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バレてないつもりでもバレてる事って結構あるよね

 2024/3/16

細かい誤字脱字の修正

ロイの発言にある

「君は野生の獣か何かかな?」

の部分が誰の事か分かりにくいので、

「バリーは野生の獣か何かかな?」

に修正しました。

 ヨルハの大絶叫で、他のクラスの先生や生徒が教室に集まってしまったが、どうにか場を収めて終礼に至った。


「これで連絡事項は終わりだ。最後に、お前等の授業参加は自由だが、他の奴等は授業中の事もある。他の先生や生徒に迷惑掛けるなよ。な?ロレミュリア、ヨルハ」

「はい、申し訳無いです」

「すみません、先生……」

「分かれば良い。では今日はこれで解散だ」

「「「「「ありがとうございました!」」」」」


 結局ジン先生にも叱られてた僕もヨルハ。

 そもそもクラウスのせいじゃないか、あいつめ!

 と言っても、彼に悪気がある訳では無いので、責める事も出来ず、大人しく寮に戻ろうとしたら……。


「ちょっと、ロイ!まだちゃんと説明聞いてないわよ!」


 大声で名前を……、ん?名前?名前を呼ばれた?

 今まで『あんた』とか『あいつ』とかだったのに。

 他の面々も『ヨルハがロイを名前で呼んだぞ』とか『まさか脅されているんじゃ……』とか言っている。


 って、おい。

 僕が脅した疑惑を持ったのは誰だ?

 いや、間違いなくコロンだ、こっち見て、ニヤニヤしてるし。


 それはさておき、ちゃんと説明しないと帰れそうにない。


「はいはい、ちゃんと話すから」

「当たり前でしょ」


 ヨルハが僕の隣に座ってこっちを向く。


「で?何で皆帰らずに周りを囲んでいるのかな?」

「だって秘密の話でしょ?商人のうちとしては情報が命だし」

「秘密はこっそり聞き出そうね?」


 堂々と秘密を聞こうとするな、コロン。


「「「我々はロイ様の―――」」」

「うるさい、黙れ」

「「「冷たいっ!けどそこが良い!」」」


 最近雑な扱いに慣れ過ぎていないか?

 大丈夫?貴族の子どもだろ?

 扱ってるのは僕なんだけど。


「強くなれる気配がした!」

「バリーは野生の獣か何かかな?」


 脳筋なのか頭が良いのかハッキリしてほしい。


「ぼ、ぼくは聞かない方が良いかな……?」

「オズは居てくれ。僕の心の清涼剤だから」


 僕は真っ当な男子だけど、オズみたいな男子は可愛いと思う。

 決してそういう趣向ではない。

 僕が違うだけで、他の人がそうでも否定はしないけどね?


「早く……教えろ…………」

「キリエさん?口調変わってません?」


 キリエも何故か食い付いてくる。


「なあ、それよりも俺の魔ほ―――」

「クラウスは話がややこしくなるから黙ってて。あとで見せるから」

「おう!分かった!」


 お前が元凶なんだよ、お・ま・え・が!


 でもしょうがない。

 いずれバレると思ってたし、皆には話すか。

 皆には見えない様にこそっと魔法を発動して……。


「良い?これから話す事は他言無用だよ?」

「「「「「はい(うん)(おう)」」」」」

「それならオッケー。あ、因みに誰とは言わないけど、情報が高く売れそうとか思ってる人がいたら無駄だよ?今《契約》の魔法使ったから他者に喋れないし、無理に喋ろうとしたら…………」

「え?したら…………?」

「そりゃもうなんか酷い事になるよ、コロン」

「うわぁ……マジかぁ…………。良い値段で売れると思ったのに……」

「少しは悪怯れようか?」


 やっぱり契約魔法を使っていて正解だったな。

 因みに酷い事になるのは本当だから話さないでくれると嬉しい。

 目の前でされると今後お肉食べられなくなりそうだから。


「さて、じゃあジン先生も含めてこの教室に《沈黙》の魔法を掛けて……」

「あ、バレてたか」

「そりゃ勿論ですよ」

「は・や・く!説明しなさないよ!」

「分かった分かった。てか僕のせいじゃない気がするんだけどなあぁ……」




 僕は改めて全員に刻印術式の説明をした。

 そしてそれを考えたのは皆さんのお気付きの通り、この僕ロレミュリア=ガストンブルクだ。


 発表されたのは2年前、つまり僕が13歳の時。

 開発自体は11歳の頃に出来てたけど、誰にも教えるつもりは無かった。

 だけど、父上と母上に使用しているのがバレて、それについて詳しい論文を書く事になった。

『他に隠している事は無いか?』と聞かれたので、素直に前世で使っていた家電製品を再現した品々を披露する。

 当時完成していたのは、冷蔵庫・ドライヤー・洗濯機・エアコン・ウォシュレット付き水洗トイレ辺り。


 父上が『これは革命だ!』と、論文となんちゃって家電製品を魔法ギルドに持ち込み、特許を申請した。

 魔法ギルドでも『魔法界の歴史に新たな1ページが!』とか何とかで瞬く間に国内に発表する事が決まり、発表に先立って、『これらを完成させた人物に褒美を与えたい』と陛下からのお達しがあったので、頭を悩ませる事になってしまったのだ。


 僕は自分が目立ちたくないのもあり、父上と母上に相談したところ、『偽名で良いんじゃない?』と妙案が出たのでそのまま採用。

 陛下と一部の人間にだけは僕が発案者だと伝えた上で、偽名で公表と褒賞式を受ける事になった。


 数々の魔道具開発及び刻印術式の第一人者の謎の老人”アルベルト=アインシュタイン”として顔を隠して声を魔法で変えて出席し、世間に名前を公表して今に至る。

 今日書いていた論文もまた、その名義で発表する予定の物だ。



閑話。


 因みに、現在も魔道具の売上の一部と特許を譲ったお金が僕の手元に入ってきている。

 更には個人専用刻印術式の簡略化及び最適化を有償で行っているので、それ一件一件の額がもう物凄い。

 窓口として、魔法ギルドとガストンブルク家を通していても前世で一等地に家が買える額が毎回入ってくる。

 そして父上曰く、『既に曾孫の代までは豪遊して暮らせる額は貯まっている』とか『そろそろ小さな城が建つ程』とか。

 確かに額面を見る限り、そこそこの国の国家予算レベルだった。


 今のところ使い道が新しい魔道具研究費くらいなので、半分は家に渡しているけど。

 何か良い使い道無いかな。

 ノブレス・オブリージュだったかな?そういう義務もあるみたいだし。


 閑話休題。




「以上が全部だけど質問はある?」


 魔法の根本を揺るがす刻印術式と生活を根本から変える魔道具の数々、その制作者だぞ。って説明した様なものだから、クラウス以外のジン先生を含めた全員が完全にフリーズしている。

 何なら女子組はドン引きしているまである。


 いや、違う。


「あれ?オズは驚かないの?」

「ん?ビックリしたよ?だけど、ロイ君が使ってた魔法を見てたからもしかしたらと思って……。そうじゃなくてもロイ君は凄い人だから。むしろそんな人と友達になれて嬉しいよ」

「オズーー!!」

「わぁ!いきなり抱き着かないでよー」


 オズと友達になれただけで学園に入学して良かったと心の底から思えた、本当に!

 

 僕は女の子が好きな健全な男子だ!

 ただほんの少し、ほんの少〜〜〜しだけオズなら色々出来そうな気がする。






 あれ?僕、そろそろヤバくない?

 ロイが決めた時の心境


「何も思いつかなくて、前世の教科書で読んだ偉大な発明家の名前をそのまま使った!後悔も反省もしていない!」




 ついにロイが新たな扉を開きました。

 それにしても印税の収入羨ましいですよね、本当に。 



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