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始導(episode165)

修行の道は一日にしてならずぢゃ!

 とある事情で晩御飯の時間がズレました。でも後悔はしていない。というかあれは説教しなきゃダメだよ。


 お風呂ではジョキャニーヤさんがガンマさんをぺたぺた触ってた。あ、ぺたぺたはおっぱいの話じゃないよ?


 ガンマさんも負けずにジョキャニーヤさんを触ってたけどね。二人に共通してんのは筋肉。小さくまとまった筋肉で身体が構成されてるらしい。私はそういうの縁がないからなあ。そりゃあ鍛えられてたけど、貴族女性だもん。どこかに嫁ぐなら筋肉は必要ないもんね。パワーアント〇ネットじゃあるまいし。


 ご飯は諾子さんが作ってくれた。メアリー嬢も手伝ったらしい。クロエさんは料理などしないとのこと。まあお貴族様だもんね。いや、私も料理はそこまで重点おいてないよ。


 さて、話してなかった背鬼せき博美さんだけど、薔薇連隊ローズレジメントの人たちと入れ代わり立ち代わり訓練をしていた。なるべくジョキャニーヤさんやガンマさんの目に触れない様に、って思ってたのかも。


 薔薇連隊の皆さんも強かったけど、博美さんのは何をされたのか分からないくらいに強さが分かりにくい。まあ私がジョキャニーヤさんとガンマさんの方を見てたからという理由もあるんだろうけどね。一応衛生兵的ポジションだし。


 食事も終わってみんなで就寝する事に。なんでみんな泊まってるかって? そりゃあ個別特訓会が一週間続くからだよ! 明日からはそれぞれの課題を元に鍛えていくらしい。


 うん、夜の間はみんなぐっすり寝てたよ。流石にガンマさんもジョキャニーヤさんもお互いに疲れたのか静かに寝息を立てていた。メアリー嬢とクロエさんは来賓室でのお泊まりだそうで。博美さんは夜中の警護というか警戒をしていた。


 翌朝。朝早くからジョキャニーヤさんとガンマさんが起きてきていた。二人が起きるのと同時に「後はお願いします」と言い残して博美さんが撃沈。爆睡と相成りました。


 しばらくするとプランシャール家の執事たちが起きてきた。体内時計的に早起きを心がけているんだそうだ。執事というのもなかなか大変よのう。


 それから段々と薔薇連隊の人が起きてきていた。本来なら諾子さんの護衛に付くところらしいが、諾子さん本人から不要と言われているので問題はない。


 朝の特訓でプランシャール家の執事たちは個別に分かれて薔薇連隊の人と共同訓練を受けている。午前中はそういう基礎的なものをするんだとか。ガンマさんとジョキャニーヤさん? 二人は午後からの訓練の構想を私と練っている。


 あのね、二人ともちゃんと聞いて欲しいんだけど、二人でボコって立ち上がる度にまたボコる。立ち上がれなくなったら脱落ってのは修行とか教育ではなくて選別なんだよ?


 午後からはクロエさんにもお出ましいただいた。クロエさんを守るのが執事たちの仕事だからね。先ずは石礫いしつぶてをそれなりの速さで撃ち出す。弾丸と同じ速さだと貫通しちゃうからそれなりね。


 ゆっくりとやりながら段々と速度を速めていく。弾丸の半分くらいの速さでクロエさんに攻撃が通ってしまった。あ、クロエさんには予め私が流水防御リフレクトを掛けてるから当たらないんだよね。


「ぐっ、油断した」

「反射神経鍛えたらどうにかなるよ」


 ジョキャニーヤさんの言葉はごもっともだ。反射神経を鍛えるしかない。ちなみに同じ事をジョキャニーヤさんとメアリー嬢の組み合わせでやったら銃弾のスピードでさえ全部叩き落とされた。


「三人居るなら身体で止めることも考えないと」


 ガンマさんが平然と言う。まあ身体を張ってでもカバーリンクするのはボディガードとして当然の心構えだと思うんだけど。どうもこいつらにはそういうの感じない。よくよく聞いてみると、下級の貴族の子息どもらしい。あわよくばクロエさんと結ばれようとか思ってたのかな? いや、執事たちはどれも二十後半くらいだし、クロエさんは十代。どう見ても犯罪です。本当にありがとうございました。


 クロエさんはその辺も織り込み済みなのか苦笑するばかり。半ばこの三人の誰かとくっつくのかな、とか思っていたら四季咲からの婚約を打診されたんだって。いや、女と生まれたからには好きな男とくっつくのが一番だと思うよ。


 博美さんが薔薇連隊の人たちを鍛えている。仕事で接することが多かったみたいだから面識はあったけど、管轄が違うから話はしてなかったらしい。諾子さんが四季咲継いでいたら良い同僚になったのかもしれない。


 午後からはジョキャニーヤさんが薔薇連隊を、ガンマさんが博美さんを鍛えるらしい。私? 私が執事たちを引き続き担当します。


 とりあえず用意するのは様々な木材。こういうの苦手なんだけどしかも木門じゃなくて土門なんだよね。木で骨格を作り、それに土門で肉付けをしていく。まあ肉というか土というか。


 成人男性と同じサイズの人形を三体用意しました。ジョキャニーヤさんの人形遣い(パペッティア)とは違うけど私も人形は使えるんだよ。あー、まあ、加護がつく前は小さい何とかバニアファミリーみたいな人形を一体動かせるくらいだったんだけど。


「こ、これは!」

「私のゴーレムたち。一応操作はある程度私がやるから。ええと、とりあえずあの三人を攻撃して排除したら真ん中にいるクロエさんにタッチね。タッチは優しくする様に。傷付けちゃダメだよ」


 うごごごごご、と返事なのか唸り声なのかよく分からないものを返された。まあ大丈夫だろう。


 三人の執事は戦闘態勢に入る。フロリマールさんだけでなく三人ともステッキを構えている。私が合図をするとゴーレムたちが一斉に攻撃を開始した。


 フロリマールさんはゴーレムのパンチを受け流すように逸らしている。なかなか悪くない。ロジェロさんはダッキング、ウィービング、スウェーバックなどを駆使してかわしている。マランジさんは……受け止めてる。でもそれは悪手なんだよなあ。


「ぐわあ!」


 ほら言わんこっちゃない。土は固めたら痛いんだよ。岩みたいなものなんだよ。だって土門だもん。とりあえず中断かな。

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