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超エリート貴族の長男は苦悩する〜転生したら主人公では無く、貴族の息子でした〜  作者: まっしゅ@


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生徒の想いに応えるのも教師の役目だよね(その他2名有り)

 ごりごりの戦闘描写を書くのが久々過ぎて難産でした……。

「行きますよっ!」

「はいっ!」


 開始と同時に音を置き去りにして此方に迫る2人。


 シリウス様と……オズだった。


 オズは学園にいる3年間で近接戦闘のスペシャリストになっていた。

 女性ならではの力の無さを身体強化で最低限だけ補いつつ、それ以外を全て速さと動体視力に回した高速戦闘特化のスタイル。

 更に女性特有の関節や体の柔らかさを駆使し、速さ+柔らかさを使った予測不能な攻撃はシリウス様の剣戟を捌き切り、ゴルド様の鉄壁すら掻い潜った。


 それが今度は僕に向けられている。

 しかもシリウス様と同時に。


 当たれば確実に命を断たれるであろうシリウス様から放たれる斬撃の嵐。

 その逃げ道を塞ぐかのようにオズから放たれる予測不能な突きと蹴り。


 …………二人とも?僕を殺しに掛かってません?

 まぁ、この場所で死んだ扱いされたら場外に飛ばされるだけだけどさ。


 でも、生徒達の想いには応えてあげるのが教師でしょ。

 …………2人程違いますけどね?


 魔力を込められ斬撃と打撃は生半可な防御は容易に貫くので守りに入るのは悪手。


 だったら攻撃は最大の防御ってね。


 刻印術式によって起動する今の僕の魔法はタイムラグが無い。

 攻撃が当たる寸前に雷を纏って2人の嵐の様な攻撃を全て迎撃する。

 相手の剣や手脚に攻撃を当てる度に電撃を流し込み、攻撃と防御を両立した選択だ。


「くっ!」


 僕の嫌がらせに、堪らずシリウス様が苦悶の表情を浮かべて数歩後退する。


 襲い掛かる弾幕が半減すれば今度は此方の番だ。


 オズの蹴りに併せて一歩踏み込み、ガラ空きの腹部に雷撃を纏った右手で掌底を叩き込む。

 衝撃で後ろに飛ばされ、宙に浮いたままのオズ目掛けて掌底を放った手から魔法を放つ。


「《電磁砲(レールガン)》」


 これは《極電磁大砲(ヴォルトカノンカノン)》の改良版。

 攻撃範囲と威力・魔力消費を抑え、速度と連射性を上げた、一対一用の魔法。


 この距離且つ空中にいるオズは回避不能だ。

 が、しかしその間に一つの影が躍り出てきた。


「させんぞっ!」


 貫通力も高い筈の魔法は易々と防がれた。


「やりますね、ゴルド様」

「抜かせ!その程度の攻撃、何発撃とうが俺を倒せんぞ!」


 剛壁と呼ばれるだけあり、防御力は帝国随一だ。

 この人を正面から打ち破るには相応の魔法が必要だが―――


「そうはさせてくれないよねっ!」


 魔力反応を感知して咄嗟に障壁を張る。


「隙だらけよっ!」


 声と同時にヨルハの灼熱の雨が僕に降り注ぐ。

 障壁に弾かれた炎は地面を溶かしてしまう程の威力だった。


 皆、殺意高過ぎません?


 そんな考えを他所に、全方から光と風の魔法が襲い掛かる。


「クラウスに…………三馬鹿か!?」

「ガリトンですよ!」


 数は少ないが、一撃一撃の威力が高い光の矢。

 逆に一撃の威力は弱いが、数が多い風の弾丸。

 加えてヨルハの火炎の雨だ。


 味方すら近付けない程の弾幕に僕はどう対処するか考える。


「うん、力技でいこう」


 一瞬にして考えるのを放棄した。


 この模擬戦は教える為のものでは無い。

 自分達の成長を僕に見せる為。

 自分の力がどれだけ通用するかを図る為。


 僕が言うのもアレだが、格上に挑む挑戦者達だ。

 寧ろ手を抜くのは失礼に値する。


「…………っらぁ!!」


 気合の声と共にただ魔力を全力で放出。

 技術も何も無い、ただそれだけだが効果は充分だった。

 放出された濃密な魔力は魔法の全てを掻き消す。


「さぁ…………ここからは全力でいくよ。頑張ってね、皆」


 放出した魔力を体内に引き戻し、無属性の魔力を全身に行き渡らせ、先程同様雷を纏う。

 背後には魔力を圧縮した拳程の人工魔石の弾丸を無数に浮遊させる。


 …………僕、いつから魔王になったのかな?


 とか無意味な事が頭を過ったが無視だ、無視。


 魔王ルックの僕に対してクラウスが剣を構えて前に立つ。


「望むところだ!」


 気合十分の彼の一言に唇の端を吊り上げた僕は背後の魔石を一斉に掃射した―――







「全く…………もうちょっと加減をだな…………」

「はい、申し訳ありません。言い訳のしようもありません…………」


 魔王になりきった僕の魔法は闘技場の魔導具諸共外壁までを完全に破壊し尽くし、崩壊させてしまった。

 念の為闘技場全体を覆い尽くす障壁を僕自身が張っていたのでそれ以上に被害を及ぼす事が無かった幸いだ。


「人的被害が無かったから良いものの―――」


 皆に怪我は一切無かった。

 僕の魔法で即死判定を受けたと共に場外へ。

 天井の崩落はそれぞれが障壁なり回避なりで難無く乗り越えてくれた。

 僕は降ってくる天井を消し飛ばしたんだけど、そのせいで周りから問い合わせが来てそれもまた怒られた。


 最近怒られてばっかりじゃね?


 因みに闘技場の修復に関してはこのお説教の前に終わっている。

 街一つ造れるんだから闘技場くらいなんて事は無い。

 魔導具の方が時間掛かったまである。


 さて、そんな感じで前夜祭も終わって明日は卒業式。




 僕のこの国での生活に一区切り着く日だ。


 全員の出番を描きたかったけど、同じ事の繰り返しになりそうだったので辞めました。

 力不足を改めて痛感…………。

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