プロローグ
2024/07/26
元々の設定と変更した際に齟齬が出てしまったので、一部修正。
2024/12/2
一部訂正
僕の名前はロレミュリア=ガストンブルク。
自分の名前で噛みそうだからロイって呼んでほしい。
ガザニア帝国建国時から代々国に仕える侯爵一家の長男として産まれ、幼少の頃から侯爵家の次期当主として教養と立ち振舞い、魔法の教育・様々な武器の扱いに格闘術、処世術等の様々な教育を受けてきた。
しかし、僕には誰にも言ってない秘密がある。
それは……………………。
「元々日本人だったんだよなぁ……」
何を隠そう、この僕は実は日本人だったのだ。
名前は河本瑠偉、22歳。
彼女が居た事すらない童貞男だった。
サラリーマンの父と看護師の母の間に産まれて、3歳下の妹もいて、お金持ちでもなければ貧乏でもない、極々平凡な暮らしをしながら、20XXの春に大学を卒業し、就職と同時に一人暮らしを始めた。
就職から半年程経った頃、住んでいたアパートのエレベーターが故障し、買い物帰りに荷物を持って階段を登っている最中、足を滑らせた。
覚えているのはその瞬間まで。
そして、意識を取り戻したのはロイの5歳の誕生日の日だった。
突然、前世の記憶を思い出し、混乱したのは今でも覚えている。
ロイ記憶が無くなった訳ではなく、ロイの記憶に瑠偉の記憶が混ざった、そんな感じ。
これ経験したら割と混乱するよ?マジで。
だって、いきなり瑠偉の記憶が戻ったと思ったら見知らぬ外国人に囲まれて、違う名前を呼ばれるんだもの。
そんな祖国日本と違う世界に転生……転生で合ってるよな?
死んで生まれ変わるのが転生だった筈。
確か、学生の頃読んでた漫画にはそう書いてあった。
話は逸れたが、転生して第二の人生?を謳歌していたが、元の世界と全然違う。
歴史は苦手でまともに勉強してなかったから覚えていないけど、何て言うか、中世ヨーロッパ?そんな感じの街並みとか生活水準だと思う。
機械類が無い、そもそも機械という概念が存在しない。
その代わりに魔法が存在する、正に異世界転生ものって感じ。
次にこの国について話させてほしい。
最初に話した通り僕が生まれた国はガザニア帝国と言って、実は世界最大の国だったりする。
一般的?に帝国と言えば『力こそパワーだ』的な脳筋実力主義国家だとか、『この世界は余のものだ!』みたいな完全悪役のイメージだと思うが、この世界では違うらしい。
何でも、まだ国と呼ばれる国も無い頃に、魔神のこの世界の分体となる魔王が人類を滅ぼそうと、自分の眷属達を率いて侵攻してきた。
そんな時に、人類の一人の青年が女神の分体である精霊王に勇者と見定められて、仲間と共に見事魔王を打ち倒した。
その勇者一行が建国したのがガザニア国。
そして国が安定した頃、初代国王である勇者と同じく初代王妃である魔導姫が結婚した。
その後国王と王妃と仲間達は貴族制度を築き上げた。
当初、仲間達を公爵家としようとしたが、『それだといずれ子が、孫が生まれ、血族が増えた際に国王に選ばれなかった他の王族が困るだろう』と、国王一族以外の王家の一族を公爵とし、魔王討伐の仲間である、賢者・剣聖・聖女・剛壁とその子孫を侯爵、それ以下の伯爵・子爵・男爵を正貴族、準男爵・騎士爵・士爵を準貴族と決めた。
因みに僕は賢者の直系で、僕の曾祖母が剣聖の直系だったので、先祖返りと呼ばれるやつで、一応魔法とある程度剣も使える。
そして、世界に平和が訪れ、数々の国が出来てきたこの世界の黎明期に、ほぼ全ての国が『この世界の最初であり、最強最高の国であるガザニア国の王をを全ての国の王、皇帝とし、国を帝国としよう!』と決まって今のガザニア帝国に至っている。
つまり、凄く良い国だ。
今の皇帝も父上の旧友で僕も可愛がってもらえてるし。
先程、少し触れたがこの世界には魔法がある。
光属性を頂点とする火・風・水の陽属性
と、それの対となる
闇属性を頂点とする氷・雷・地の陰属性
の上記の八属性と
生活魔法や身体強化魔法等の分類無しの魔法
が主になる。
無属性は余程魔法と相性が悪くなければ、適正は必要無いので、比較的誰でも簡単に使えるものが多い。
それに加え特異属性があるが、使用者が極端に少ないのでまたその時にでも説明する。
僕は適正は雷・地の陰属性2つ。
前世陰キャだから陰属性ってか?あぁ゛!?
何て事は無く、元々賢者が得意だった陰属性の素養を受け継いだが、剣聖の血が混ざった事で1つ適正が外れ、剣の才能を受け継いだ結果らしい。
現世でも陰キャ認定されなくても良かった……。
瑠偉はゴリゴリの陰キャだったけど…………。
この話は、そんな前世で読んでいた漫画達によくある異世界転生ものの中で、主人公にウザ絡みする貴族の長男に転生した僕が色々なしがらみの中で生きていく。そんな物語だ。