よく考えると先生している期間が短いよね
明けましておめでとうございます。
新年早々、後書きにご報告がございます。
2025/01/18
感想でのご指摘により、最後の部分を修正しました。
ご指摘ありがとうございます。
あっと言う間に二学期も終わりに差し掛かった。
僕が提案したゴーレムによる試験は初めての事も有り、少々のトラブルは有ったものの問題無く終わった。
え?詳細?
そんなの聞いても楽しく無いから勿論省かせてもらうよ。
べ、別に説明が面倒とかじゃないんだからねっ!
そんなこんなで今日は終業式。
時が立つのは早いもんだね。
「「時が経つのは早い」とかお爺さんみたいな事考えてる顔だね、ロイ君」
「む?何故バレた?」
「だって顔に出てるもん」
今学期最後のHRの為に教室に入った直後にオズからそう言われた。
そんなに顔に出てた?
兎に角、さっさと終わらせてしまおう。
まだやる事が山積みなんだからね、こっちは。
「さて、今日で二学期は終わり。試験も無事終了しました。結果は知ってのとおりだけど、新試験を取り入れた事で少し順位が変わったね」
そう、新試験によって全てを総合的に審査出来た事で成績に変動が起きた。
首席:クラウス=ペンドラゴン
次席:ヨルハ
3席:キリエ
此処までは前回と変わらなかった。
変わったのは此処から。
4席:オースタス
5席:バリー=ケント
6席:メルガーネ=ルンス
7席:マルア=ロウ
8席:ガリントン=ナーベル
9席:コロン
となった。
ずっとこのクラスで最下位(と言っても学年でトップ10だから凄いんだけど)だったオズが4位に躍り出た。
更に、体術メインのバリーも入学当初と同じ様に順位を上げ、逆に魔法が使えるから成績が高かった者達は順位を下げる事になっている。
「新試験は総合的な実力を判断出来る。つまり、今後「魔法が得意=成績が高い」とはならない事を心に留めておいてほしい。実際、身体強化のみで僕に負けた事がある皆ならよく分かるでしょう?」
僕の質問に対して皆が首を縦に振る。
「今学期はそれぞれ1つ以上の刻印術式を覚え、クラウスとヨルハに関しては既に刻印術式を簡単なものであれば創れる様になっている。1年生の内に全員出来る様になってもらうから…………頑張れ」
「ロイ、あんたの頑張れは文字どおり血反吐を吐きそうになるのよ?分かってる?」
ヨルハの鋭いツッコミを華麗にスルーして話を続ける。
「目標は変わらず。この調子だとまだまだ遠いけど、ちゃんと皆が達成出来る様に全力で指導するからよろしくね?」
「うん、頑張るよ!」
オズの素直さが眩しい。
何処ぞのヨルハさんも見習って―――おっと、睨まれた気がしたのでこの話はここ迄にしよう。
…………ところで、何故バレた?
「とりあえず、明日からは冬季休暇に入ります。皆それぞれ過ごし方があると思うけど、怪我だけはしない様に。怪我する様な事をしたい人は僕と一緒に訓練しよう」
「訓練?ロイは実家に帰らないのか?」
「いや、実家に帰るも何も歩いて直ぐ出し……。それに、今年の冬は皇帝陛下と学園長に頼まれ事をしているからそっちに掛り切りになりそうなんだよねぇ…………」
「父上と学園長に頼まれ事……?それは厄介事か?」
「あ〜……うん、まぁ厄介と言えば厄介…………かな?」
「何でそんなに歯切れが悪いの?」
「どうせ疚しい事なんでしょ」
「ヨルハ、泣くよ?僕、そんなに心が強い訳では無いからね?」
ヨルハによる心への攻撃を受けつつもHRは無事に終わり、僕は終わったその足で学園長室に向かった。
「わざわざ来てもらってすまないね、ロレミュリア先生」
「陛下にそう言われるのとてもむず痒いので何時もどおりが良いんですけど…………」
「そうか……。では何時もどおりロイと呼ばせてもらう。それと楽にしてそこに掛けてくれ。此処には君を含めて3人しかいない」
「ありがとうございます。では失礼して」
学園長室にやってきた僕は案の定そこにいる皇帝陛下に対して片膝を着き頭を垂れようとするが、その前に制されてソファに座る。
「呼び出したのは他でも無い、私達の頼み事についてだが……受けてくれるか?」
「そこで受けない選択肢ってあるんですか?」
「この国の皇帝は私だが、実力とコネクションで言えば君の方が遥かに上だからね。拒否しても誰も文句は言わないさ」
「でも小言は言うんでしょう?」
「こら、ロイ」
ふざけ過ぎて父上に怒られてしまった。
ただ、内容が内容なだけに少しは許してほしい。
「良いんだ、イーサン。こちらとしても無茶な事を言っているのは自覚している。多少の不満を言われてもしょうがないさ」
「しかし皇帝陛下に対してあの口の聞き方は…………」
「3人しかいないと言っただろう?お前だって私に小言を言うじゃないか」
「それはアルが適当な事をするからだろう?」
「ほら、似た者親子じゃないか」
確かに、僕以上に苦言を呈しているのは父上だと僕も思う。
「さて、戯れは此処までにして本題に移そうか。先ず、ロイ。この話、本当に受けてくれるか?」
「はい。陛下の願いとあれば、帝国民としての本懐かと」
「そんな上辺の言葉は要らない。これは私の友……いや、ガザニア帝国の友として答えてほしい」
僕、国と対等な友達になった覚えは無いんですが?
と、無粋な事は言いっこ無しだろう。
「上辺って訳ではありませんよ。帝国民としてだけでは無く、父上の親友であり、私の親友の父の願いですから。喜んでお受け致します」
「……クラウスを親友と呼んでくれて父として、またこの無茶な依頼を受けてくれて皇帝として、重ね重ね感謝する」
唯一対等に…………いや、今はもっといるけど、少なくとも今まではクラウス以外にはいなかったから。
それに話を聞いた時、誰にも行かせたくない気持ちが強かった。
自意識過剰かもしれないけど、この依頼を熟せるのは多分僕しかいない筈だから。
勿論、父上やその他の侯爵家と陛下がパーティを組めば完遂出来るとは思う。
だけど、もしかしたら……万が一がある。
僕一人であればもし万が一があっても国の運営に関わらない。
まぁ、そもそも万が一を起こさないけどね。
「また話が逸れてしまったな。では、これよりロレミュリア=ガストンブルクに勇者の末裔にてガザニア帝国皇帝アルフォンス=フォン=ガザニアと」
「賢者の末裔にてガザニア魔法騎士学園長イーサン=ガストンブルクが命ずる」
「「ガザニア帝国の脅威となるドラゴンを討伐せよ!!」」
【作者からご報告】
改めて、明けましておめでとうございます。
早速本題ですが、新年一発目の本日の投稿を最後にまた此方の作品を休止させて頂きます。
理由は単純にプライベートが忙しくなるからです。
仕事の関係で昨年末〜年明け、更にこれから確定申告やその他諸々が重なり、春頃迄はずっとバタつく可能性が高く、定期更新が難しくなると思います。
また、元々思い付いた話を下書き無しで書いていたのですが、結局は構想を考え始めて、それをメモしていたデータが全部消し飛んでしまったのも理由です。
大まかな事は覚えているのですが、割と先の事まで考えていたのでそのダメージが…………って感じです。
作者の都合で読んでいただいている皆様にご迷惑をお掛けします。
一応もう一作品のデータは何とか掘り起こせており、そちらの更新は続けていきますので、お待ちの間に良ければそちらもお読みいただければと思います。
おめでたい新年なのにこの様な事になってしまい、誠に申し訳ございません。




