“By My Side!” ー隣りにいてねー
「ニ゙ャ~!」
ミーコは上空を見上げ、とても悔しそうに唸る。
そんな地上動物を嘲笑うかのように、頭の上を飛び回る黒いカラス。知能レベルが近いからだろう、お互いライバル意識全開。ミーコも闘志むき出しだが、ジャンプ自慢の彼女でも相手が空を飛んでいるのでは、さすがに勝負にならない。
まあコチラだって似たようなもので、助太刀といっても、襲ってこないように追い払うのが精一杯の加勢でしたが…。
そんなある日の事。
「ニ゙ャ~!」
たまたまミーコと一緒に家先に出ていると、体格がにかよっている小型犬を連れた近所のパーマ屋のおばさんが通りかかる。挨拶などして、チョイと世間話をしていると…
「フ~ッ!」
自然の動物界には、「自分より大きな者にはむかっていかない」という不文律があったりするみたいだが…
『?』
(2〜3メートルの長さのある「六尺赤フンドシ」は、サメ避けのため? それに記憶は定かではないが、戦時中、海に墜落した米軍輸送機。緑のツナギとオレンジのツナギを着た人間のあいだには、サメに襲われる明確な差異があったそうだ。また「カラスは黄色がみえない」といわれ、ゴミ・ステーションにはイエローのネットが張られているが、鳥系の動物は黄色い自分のバイクが乗り着けると、戦闘のポーズを取り始めるなど、色盲と言われる牛などだって…特に赤や黄色など…なにかしらの違いは感じているのではないだろうか? なおトドなど、雄と雌で体格差が大きい生き物は「ハーレムを作る」というし、メスの方が大きいカマキリは…栄養補給のためなのか?…「種付け」が終わると、オスは食べられてしまうらしい)。
『?』
足下を見れば…
「フ~ッ!」
ミーコはそばに「後ろ楯」がいる事を確認するように、右脚にピッタリ密着しながら、眼を丸くしてキョトンとした表情の小犬を威嚇しているが…
外国語を勉強していると、直訳すれば同じような意味でも、その文化の中で育ったり・生活した事がないと、微妙なニュアンスの違いが、わからない時がある。
“Next To Me”なら、「後ろに控えてろ」的で自分が上位の存在?
“By My Side”なら、「隣りにいて」的で同格な感じ?
『この場合は、どちらが適切だろう?』と思っていると…
「なんだよミーコ?」
さらに、さも『離れないでね』というふうに、長いシッポを足首に巻き付けてくる。
『隣りにいてネ!』
同列っぽいから…
“By My Side!”
このへんが最適か?
そんな「ミーコの空威張り!」の巻きでした!