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超エリート貴族の長男は苦悩する〜転生したら主人公では無く、貴族の息子でした〜  作者: まっしゅ@


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46/70

頑張っても最後は自分でどうこう出来ない事ってあるよね

 後書きに重要なお知らせがございます。


 あと、終盤少しメタい発言があります。

「うん、思った以上に早く終わりそうかな」

「ロイ君の引っ越しって早いんだね。魔箱使うから当たり前なんだろうけど、少し羨ましいな」

「オズが必要なら刻印術式作ろうか?それとも付与した鞄とか」

「ん〜……。どっちも凄い値段になりそうだから遠慮しようかな…………」


 そんな他愛無い話しをしながら、一学期の短い間だけどお世話になった寮の部屋を片付けていた。

 夏休みが明けから僕はこの学園の教師になる事が決まったので、退寮する必要があったからだ。


 僕の退寮に合わせて、オズは女子寮に移るらしい。

 まぁ、わざわざ一人で男子寮にいる必要無いもんね。

 次の部屋はヨルハと同じらしく、あまり気を遣わなくて済むとホッとしていた。


 いや、ヨルハと相部屋とか僕なら精神削られるけど、女子同士なら問題無いんだろう。




 そんな夏休みが終わるまで残り三日に迫った日。

 オズと話しつつ片付けをしながら、ふと今回のゴタゴタについて考えていた。






 あの日、僕が教皇に提案した話はこうだ。


 今回の件はトレ枢機卿含む3人の枢機卿の暴走。

 それに気付いた教皇は3人を止めようとするも叶わなかったが、精霊王からの神託を受け、使徒に願って戦争を終結させた。

 だがそれも間に合わず、枢機卿3人の策略によってラリノア聖教国民の命が奪われた。

 更なる被害は寸で食い止められたものの、その被害は甚大。

 責任を取らせるべく首謀者3名は打首とし、財産や家名を全て没収、没収した財産の八割をガザニア帝国への賠償として支払う。

 教皇本人はその座を後任に譲る。

 そして是等全ては使徒の提案と精霊王からの信託として国民全員に周知させる様に。

 そして、その場にいた全員は精霊王と使徒に誓いこの場で起った出来事の全てを口外をしない事。


 枢機卿の2人を除く、教皇含む全ての人間が二つ返事で了承し、今回のガザニア帝国とラリノア聖教国の戦争は幕を閉じた。


 いやぁ、職権乱用って素晴らしい。


 勿論、予想外の出来事もあった。


 先ず驚いたのは新たに指名された教皇。

 指名されたのは現教皇の師でもある前教皇だった。


 何でも、枢機卿達の不穏な動きを察知したがそれが彼等にバレてしまい、強制的に退任に追い込まれ、半ば監禁に近い状態で身柄を拘束されていたらしい。

 現教皇は救出する機会を伺っていたらしく、今回の騒動を機に教皇の座を前任に返上した。


 そしてもう一つ驚いたの事。


 それはこの国の聖女の末裔であるレイエナ=ダルクが霊王教の教皇補佐として出向すると言う。

 違う宗教とは言え、同じ宗教の教皇の立場としてお互いに支え合えると共に、監視の意味も含まれるらしい。


 …………これ、実質レイエナさんが世界を支配したのと同義では?


 他にも色々あったけど、特に記憶に残っているのはこの2つ。


 正直、あの場を強制的に収めた僕の出来る事はもう殆ど無い。

 偶に使徒としてロイの姿と身分は明かさない様に説法……まではいかないけど、色々話したりはしたけど、基本無い。

 ってかしたくない。


 そんな訳で後はお偉いさん方に丸投げだ。




 と、纏めるとそんな感じ。


 因みにだけどあの件以降、エレナーデは姿を一度も表す事は無かった。

 今でも話そうと思えば話す事は出来るけど、最低限の用事のみ。


 何でも、『今回は世界を脅かす脅威が現れ、それを企てた張本人達を咎める為に姿を現しただけですから。本来、もう私の手を離れてしまったこの世界を過度な干渉をするつまりはありません』との事。

 僕を召喚したのは干渉じゃないのか疑問が残るが、エレナーデ本人が白と言えば白になる世界なので、野暮な事は言うまい。


 ただ、一度使徒と認められたからには精霊紋自体は今後も残り続けるらしい。

 とは言ってもあの時みたいに強力な魔法は使えない。

 増えた分の魔力量や無属性魔法の真理に到達した部分は精霊紋は一切関係無いらしいので、そのままだ。

 つまり今の僕は使おうと思えば実質的に全基本属性を使用出来る。

 まぁ、面倒事にまた巻き込まれるのも嫌なので、使うと言っても火起こしとか顔洗う水とか程度に留めているけど。

 それも魔道具でどうにか出来るし、極稀。


 これで全て丸く収まった。

 そういう事に僕の中ではなっている。





「―――君?ロイ君?大丈夫?」

「ん?あぁ、ごめんごめん。少し考え事をしてた」

「声を掛けても反応しないからびっくりしたよ。僕はもう片付け終わったよ」

「こっちも掃除は終わったから、これで完璧だね」

「うん、そうだね…………」

「ん?どうしたの?」


 面倒な片付け(部屋の方)が終わったのにも関わらず、オズの顔は暗い。


「いや、対した事じゃないんだけどね?短い期間だったけど、ロイ君と二人の思い出が詰まったこの部屋を出ていくのが少し寂しくて…………」

「……そうだね」

「僕、ロイ君と出会ってなければ僕は未だに男の振りをしていただろうし、色んな事を知ったり経験したり得たりする事は出来なかった」

「そんな事は無いと思うよ?オズは努力家だから、僕と出会わなくてもきっと自分で成長出来ると思うし」

「そうかもしれない。でも、やっぱり今の僕がいるのはロイ君のお陰なんだよ。ロイ君、短い間だったけどルームメイトでいてくれてありがとう」

「何かもう会えないみたいな言い方だね。今度からは教師と生徒としてだけど、毎日会えるから」

「そうだよね。先生!これからよろしくお願いします!」

「うむ、任せ給えオズ君!」


 そんな冗談を言いながら、二人で顔を合わせて笑う。




 二学期が始まれば、これまでと形は変わってしまう。

 だけど、変わらないものも沢山あるだろうし、変わったなりに改めて色々築いていけば良いんだ。


 オズと話してるとそう思えて、これからがすごく楽しみになった。









『あれですね。こんな時に「リア充爆発しろ」と良いんですね』


 …………折角良い感じて締めようとしてたのに辞めてくれませんかね?

 さっき、必要最低限って言ったばかりなのに。


『必要だったので』


 あ、そうっすか。





 そんな訳で、何とも締まらないまま、僕の生徒生活は完全に幕を閉じた。







      










『最終回みたいですけど、まだ続きますよね?』







 だから空気読めって、この天然王っ!

お知らせ

 この作品は明確な章分けをしている訳では無いのですが、前話の後書きにも記載した様にここで一旦一区切りとなります。


 次からはロイが教師となって悪戦苦闘する話の予定なのですが、何と殆ど構想が練られていない状況です。

 正確に言えば考えている話は幾つかあるのですが、全然繋がりの無い短編の連続になりそうなんです。 

 

 その為、素人ながらもちゃんとした作品をお届けするべく、構想がある程度纏まるまで休載、ストーリーの構築が出来た後に連載を再開しようと思い至りました。


 作者の我儘と力不足で読んでただいている方々には大変ご迷惑をお掛けしますが、必ず更新再開しますので、それまでお待ちいただければ幸いです。

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