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超エリート貴族の長男は苦悩する〜転生したら主人公では無く、貴族の息子でした〜  作者: まっしゅ@


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名付けってセンスが問われるよね

 色々と納得出来ない部分もあるが、無事ドラゴンとの契約は終わった。


 契約内容は以下のとおり。


 一つ、無闇に他の生物を殺生しない事。正当防衛や食料確保は問題無い。

 一つ、麓の町を守護する事。その対価として町の者は相応の供物(食料)を捧げる事。

 一つ、契約主(ロイ)が呼び出した際は余程の事が無い限り応じる事。対価として契約主は相応の報酬を与える事。


 となった。


『本当にこれで良いのか?我は望んでロイに従うと申したが……』

「そもそも今回の件に関しては、貴方が帝国を害さない様になれば問題ありませんから。それに、僕個人としても主従じゃなくただ仲良くしたいだけですし」

『成る程。では我とロイは盟友となるな』

「そんな仰々しいものでは無いつもりなんですが…………」


 友達と言えば穏やかなだけど、盟友ってなると国同士がそう呼び合うイメージがあるので、何か凄く大袈裟に聞こえてしまう。


『盟友ロイよ。一つ頼みがある』

「頼みですか?僕が出来る事であれば何でもしますけど?」


 そう言った後に後悔した。

「何でも」なんてそう簡単に口にしては駄目だと。

 でも、言ってしまったものは遅い。

 素直に次の言葉を待つ事にした。


『我に名を与えてくれまいか?』

「…………はい?」

『そうか、良かった』

「いや、今の「はい」は肯定では無く聞き返しただけなのですかが?」

『我に名を与えてくれまいか?』

「違う、そうじゃない。聞こえてはいました。ただ理解が追いつかないと言うか、理解したくないと言うか…………」


 エレナーデ(精霊王)の一件で名付けをするって、何か凄く嫌な予感がするんだよなぁ。


『精霊王に名を与えておいて、我には与えられぬと言うか?』

「いや、そんな事は無いんですが…………まぁ良いや。気に入らなくても知りませんよ?」

『ロイから与えられた名が気に入らぬ訳が無い』


 重い……重いよお前さん……。

 何か俺様系ツンツンキャラがいきなり激重ヒロインに変貌を遂げた気分だよ。


 …………ん?それにドラゴンって性別あるの?


「恥知らずな質問で申し訳無いんですけど、ドラゴンって性別あるんですか?」

『あるにはあるが、曖昧だな。子を成すにも自分自身の魔力から生み出す故、他の生物の様に番は必要無いのでな』

「因みに貴方は…………?」

『一応雌だが?』


 おっと?

 僕ずっと頭の中で「彼」って呼んでたよ?

 まぁエレナーデみたく心の声を読み取られてないからバレないでしょ。


『どうせ我を雄だと思っていたのだろう?』

「…………はい」


 はい、即バレしました。

 聞いた時点でまぁ……ね?


『それより早く名を付けてくれ』

「その前に3人を呼んで良いですか?多分心配してくれているんで」

『ロイの仲間……だったか。勿論良いぞ』

「ありがとうございます」


 そんな訳でクラウス・オズ・ヨルハに経緯を説明して此方に来てもらった。


『では、改めて名を与えてくれ』

「ロイ。お前、ドラゴンに……しかも古代種に名付けを行うなど歴史上初の偉業だぞ?」

「でもロイ君って精霊王様にも名前付けてたし、今更じゃないかな?」

「つまりあんたは歴史に2回も名を残すのね」

「やめて。それは今考えたくなかった事だから」


 と、何時までも待たせていると怒られてしまいそうですなので、いい加減名前を考えなければ。


 古代種のドラゴン……。

 純白の鱗……。

 光の竜……。


 う〜ん…………。


 ホワイト……ドラゴン……ライト……。




 あ、そうだ。




「リュミエブランシュ…………」

『「「「リュミエブランシュ?」」」』


 まさかの3人と1匹でハモった!?


「ロイ君、リュミエブランシュって?」

「あぁ。リュミエブランシュってのは僕が造った造語。「光」を意味するリュミエールと「白」を意味するブランシュを組み合わせてみたんだよ」

「光と白か……。確かにピッタリな気がするな」

「そういうネーミングセンスあるわよね」


 お、3人の評価は上々みたいだ。

 そして当の本人はと言うと…………。


『リュミエブランシュ……リュミエブランシュ……。ふむ、良い響きだ。我はこの時より光竜王リュミエブランシュと名乗ろう!』


 空に向かい、大きな咆哮を上げながらそう宣言したドラゴンもといリュミエブランシュ。


 …………って待てよ?


「リュミエブランシュ?今なんて言った?」

『リュミエブランシュと名乗ろう。と』

「違う、その前」

『良い響きだ。と』

「何で間を飛ばすかな!?」

『間…………あぁ、光竜王か?』

「そうそう、それ!リュミエブランシュって竜王なの!?」

『そうだぞ?我は全ての竜種の頂点に位置する竜王だ。光竜王は我が光を司る故そう呼ばれている』


 彼女が竜王だとしたら、その竜王の盟友の僕は―――


「ロイ君が竜王様の盟友って事は他の竜達はどうなるんですか?」

『ロイは我と同格。であれば我が眷属の全てはロイに頭を垂れて然るべきだ。つまり、全ての竜はロイの眷属と同義』

「…………ロイ?」

「あんたねぇ…………」

「うわぁ!ロイ君って凄いねぇ〜!」


 非難、呆れ、尊敬の感情を受けてしまう。


「いや…………そんなつもりは……無かったんだけど………」

「あんな契約術式を創ったくせに?」

「うぐっ!」

「そもそも討伐する気無かったんだろう?」

「うぐっ!うぐっ!」

「ロイ君はドラゴンと友達になったんだね。ボクもなれるかなぁ?」

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」






 やめて!僕のライブはもうゼロよ!

 何か話が長くなるにつれオズの知能指数が下がっている気がする…………。


 因みにドラゴン編は次の話で終了になります。


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