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先生に聞くより友達に聞いた方が分かり易い事ってあるよね

 僕がアルベルト=アインシュタインだとバレて一ヶ月が経ち、その日から僕とクラスメイト達の学園生活は変わった。

 午前中は各々好きな授業を受けて、午後からは僕が先生役になり、魔法について教えている。


「それで?何で担任のジン先生までそっち側で座ってるんですか?」

「俺の事は気にしなくて良い。魔法に関しては教える事が無いからな」

「だからってわざわざそこに居なくても……」

「折角高名なアインシュタイン先生の講義。聞かないと損だ」

「あぁ、そうですか……」


 父上に言って給料下げてもらおうかな、この不良教師は。


 あの日、大丈夫だとは思うけど一応父上にSクラスの皆とジン先生にはアインシュタインの正体をバラしたと説明した。

 父上としてはもっと大々的に発表したいらしいが、せめて学園を卒業するまでは勘弁してほしい旨を一緒に伝えてある。




 そして、今日の授業が終わり―――。




「明日から2週間の長期休暇に入る。家に帰る奴もいれば、学園内に残る奴もいるだろう。ただ、休暇中とはいえこの学園の生徒である自覚を持って行動するように」

「「「「「はーい」」」」」

「以上、解散!」


 今日から長期休み、前世で言うゴールデンウィーク的なやつだ。

 僕は家に帰る予定、と言っても目と鼻の先なので、帰郷って気分じゃないけど。

 今日もさっさと寮に戻る。

 明日の朝から家に戻る準備…………と言っても《魔箱》に放り込むだけだし、何かあれば取りに戻れば良いから特に無いか。

 結果、いつも通り休み明けに皆に教える内容を纏めていく。


「ロイ君は家に帰るんだよね?」

「そうだよ。オスは寮に残るんだっけ?」

「そうそう。ぼくの場合、村に戻るだけで2週間は掛かるからね」

「遠いって不便なんだなぁ」


 オズは辺境の農村出身だ。

 自己紹介の時もビックリしたけどオズ含めた8人兄弟らしい。

 前に『兄ちゃんが居なくて皆寂しいだろう』と言ったら難しい顔をされたので、訳ありなのかな?

 深くは追求しないけど。


「ねぇ、寮にいる間の予定は?」

「んー、特に無いかなー。ロイ君に教えてもらった事の復習をするくらい?」

「じゃあ休みの間、うち来る?」

「え?」

「だからうち来る?」

「え?えっ?」

「そこは行く行くー!でしょ?」

「いやいやいやいや、ちょっと待って。ロイ君家って言えばガストンブルク公爵家って事だよね?」


 ノリ悪いなぁ。

『うち来るー?』と言われたら『行く行くー!』が定番の返し文句でしょう。

 あ、これ前世の世代がバレるかもしれない、自重しなきゃ。

 それよりもオズの疑問を解消しなければ。

 いや、解消も何も言っている通りだけど。


「そりゃ勿論。僕の家はそこしか無いからね。まぁ、いくつか他の街にも別邸はあるけど」

「ほぇ〜。やっぱり公爵様にそんなにあるんだねぇ。……って違うから。そこじゃ無いから」


 今のは中々良いノリツッコミだった

 心の中でサムズアップをする。


「平民のぼくなんかが公爵邸にお邪魔して良いの?ほら、貴族の品位が云々とかさ……」

「そんなの一々気にしてたらこうやって話してないでしょ。それとも平民は友達を家に招かないの?」

「そんな事無いんだけど……。ロイ君の家の人が許してくれる?」

「そこは大丈夫。許してくれなかったら、無理矢理許させる」

「ロイ君……凄い悪い顔してる…………」


 前回話した通り、現在の僕はガストンブルク家の財政面の9割を牛耳っている。

 表の当主が父上なら裏の当主は僕なのだ。

 母上?母上は勿論、その全てを統べる者ですよ。


「冗談だよ。うちの両親は歓迎してくれるよ」

「そっか……。じゃあ、お邪魔しようかな……」

「是非是非!友達が家に来てくれるなんて初めてだから楽しみだよ!」

「ぼくも楽しみになってきたよ。……って殿下とかマルア君とかは家に行ったりしなかったの?」

「クラウスは親同士の腐れ縁だから、友達というより兄弟とか従兄弟の感覚だからなんか違うんだよなぁ。三馬鹿は友達じゃない。来たことあるけど、あれも何かの挨拶とかだったし」

「じゃあ友達一番乗りだね。ふふっ、楽しみだなぁ」


 オズの笑顔に思わずドキッとしてしまった。

 マズい、本当にここ最近オズが可愛いと思ってしまう。

 おかしい……、僕は元々……いや、待てよ。

 これは瑠偉が女の子好きなだけで、ロレミュリアは男性が恋愛対象だったのかもしれない…………。


「ってそんな訳無いか。記憶も共有してるんだし」

「ん?何か言った?」

「いや、ただ早く明日にならないかなって思っただけ」

「せっかちだなぁ、ロイ君は」


 結局、授業の予定もまともに決まる事は無く、僕達ベッドに入った。

 勿論、別々のだよ?


 この世界では他種族との結婚や同性のパートナーも珍しくないみたいだし、その時はその時で良いかな。




 そんな事を考えながら、僕の意識は闇に溶けていった。






 翌日、衝撃の事実を知る事になるとも知らず。

 次回からガストンブルク家でのお話です。



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