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『ボクはネコ科の男』  作者: 髙山志行
8/8

“By My Side!” ー隣りにいてねー

「ニ゙ャ~!」

 ミーコは上空を見上げ、とても悔しそうに(うな)る。

 そんな地上動物を(あざ)笑うかのように、頭の上を飛び回る黒いカラス。知能レベルが近いからだろう、お互いライバル意識全開。ミーコも闘志むき出しだが、ジャンプ自慢の彼女でも相手が空を飛んでいるのでは、さすがに勝負にならない。

 まあコチラだって似たようなもので、助太刀(すけだち)といっても、襲ってこないように追い払うのが精一杯の加勢でしたが…。


 そんなある日の事。

「ニ゙ャ~!」

 たまたまミーコと一緒に家先に出ていると、体格がにかよっている小型犬を連れた近所のパーマ屋のおばさんが通りかかる。挨拶などして、チョイと世間話をしていると…

「フ~ッ!」

 自然の動物界には、「自分より大きな者にはむかっていかない」という不文律があったりするみたいだが…

(アレ)


(2〜3メートルの長さのある「六尺(ろくしゃく)赤フンドシ」は、サメ()けのため?  それに記憶は定かではないが、戦時中、海に墜落した米軍輸送機。緑のツナギとオレンジのツナギを着た人間のあいだには、サメに襲われる明確な差異があったそうだ。また「カラスは黄色がみえない」といわれ、ゴミ・ステーションにはイエローのネットが張られているが、鳥系の動物は黄色い自分のバイクが乗り着けると、戦闘のポーズを取り始めるなど、色盲と言われる牛などだって…特に赤や黄色など…なにかしらの違いは感じているのではないだろうか? なおトドなど、(オス)(メス)で体格差が大きい生き物は「ハーレムを作る」というし、メスの方が大きいカマキリは…栄養補給のためなのか?…「種付け」が終わると、オスは食べられてしまうらしい)。


(アレ)

 足(もと)を見れば…

「フ~ッ!」

 ミーコはそばに「後ろ楯」がいる事を確認するように、右脚にピッタリ密着しながら、眼を丸くしてキョトンとした表情の小犬を威嚇しているが…

 外国語を勉強していると、直訳すれば同じような意味でも、その文化の中で育ったり・生活した事がないと、微妙なニュアンスの違いが、わからない時がある。

“Next To Me”なら、「後ろに控えてろ」的で自分が上位の存在?

“By My Side”なら、「隣りにいて」的で同格な感じ?

『この場合は、どちらが適切だろう?』と思っていると…

「なんだよミーコ?」

 さらに、さも『離れないでね』というふうに、長いシッポを足首に巻き付けてくる。

『隣りにいてネ!』

 同列っぽいから…

“By My Side!”

 このへんが最適か?


 そんな「ミーコの空威張(からいば)り!」の巻きでした!

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