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超エリート貴族の長男は苦悩する〜転生したら主人公では無く、貴族の息子でした〜  作者: まっしゅ@


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26/70

無くても良いと思っててもいざ無いと寂しい事ってあるよね

 G.W.期間中、毎日更新しようかなと思いましたが、作者はそんなの関係無く仕事なので、見送る事になりました。


 連休……羨ましい…………。

「「「「「えぇぇぇぇ!退学ぅぅぅぅぅ!?」」」」」


 昨日はそのまま下校になったから、翌日に陛下達との話し合いの結論を伝えた。


 クラウスは陛下から聞いているだろうし、オズには寮に戻った時に話してある。

 オスはめちゃくちゃ泣いてしまって大変だったけど……。


 そしてそれを聞いて大声を上げているのはヨルハ・三馬鹿・コロンの3人だ。


 あれ……?三馬鹿って名前なんだっけ?後でメモしていた紙を確認しとこう…………。


「どういう事なのよ!?」

「だから言ったまんまだよ」

「だ・か・ら!何故そうなるの?って聞いてるの!」

「それも説明したじゃん……」

「納得いかない!学園長に抗議してくる!」

「いや、決めたの皇帝陛下だから。父上に抗議されても……」

「ぐっ……。じゃ、じゃあ王城に……」

「行けると思う?」

「…………無理ね」

「でしょ?」


 僕の処遇に不満があるヨルハは学園長室に殴り込みをかけようとしていたが、何とか宥めて止めた。

 流石に王城に殴り込みをする程馬鹿では無い…………よね?

 無理って言ってるもんね?


「ヨルハ。確かにロイは今学期末で退学、ここの生徒では無くなるが、来学期から教師として学園には戻ってくるぞ?だから心配するな」

「は?あんた、どういう事?隠してたの?」

「隠してても何も、話の途中で大声を上げたの君達でしょ?」

「うるさいわね!ちゃんと説明しなさいよ!」

「いや、だから…………はい、分かりました。誠心誠意説明させていただきます」


 だからそのまま握り拳に纏った魔力を解除していただいてよろしいでしょうか?


「…………成る程ね。確かに、あんたにとって学園で学べる事は少ないものね。今でも私達に色々教えてくれてるし、それなら生徒でも教師でも関係無いのかしら?」

「そうだな。ロイから学ぶ事があっても教える事は無いに等しい。切磋琢磨してるとは言い難いからな」

「ヨルハもクラウスも言い過ぎだよ。僕だってまだまだ学ぶ事は沢山あるし、お互いに高め合っていきたいと思ってるよ?」

「でもロイ君が学ぶ事って何があるかな?」

「ロイが……学ぶ事……と言えば…………常識……?」

「キリエさんっ!?そして何で皆も頷いているのかな!?って三馬鹿!お前等が頷いてるんじゃねぇ!ぶっ飛ばすぞ!」

「「「我々にだけ理不尽っ!?」」」


 退学と言われても昨日までと変わらず騒がしい朝の時間、そして一日を過ごす事が出来た。

 ジン先生からユウジが聖教国に戻る事になったと改めて聞かされ、珍しい転校生はまたもや珍しく1日で居なくなった。




 そして3ヶ月後、今学期の最終日。

 同時に僕が学園の生徒として最後の登校日。




 普段の授業は一切無く、終業式や休暇中の行動確認等で半日が終わった。

 クラスの皆に挨拶をした後、一足先に教室を出て、学園長室に向かう。


 僕の退学手続きを正式に行う為だ。


 と、そう言っても書類等は既に記入済だし、来学期から教師として教壇に立つ為の準備は既に終わっているので形だけ…………だと思っていたけどそうはいかなかった―――。




 学園長室に入ると、顔色が優れない父上と明らかに不機嫌な母上がいた。


「失礼します…………ってどうしたのですか?」

「あぁ……ロイ。とりあえず座ってくれ」

「ありがとうございます……」


 やはり父上の顔色は良くない。

 え?何?そんなに退学は重い事?いや、そりゃ重い罰だけど、理由とかも陛下から説明があったし……。


「え〜っと……。父上?」

「あ、あぁ。すまない」

「いえ……。それより今日は退学についてですよね?何か問題でも……?」

「いや、退学に関しては書類等に不備は無い。本日を以ってロレミュリア=ガストンブルクはこの学園を退学となる」

「はい、謹んでお受け致します」


 …………あれ?

 何故だろう?

 今後は教師としてこの学園に通う筈なのに、胸がチクリと痛む。

 生徒じゃ無くなるから?

 寮を離れるから?

 何て事無いと思っていたけど、やっぱり少し寂しいもんなんだな……。


 改めて言われた言葉で少し悲しくなってしまったが、父上の次の言葉でそんなものは全て吹き飛んでしまう。


「そして…………皇帝陛下からロレミュリア=ガストンブルクへと勅令が発せられた…………」

「え?勅令…………?僕個人にですか?」

「そうだ。内容を説明する」


 父上から告げられた勅令の内容。




 ガザニア帝国現皇帝アルフォンス=ペンドラゴンがロレミュリア=ガストンブルクに皇帝権限を用いて命ずる。


 先の件でラリノア聖教国との交渉が決裂し、この命が届けられた二十日後に当該国と開戦する運びとなった。

 それに際し、主な戦場となる帝国最西端にあるリルク領ベリンの街に向かい、友軍と合流し、共に敵軍を迎撃せよ。




「…………マジかぁ」


 簡単に言えば、『この間の件が駄目だったから責任取って戦争に参加しろ』と。

 だから父上と母上の様子がおかしかったんだな。


「すまない、ロイ。どうにかお前が参加しなくて済むようにしたかったが、私ではどうにも出来なかった……」

「父上…………」

「……イーサン。やはり王城に向かうわ。ちょっとあの馬鹿を細切れにしてくる」

「母上ぇっ!?」


 物騒な事を言い出した母上を必死に宥めて、落ち着いてもらう。

 どうにか落ち着いた母上にも座ってもらい、自分の心境を話した。


「父上、母上。今回の戦争の発端には僕の愚行が関わっています

 。だから公爵家次期当主として、僕個人としても責任を取らないと。それに…………」

「オズちゃんね?」

「はい…………」


 オズの村は名も無き辺境の村とは聞いていた。

 詳しい場所を聞いてみるとそれは帝国西側、今まさに言われたリルク領にある。

 もし、そこで大規模な戦いが始まれば、オズの故郷も戦火に巻き込まれてしまうかもしれない。


 オズは悲しむだろう。

 それだけは嫌だ。

 彼女の泣き顔なんて見たくない。


 だから僕は―――


「お二人共、親不孝な僕をお許し下さい。僕はベリンに向かいます。そしてオズの故郷を、帝国を、皆を守りたいです!」

「ロイ……」

「ロイちゃん……」


 立ち上がり、頭を下げる。


 この国に生まれ変わった僕には何の意味が有り、何をすべきか分からない。

 何も告げられないまま気付いたらこの国に生まれ、この国で育った。

 だったら自分が好きなようにやってやる。




 僕は大切な人を守る為に、早々に準備し、開戦の地ベリンへ向かった。




 (別の作品で)戦争が終わったらまた戦争!

 少し話の毛色が変わりますが、ほら、あれですよ。某銀色の魂の侍?漫画もギャクパートとシリアスパートがあるじゃのいですか?




唐突にSクラスのクラスメイト達の一人称(ここまでと変更有り)


ロイ→僕

クラウス→俺

ヨルハ→私

キリエ→ボク(僕→ボクに変更)

バリー→オレ(俺→オレに変更)

マルア→俺様(俺→俺様)

ガリントン→ボクチン(僕→ボクチン)

メルガーネ→ワタクシ(私→ワタクシに変更)

コロン→うち

オズ→ぼく(僕→僕に変更)


クラスメイト以外


ジン→俺

偉い人達→大体が私


 まさかのボクっ娘属性が二人も…………。

 勢いで書いていたので一人称がごちゃごちゃになってしまったので(主に作者の中で)、そこそこ大幅に一人称を変更致します(2024/4/29時点)。

 また、同時に少し言い回しや補足も追加している部分もありますが、ストーリーの矛盾や齟齬は有りませんので、ここまで読んでいただけた方はそのままお読みいただいて問題ありません。

 …………読み返してくれても良いんですよ?

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