違いない」

「調べてみようか?」


 私は申し出る。普通の調べ物は出来ないけど魔法なら何とかなるかも?


「風よ、噂を聞き付けよ。木門 〈順風耳オーディエントリー〉」


 私は風に働きかけて、居場所を知る魔法をかける。話し声が聞こえる程度なのであまり役には立たないのだけど。


『お前ら、あれはどういうことだ!』

『すいません、ボス』

『あのなあ、あそこの土地開発にはもう二億は突っ込んでんだぞ?』

『いや、本来の価値から言ったらまだまだでは?』

『アホか! 俺が身銭切ってるのが問題なんだろうがよ。他人の銭ならいくらでも払ってやるわ!』

『いえ、それにしてもなんか強かったですね』

『ああ、ありゃあ本国のベレー部隊でも連れて来なきゃダメだろうよ』

『いや、ベレー部隊なんか来たら本国の関与がバレて大騒ぎになりますよ』

『分かってる。ヤシマの政府は刺激しないように気を付けて進めなきゃいけねえ』

『本国からは関与がバレたら撤収しろって言われてますが』

『アホか? そん時は俺たちの生命も店じまいのときだ。俺らはヤシマで活動する為に潜入してんだぞ?』

『間諜の目があるから英語は喋るなって言われてますしね』

『ついついポロッと出たらそれだけでアウトだからな』

『あ、ボス、今アウトって言いましたよ』

『アホか! アウトはすっかりヤシマ語になっとるわ!』


 なんか一連の流れは分かるけどよく分からない単語とかある。八洲やしまってこの国だよね。えっともしかしてこの国の人じゃないのに、この国の土地を買おうとしてるって事?


 私はそれを急いで二人に伝えた。二人はとてもびっくりしていた。


「えっ、英語ってもしかしてアメリカ連邦?」

「いや、まあ大英公国って線もあるし、オズって線もあるけど」

「そりゃあそうか。一応世界で一番使われてる言語だもんね」


 私はよく分からないけど、その英語って言葉は割と人類共通語みたいな感じで使われているらしい。なお、八洲には殆ど使ってる人が居ないんだって。


「まあ少なくとも日本国内じゃなくて海外勢力ってのがわかったんだから後は伽藍堂とか清秋谷に任せてもいいんだけど」

「ダメダメ、あいつらの場合、後に残るおばあちゃんが心配だもの。表面上だけ解決してはいそれまでよ、じゃダメ」


 なんか余程信用がないみたい。そりゃあまあ伽藍堂の場合は下っ端とはいえ敵対してたもんね。


「それでも通報できる体制は作っておかないと」

「まあ清秋谷の警察は庶民の間ではそれなりに役には立つけど」

「清秋谷は買収には弱いけど海外勢力には強いからね」


 警察が買収に弱いのはそれはそれで問題があると思うんだけど。普通警察は装備を充実させるものじゃないの? だっていわゆる街の衛兵さんたちでしょ? 領主直轄じゃないの?


「あー、まあその辺はティアには難しいかもしれない。根本的なものが違うから」


 いや、そんな事ないよ! 私だって警察と関わったことあるもん。凪沙が事情聴取受けてる時だけど。


 そういえば私たちの取り調べをしてくれた警察の人が居たよね。あの人に個人的に頼んでみるというのはどうだろうか?


「ねえ、凪沙、タケル、あの時の刑事さんに頼んでみたら?」

「刑事さん……ああ、取り調べしてくれてた若林さんとかいう」

「そうそう、ダメ元かもしれないけど割と良い人そうだったから行ってみようよ!」


 なんだかんだで私たちは手詰まりだったのは間違いないので、一応市民の相談ということで若林さんに会いに行く事にした、


 アポとかは取らずにそのまま仕事終わりに警察署へ。おばあちゃんには今日は休むと言っておいた。理由は仕事って事にしておいたんだけど。なんか警察署って異様な威圧感を感じるんだよね。悪いことしてないのに。

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