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『ボクはネコ科の男』  作者: 髙山志行
6/8

『悲しい思ひで』

 思い出す事がある。


 まだ幼かった頃。たぶん幼稚園生くらいの、『昭和』四十年前後。

 家族は、商売を営む祖父母と同居。我が家では、代々ネコを飼っていた。

 ただ、目の前には大きな通り…旧「奥州街道」が走っていた。

 大半のネコは、ここで車にはねられてしまったのだが…。


 そんな我が家のネコの中に、生後・半年にも満たない小さな子ネコがいた。

 季節は、たぶん春先の頃。

 ナゼってその子ネコは、店の前の「陽だまり」の中で、まどろんでいたのだから…。


 でも、不幸は突然襲って来る。


 あの頃はまだ、野良犬がウロウロしていた時代。そんな野犬の中には、徒党を組んでいる連中もいた。


 家のまん前で、あの子は囲まれてしまったのだ。

 幼い自分の無力さ。

 あわてて祖父を呼びに行ったが、時すでに遅し。

 逆光の中、ボロ雑巾のようになった子ネコを、右手でつまんで戻って来る祖父のシルエット…。


 それが、あの時の「悲しい記憶」だ。

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