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入学初日で学校生活の大体の行く末って決まるよね

 何とか遅刻せずに間に合った僕だった…………。




 なんて事は無く、普通に遅刻した。

 入学式には全然間に合っているが、クラス分けの事前確認の時間に遅れただけなので、一応支障は無い。

 しかし、僕は今、正門と学者の中間にある噴水広場のベンチにてお説教を賜っている。


「良いですか、ガストンブルク君!いくら校長のお子さんだからと言って入学初日から遅刻に加えて侯爵家たる者がいくら近いからと馬車を使わず走って、しかも身体強化を使って登校するとは貴方には自覚が―――。そもそも―――」


 凄いな、この先生。

 殆ど息継ぎ無しで噛まずにこんな長文スラスラ言えるなんて。

 この学園では、制服を着用し一度門をくぐればそこに身分の差は無い。

 先生は先生だし、生徒は生徒。

 貴族も平民もそこに貴賤は無い。


「ちょっと!聞いてるのですか!?ワタクシは貴方の―――」

「申し訳ありません、ケラウ先生」

「これは秘書様。只今息子さんの遅刻について話をしていたところですわ」

「はい、その件については私にも責任がございます。新入生代表スピーチを不安に思う息子の練習に付き合っていたらつい…………。ケラウ先生は優秀な子どもさんを何人もいらっしゃるとお聞きしました。是非ともご教授していただきたい位です」

「…………確かに。子を思う親の気持ち、分からなくはありません。ガストン君、今回は多目に見ますが、今後はこの様な事が無いように」

「はい、申し訳ありませんでした」

「代表スピーチ、楽しみにしてますわよ」

「はい……。頑張ります……」

「では、秘書様。失礼致します」

「ご迷惑お掛け致しました。またのご指導よろしくお願い致します」


 最初と違って、物凄く上機嫌に去っていた。

 そして、母上流石だな。

 ケラウ先生って確か厳しくて気難しいと評判の伯爵夫人だった筈なのに。


「ありがとうございます、母上」

「良いのよ。可愛いロイちゃんの為だものっ」

「学園内でロイちゃんは辞めて下さい……」

「あら?じゃあ家だったら良いのね!?言質取りましたー」

「あっ!ちょっ……!母上!?」

「ガストンブルク君も学園内では秘書官か先生って呼ばなきゃ駄目よー。じゃあねー」


 やられた、完全にやられた。

 僕は気を落としながらトボトボと新入生が群がる掲示板の前に向かった。




 掲示板の前では沢山の新入生が『一緒のクラスだねー!』とか『俺Bかよー!A狙ってたのにー!』とか色んな声が飛び交っている。

 この学園は入試の結果でS・A・B・Cの4クラスに分けられる。

 いやいや、何で異世界でローマ字?と思ったそこの貴方。

 実はこれ、分かりやすく伝えているだけで、本当は少し違う。

 この世界の言語や文字は前世の英語をベースに他の外国語を足し一切割らない感じなのだ。

 何言ってるか分からない?大丈夫だ、僕も分からん。

 その為なのか、文字もローマ字に似ている。

 何ともご都合主義だよね、うん。


 閑話休題。


「さて、僕のクラスは…………あった」


 僕はSクラスに名前があった。

 一応、新入生代表スピーチがあるから首席なのは知っていたけど、実際見るまで不安だったんだよね。

 僕が確認していると掲示板の近くに居た先生が拡声の魔法で皆に呼び掛ける。


「時間になりました!自分のクラスを確認した生徒から大聖堂に向かって下さい!そこの椅子に自分の名前が書いてある紙がおいてありますので、そちらに座って入学式の開始まで待機をお願いします!」


 うわぁ~、場所指定されてるんだ。

 なるべく後ろの目立たない席に座りたかったのに……。

 ゾロゾロと移動する生徒達に紛れて、僕も大聖堂に向かった。




 最初は疎らだった席も生徒達が座り始め、いつしか立っている生徒はいなくなった。

 人数的に新入生だけでだと思う。

 生徒達が座っている席の両端には大人達がいる。

 左側はこの学園の先輩達だろう、僕の母もいる。


 母上、辞めて。こっちに手を振らないで、お願いだから。


 逆側には校長(父上)を含むお偉いさん方が座っている。

 ……って知っている人ばかりだ。


 現皇帝、勇者アーサー=ペンドラゴンの子孫、アルフォンス=ペンドラゴン

 宮廷魔法師団の団長、魔導姫モルガン=ギャザリングの子孫、ルシア=ギャザリング。

 宮廷騎士団団長、剣聖ガヴェイン=ローランドの子孫、シリウス=ローランド。

 ギルド総本部のギルドマスター、剛壁ガラハット=ドーンの子孫、ゴルド=ドーン。

 この国唯一の宗教の教皇、聖女ジャンヌ=ダルクの子孫、レイエナ=ダルク。

 そして、我が父でありこの学園の学園長、賢者マーリン=ガストンブルクの子孫、イーサン=ガストンブルク。


 初代の方々の名前を初めて知った時には、『一体何処のキャメロットだよ』って思ったよね。

 一人は関係ないフランス革命の聖女だし。

 本当は前世と現世って繋がってたりしない?

 中世辺りで枝分かれしたパラレルワールドとかさ?


 因みに現在の勇者家と魔導姫家の当主同士は夫婦ではない。

 そこら辺は色々ややこしいし長くなるので割愛する。







 そして、とうとう入学式が始まった。






 え?僕の席?勿論最前列中央に決まってるじゃないか。

 ハハハハハッ。………………はぁ。



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