表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ボクはネコ科の男』  作者: 髙山志行
5/8

『ネコは雷が嫌い?』

「どういう理由(ワケ)なのか?」

 はっきりした原因はわからないし…

「他の子もそうなのか?」

 統計を取ったわけでもないのですが…


 少なくとも、うちのミーコは、『雷』が嫌いでした。


 屋内に居ながらも、おもてで雷が鳴り出すと…

「ニャウ~ン・ン・ン…」

 不安そうに、スリ寄ってくるのが常でした。


稲光(いなびかり)に、おびえているから?』

 でも家の中にいれば、強烈なフラッシュ・ライトを見ないで済むし…

『雷鳴がこわいから?』

 (とどろ)轟音(ごうおん)も、屋内なら、たいした事はないと思うので…

「どうしたの?」

 ()いてはみたものの、さすがに難しい会話は成り立たず…

『きっと、カラダじゅうの毛に静電気が飛ぶみたいになったりして、気持ち悪いからだ』

 と、勝手に理由をつけて解釈していたのですが…。


 あの頃、こんな事がありました。


 当時、勤めていた勤務先は、工業団地の一角にある、「水・金=定時日」の会社。周囲の会社も同様のため、水・金の退社時間は大渋滞。

 そこで、天気と気候の良い時期には、自転車で通勤したりしていたのですが…


(片道10数キロ。時間にして40数分)。


 とある夏の、後半のある日。帰宅の途中で、『夕立ち』に見舞われた事がありました。

 雨だけならまだしも、隠れる場所の少ない平地で、頭の上で「ドッカン!」「ピッシャン!」と雷が鳴っていたのでは、生きた心地もせず…


(「関東」の北に位置する我が県と、西隣りの県は、雷が多い事で知られており…実際、たまに『落雷』で、人的被害も出たりします)。


 そこで、ポツンとある、空き店舗の軒先で『雨宿り』をしていると…

「ピシャ!」

 一瞬、あたりの景色が「ホワイト・アウト」するほどの『稲妻(いなずま)』。と同時に…

『アッ!』

 瞬間…左から右に…両足に電気が駆け抜けました。きっと、近くに落ちたのでしょう。見れば足(もと)には、足首近くまで()かるくらいの水溜り。


(「雷に打たれて死ぬ時は、(自分では)ソレとは気づかない」と言いますが…自分の経験から申しますと、『アッ!』と思うくらいの間は、ありそうです)。


 以後、そばにあったプラスチック製ベンチの上に乗って、雷雲が過ぎ去るのを待ちました。


(それが、その夏・最後の『夕立』。翌日から、空の雲は高くなり、すっかり「秋の気配」。あの頃は、「本格的な夏の到来」と「夏の終わり」を告げる、激しい雷雨があったものです。しかし、『温暖化』が一段と進み、『地球沸騰化』という言葉まで登場した21世紀。「台風」が通り過ぎても、『台風一過の晴天』ではなく、いつまでも南国みたいな雲が居座っているし…昔から馴染んでいた風情がなくなり、「季節感」も変化。『俳句』の「季語」も、変わってしまうのでしょう)。


 だから、おそらくネコには…

『直接「感電」しなくても、たぶん「帯電現象」くらいはあるのでは…?』

 と思えるし、また、全身を毛でおおわれている「ネコ科」の彼や彼女たち。

 軽度の「怒り」等の時には、「尻尾(シッポ)」を「コップ洗いブラシ」のようにさせ、「本気」の時は、「総毛(そうもう)」立たせるくらいだから…


(もっとも、「怒髪(どはつ)」という表現があるように、人の中にも…「怒り」で…あきらかに『(頭髪が)逆立っている』と思わせる人があります)。


『きっと、「頭髪」「陰陽」「ウブ毛」程度の、体毛の薄い人間には、感じられないのでは…?』


 さて!

 最初に申しましたように、他のネコにゃん(そして、他の毛だらけ・毛むくじゃらの生き物たちに関して)を調査したわけではないのですが…


『だからきっと、カラダ中を毛におおわれているネコは、電気に敏感なのだ!』


 と、あれこれ持ち出してきては、『ネコは雷が嫌い』の「理由づけ」の根拠としていたのですが…

「梅雨入り」直前。本年初の「雷」に、そんな事を思い出しました!


 みなさんは、どう思われます?


PS∶「ウチの犬は雷が嫌いで…」といった発言を、長毛の「座敷犬」を飼っている同業者から聞いたのは…そんな激しい『夕立ち』のあった、翌日の事でした。かしこ!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ