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自由にしたいけど、いざ言われたら実際困るよね

 この小説のタイトルはぶっちゃけ何の意味も伏線もありません。

 小説内容と同様に思い立った事を書いています。

 入学式から一夜明けて、今日から本格的な授業が始まる。

 寮の部屋ではオズとお互いの事を話して仲良くなった(多分)。

 本格的な授業と言っても僕達Sクラスは定期試験と強制参加の学校行事以外は基本的に自由になるらしく、朝礼時と終礼時の点呼に参加さえすれば普段は問題無いらしい。


 ジン先生が教室から出た後、それぞれ何をするかを話し合っているみたいだ。


「オズ、今日は何する予定?」

「ぼ、ぼくは魔法が苦手だから、魔法の講義を受けるつもりだけど……」

「それってちょっと勿体無くない?」

「えっ……?」

「ちょっと!あんた!オースタスに酷い事言ってるんじゃないわよ!」

「ぼ、ぼくは大丈夫だよ」

「オースタスが良くても私が良くないの!あんた、貴族だからって他人を貶める事言って良いと思ってる訳っ!?」


 僕とオズの会話を聞きつけ、ヨルハが僕に詰め寄ってくる。

 言い方が悪かったか……。

 僕が何を伝えたかったか改めて言い直そうとしたら、僕とヨルハの間に割り込む三人組。


「おい、平民!誰に向かってそんな事を言っている!」

「ロイ様はそこのそいつに身の程を弁えろと仰っているのだ!」

「そうだ!ねぇ、ロイ様?」

「違うから。話が拗れるからどっか行け、三馬鹿」

「「「あだぁっ!」」」


 三馬鹿を蹴り飛ばして、話を無理矢理元に戻す。


「オズ、ヨルハ、言い方が悪かった。気分を悪くしたならごめん」

「き、気にしてないよ、ロイ君」

「口で謝って済む問題じゃないわよ!」

「じゃあどうしろって言うんだよ」

「土下座しなさい、土・下・座」

「ちょちょちょ、ちょっと、ヨルハさん!そんな事させたら駄目だよ!ロイ君もしなくてい、良いからね!」

「オズ、大丈夫。ありがとう。それと二人共、不快な思いをさせてしまって申し訳なかった」


 僕は腰を下ろし手を地面に付いて、二人に土下座をした。


「ロ、ロロロロロロロイ君!頭を上げてよ!ぼ、ぼぼぼ、ぼくは気にしてないから!ね?ね!」

「…………ふんっ。そこまでするなら今回は許すわ……」


 僕に頭を下げられて、面白いぐらいにテンパるオズとまさかするとは思ってなかったのか、悔しい様な気まずい様な複雑な表情をするヨルハ。


「じゃ、じゃあ、ヨルハさんも良いって言ってるしロイ君も立ってよ」

「ありがとう。じゃあ僕の言い訳を聞いて……いや。実際に見てもらった方が早いかもしれないね」

「見る?見るって何を?」

「良いから良いから。おーい、クラウスー。少し手伝ってー」


 こっちを面白そうに見ていたクラウスに呼び掛ける。


「お!何だ何だ!勝負か!?」

「うん、勝負しよう」

「え……?ロイ……お前、大丈夫か?熱でもあるのか?お前が、あっさり勝負を受けるなんて」

「そんな事で熱があるなんて思わないでほしいんですけど?そう思うなら持ちかけないでくれないかな?」

「それは無理だ!」

「あっそう。じゃあクラウスとオズ、特殊練武室に行くよ」

「特殊練武室?魔物とでも戦うの?」

「違う違う、良いから付いてきて」


 クラウスとオズの後ろでもじもじとしているヨルハが見えた。

 もしかしなくても一緒に行きたいんだろうけど、自分からは言い出しにくいんだろう。


「ヨルハ。そんな事はしないけど、オズに僕が何もしないかを見張る為に一緒に来る?」

「そ、そうね!監視役が必要でしょうから付いて行くわ!」

「ありがとう」

「ふんっ!」

「…………他にも見たい人がいたら付いてきてね」


 教室にいる全員からの視線を浴びて、結局Sクラス全員で向かう事になった。




 特殊練武室には丁度ジン先生が居たので、お願いがてら声を掛ける。


「先生、お願いがあるんですけど」

「おぉ、ロイ……と全員揃ってどうした?」

「実は―――」


 ジン先生に僕がやりたい事を耳打ちする。

 最初は疑問を抱いていた先生も次第に真剣な表情になる。


「どうでしょうか?」

「出来る事には出来るけどよ。お前の負担が大きくないか?」

「大丈夫ですよ。キツい、汚い、給料安いの3Kには慣れてます」

「3K……?それはよく分からないが、とりあえず大丈夫なんだな?」

「はい」

「じゃあ俺からは何も言わん。あいつ等にも良い刺激になるだろ」

「ありがとうございます。じゃあお願いします」

「おう、分かった。じゃあクラウスとロレミュリア、オースタスは俺と一緒に部屋に入った後、そこの魔道具の所に。他の奴等は外から自由に見学しておけ」


 この特殊練武室は文字通り、他の練武室には無い、特殊機能がいくつか存在し、今回はその一つを使うつまりでやってきた。


「じゃあオースタス。この魔石に触れて魔力を流せ」

「は、はいっ」


 ジン先生の指示通りにオズは備え付けの魔石に魔力を流す。


「よし、もう良いぞ。ロレミュリア、この魔石に触れ」

「はい」

「じゃあやるぞ」


 僕が魔石に触れると、光を発し、魔力がこちら側に流れ込んでくる。


「どうだ?問題無いか?」

「ちょっと待って下さい。身体を少し動かします」


 僕は皆から離れて身体を軽く動かして、動作の確認をする。

 五分程適当に動かし、準備完了のサインを出した。 


「準備出来たみたいだな。じゃあ俺とオースタスも外に出るぞ」

「は、はいっ」


 ジン先生はオズを引き連れて部屋にの外に出る。

 そして、外側にある魔道具から話しかけてきた。


『分かってると思うが、この部屋では怪我したり死んだりはしない。だが、攻撃を受けたらそれ相応の衝撃や痛みはあるからな。後二人共、念の為上級以上の魔法は禁止だ。部屋がぶっ壊れたら俺が怒られる』

「いや、怒られるのが嫌なだけですか……」

『当たり前だろ。修理費用を給料から引かれてみろ。一生働かなきゃならん』


 確かに、この部屋にある魔道具は早々買えるもんじゃないから、ジン先生がイッテル事もあながち間違ってはいないだろう。


『さて、そろそろ始めるが問題無いな?』

「分かりました。クラウス、準備は良い?」

「あぁ!俺はいつでも良いぞ!」

「じゃあ先生。合図お願いします」

「おう。では互いに、礼。では……………………始めっ!」






 ジン先生の掛け声で武器を取り出した僕達は相手に向けてどちらからともなく最短距離を駆け出した。

 この小説が「面白い」・「しょうがない、続きを読んでやろう」と思ってくれた方、是非ブックマーク・いいね・コメントをお待ちいたしております。

 作者が喜びます。


 また、X(旧Twitter)のアカウントもあります。

 mash_hawkeyes

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 今後とも作者共々お付き合いよろしくお願いいたします。

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