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超エリート貴族の長男は苦悩する〜転生したら主人公では無く、貴族の息子でした〜  作者: まっしゅ@


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立つ鳥はなるべく後を濁さない様にするべきだよね

 章で区切っては無いですが、此処からは実質最終章並びにエピローグです。


 先ずは時間が飛びまくります。

 

「旅に出よう。そして世界を回ろう」




 そう決めてからの行動は早かった。

 とは言っても何もかもやりっ放しにするのはいただけない。

 諺にも「立つ鳥跡を濁さず」ってあるしね。


 先ずは今後の方針を父上や陛下に伝える。

 驚かれるかと思ったけど、どちらかと言えば「そっちに思い至ったか…………」と諦めが強かった。


 何でも、元々その可能性を考えてはいたらしい。


 ただ、国として立ち位置や損得を考えるとあの場でそれをを伝える事は出来なかったのだと。


 その為、反対される事は無かったがやはり国は興す事になり、休みの残りは全てその協議と準備に費やされた。


 僕が治める国の場所は帝国と聖教国との国境、つまりリュツィフィエール(失墜した精霊王)を下したあの地域一帯だった。


 聖教国にそれを伝えたところ、二つ返事で了承を得られた。

 あちらからすれば、国に隣接する地域に僕の国があるのは精霊王を信仰する立場としては寧ろお願いしたい位だったと言う。


 すんなりと両国からの割譲が終わり、今度は都市計画の草案と建設工事の打ち合わせ、移住希望者の選定が始まる…………予定だった。


 いや、始まったよ?

 街の草案と移住希望者の選定はね?


 え?建設工事の打ち合わせ?

 そんなもの要らななかった。

 そう、要らなかったんだよ。





「うわぁ…………我ながらドン引きだよ…………」

「ロイ、我が息子ながら流石に擁護出来ないぞ…………」

「流石は我が盟友だな」


 はい、1日で街が出来ました。


 直径約3kmの外壁に囲まれ、中央になる元国境を隔てる砦跡地には国の象徴となる城が建てられた。

 勿論東西には門も有り、城の周りには城壁も完備。

 門と門を繋ぐ主要な道は現代世界もびっくりな舗装された道路。


「まさか考えた通りの街を地属性魔法で再現出来るとは…………。素材とかもちゃんと適切な物に変換されてるし…………」

「精霊王の魔力に加え、我の盟友となった其方であれば当たり前であろう?」

「光竜王殿……例え聞いていたとしても、いざ現実となると驚きは隠せないのが人間なのです……」

「人間とは難儀だな」


 いや驚くでしょ、普通。

 …………ドラゴンに普通を求めるのも違うか。


 何はともあれ街の原型は出来た。

 後は経済を回す為に両国から人員を呼んで、草案通りの街づくりをお願いする事になる。


 お金?

 全部僕のポケットマネーですよ?当たり前じゃないですか。

 稼ぎは割とある方なんで。

 それにこの街……じゃなくて国は僕の我が儘を貫き通した結果だから、それくらい自分で出さなきゃね。




 そんなこんなで長期休みも終わり、学園での教師業に戻る。

 目標は変わらず、剣聖と剛壁をフルボッコもとい片膝を突かせる事。


 皆と共に学園にいる期間は残り1年と少し。

 卒業までの間に何人が目標達成出来るか楽しみだ―――




「で?何でこうなってるの?」




 時は過ぎて卒業式前日。

 卒業までに掲げた目標はクラスメイトの半分は半分達成。

 クラウス・オズの上位2名とダークホースのオズは完全に達成した。

 完全勝利では無いものの、学生が英雄の末裔と戦った末、惜敗に持ち込んだのであれば大金星だ。


 だが、それだけでは終わらなかった。


「さぁ、卒業前の前夜祭だ!派手に行くぞ、皆!」

「「「「「おう(はい)(はっ)!」」」」」


 僕の前には元クラスメイト、現生徒達が陣形を構えて並んでいる。


 前衛にオズ・バリー・メルガーネ。

 後衛にヨルハ・ガリトン・マルア。

 どちらのフォローも出来る位置で前衛寄りのクラウス、後衛寄りのキリエ・コロン。

 3・1・2・3の並びだ。


 現在のメンバーで最適なポジションを取っている。

 そこまでは良い。


 だけどさ―――


「何でその陣形の前に御二人が?」


 そう、前衛の前……最前衛とでも呼ぶ位置に剣聖シリウス様と豪壁ゴルド様がいた。


「当たり前でしょう?君に挑めるなんて早々無い機会ですから」

「生徒の卒業目標のダシにされたんだ。これくらい我慢してもらうぜ!」


 柔らかな口調で話すシリウス様と不遜な話し方をするゴルド様。

 対照的な2人だが、不思議と仲が良い。


「皆、準備は良いかな?」


 何故か審判役をしている父上。

 まぁ、学園長だし学園内の事は仕切るよね。

 周りをよく見ると皇帝陛下も観戦に来ているが、そちらには極力目線を向けない様にする。



「分かりました、覚悟を決めますよ。その代わり、そちらもケガの一つや二つ、覚悟して下さいね?」

「それは勿論です」

「俺の守りを抜いてみやがれ!」


 此方に応える2人の後ろで皆も同意して首を縦に振っている。




「では…………始めっ!」




 卒業式前、Sクラスの皆とその他数人による前夜祭。

 その火蓋が切って落とされた。

 少し短いですが区切りが良いのでここまでになります。

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