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何でも初日って緊張するよね

 お待たせ致しました!

 本日よりまた毎週月曜日の更新再開となります!


 初手、メタ発言がありますのでご注意を。

 僕は今学園にいる。

 何か一週間位前には引っ越しの為に寮にいた筈なのに、何故か1ヶ月半位学園に来ていないもとい寝ていた気がするのは気の所為だろう。


 そして今居るのは教室では無く職員室。


 呼び出しを喰らった?

 違う違う。


 僕は学園長との契約に基づいて、今日から教師として学園に出勤してきている。


「ロイ、柄でも無く緊張しているのか?」

「ジン先生?僕だって成人したての普通の人間ですよ?」

「お前みたいなのが普通でたまるか」


 いきなり酷い事を言ってくるのは担任だったジン先生。

 今日からは同僚になるんだけどね。


「ほら、そろそろHRの時間だ。行くぞ」

「はい」


 僕が担任するのは勿論Sクラス。

 ジン先生は副担任として、慣れない僕を手助けしてくれる…………予定だけど、多分何もしてくれない気がする。


 教室の前に辿り着いて、扉を開ける前に一度深呼吸―――


「皆座れー!HR始めるぞー!」

「ジン先生っ!?」


 するつもりが、ノンストップで教室に突撃したジン先生によって阻まれてしまった。

 先生が入ってきたのを見て各々が席に着くけど、その視線はこちらを向いている。


 しかもニヤニヤしながら…………。


「まぁ、分かりきってた事だが、二学期から担任が変わる。宜しく頼むぞ、ロレミュリア()()?」

「ジン先生、楽しんでるでしょ?」

「人生楽しまなきゃ損だろ?」

「いい性格してますね……」

「人が良いで通ってるからな」

「はぁ…………もう良いです」


 ケタケタと笑う先生を横目に見ながら教壇の上に立つ。


「そんな訳で、今日から僕が担任みたい。皆宜しくね」


 そう言って皆を見回すと、相変わらず僕を見ながらニヤニヤ。


「…………何か文句あるの?」


 ジト目で皆を見返すとオレンジ色の長い髪をハイツインテールに纏めた少女が笑みを崩さず僕にこう言う。


「ロイ()()?折角新担任として教壇に立っておられるのですから、他にも何か一言言っていただけませんか?」

「くっ……。ヨルハ、覚えとけよ…………」


 あんなに貴族を毛嫌いしていたヨルハも今ではこうやって僕をイジる程度には仲良くしてくれる様になった。


「ヨルハちゃん、やめてあげようよ。ロイ君が可哀想だよ……」

「流石……公認嫁……。旦那に……優しい……」

「き、キリエちゃんっ!?」


 ヨルハを優しく嗜める肩より少し上まで伸びた黒髪と黒い瞳を持つオースタス。

 このオースタス……オズは僕の元ルームメイトで、性別を隠して男子として入学していたけど、今ではすっかり女子の制服を着こなしている。


 そんなオズを誂って楽しんでいるのは同じ様な黒髪をボブにしているキリエ。

 普段無口なくせにこんな時だけはよく喋る。


「ふむ!ロイに教師用ローブは少々大きいな!」

「うちの店で専用ローブ作り直そうかー?」


 気にしている事をズケズケ言ってくるのおじさん……じゃ無かった大男はバリー。

 その横で小銭稼ぎを画策しているがめついロリっ子がコロン。


 …………正直、少し頼みたい気持ちもある。


「我等は!」

「一生!」

「付いていきます!」

「黙れ三馬鹿!」

「「「扱いが酷いっ!」」」


 アレは三馬鹿。

 以上。


 そして僕を除いてもう一人いるんだけど……。


「クラウス?いつもウザ絡みしているのに何で静かなの?」


 この国の王子であり、僕をライバル視している金髪イケメンのクラウス。

 普段なら勝負だ何だ言ってくるのに今日は妙に大人しい。


「…………納得いかない!」

「いきなり何!?」


 と思ったら大声を上げる。

 情緒不安定か、君。


「どうせあれでしょ?ロイが抜けて、繰り上がりで殿下が首席になったのが許せないんでしょ?」

「その通りだ!ロイ!首席は空席にしておけ!俺は次席で良い!」

「そんな事出来る訳無いでしょ!?」


 どんだけプライドが高いんだよ、この王子は……。


「ところで?肝心の一言がまだなんだけど…………?」


 そう言ってヨルハが話を蒸し返す。

 折角流れたと思ったのに…………。


「はぁ……分かった。何か言えば良いんでしょ?」

「当たり前じゃない」

「後悔……するなよ?」

「…………え?」


 君達(ジン先生含む)だけ楽しむなんて許さない。

 教師として、同僚として、君達を遥か高みに導いてやろうじゃないか。

 勿論、事前に学園長(父上)から許可も貰っている。


「良い?僕がこのクラスの担任になったからには生半可な結果は許さない。授業内容も全て僕自ら考えた内容に変更する」

「ちょ、ちょっと、待ちなさいよ!そんな事出来る訳無いじゃない!?」

「何で?僕はこのクラスの担任だよ?このクラスを導く責任がある。そして僕、ロレミュリア=ガストンブルク、学会での名前アルベルト=アインシュタインが導く道はそう生易しいものの筈が無いでしょ?」

「だってよ、お前等。大変だな!」

「勿論、同僚でもあるジン先生もみっちりしご……勉強してもらいますから」

「おい、今しごいてって言おうとしたろ?」


 そんな人聞きの悪い。

 僕はしっかり教育するだけですよ。


「このクラスの最終目標。それは…………」

「「「「「それは…………?」」」」」







 僕は皆の不安を感じながらニヤリと口角を上げる。








「最終目標は…………シリウス様かゴルド様、またはその両方に片膝を着かせる事だよ」



 




 僕の世界最強の学生教育が今、始まる。

 だいぶ長い間ロイ達には眠っててもらう事になりました。

 今回からは新章の教師ロイ編が始まります。


 何かタイトルと離れている気がする?

 いえいえ、これはエリート貴族の長男が苦悩する話ですから何も問題ありません。

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