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狐の嫁入り -土姫ノ章-  作者: ツカサシキ
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2-3 混雑する苛立ち (2)

立て続け投稿です。

よろしくお願いいたします。


 バタバタだったが…幸い、命の別状はなかった。


 しかし…倒れた原因は、ストレスから来る貧血だった。

 暫くの間、入院をする事になった。


 しかし…やはりと言うべきだろう。

 伯母・緑子が現当主・曾祖母の留守を利用し『次期当主』を我が娘にするために強制的な緊急会合を開いた。

 まるで“鬼の居ぬ間に”と、いう言葉が合うだろう。


 勝手に決めゆく緑子に妹であり菜種の母・桜子と弟・零が叱り付けたが…何故か、自信満々な笑みを浮かべながら緑子は「現当主・曾祖母様の許可を頂いたの、問題ないでしょう?」と、言いながら扇子を優雅に仰いでいた。


 その我が姉の態度と言葉に…弟妹は、呆れ果てた。


 しかし、問題なのが――…桜子と零以外の親戚を含む一族は、緑子の『現当主の許可』という言葉を信じ、簡単に従い、耳を貸し、提案された案件を受理しようとしていた。


 直ぐに桜子と零は、自信満々な表情の緑子に対し、曾祖母のお見舞いに行っている菜種と果歩から曾祖母からの伝言として、桜子と零のケータイに“緑子の『嘘』を言うだろう”という内容のメールが送られていた。


 そのケータイのメール内容のを証拠として、今までの詳細が書かれていたメールをも含めて、コピーした数枚の用紙を長テーブルに全員の目に届くように緑子と『嘘』を吹き込まれた一族に見せた。


 ――結果は、察しがつくだろう。


 メールの内容を早々に見た緑子は、発狂しながら怒り狂い暴れたのだ。

 その場に居なかった菜種は、果歩に内緒にするつもりで…両親と叔父に聞こうとしたが…既に果歩は、知っていると母と叔父から聞かされた。


 何故なら警察沙汰になってしまったからだった。


 緑子は、母と叔父との菜種と果歩からの曾祖母の伝言メールのコピー紙を見た途端の緑子の狂乱と錯乱、狂言を発しながら「出鱈目を言うんじゃないっ!桜子っ!零っ!」と、暴言を吐き捨てながら桜子と零を掴みかかった。


 暴れ狂う緑子を止めようと一族の男集が立ち向かうが、緑子の女性らしい華奢な体格に似合わずの怪力に太刀打ちできず、次々となぎ倒され――…暴力による凄い流血沙汰になってしまい、救急車と警察を呼んだそうだ。


 一族の中には、顔中心に殴りつけられ意識不明の重体…男女問わず、重軽傷者が急増し何名かが入院を余儀なくされた。

 発端である緑子は、事情聴取をしていた警察官にも掴みかかり現行犯逮捕されたが…警察内でも暴れ狂い、強制的に精神科病院に一生入院する事になった。


 菜種の両親と叔父・零も伯母・緑子の被害に遭ったのであろう…両腕と両足に大き目の絆創膏が衣服から見え隠れしていた。


 菜種は、同じ血が流れているとはいえ…両親と叔父を怪我をさせた緑子が許せなかった。

 元々、幼少時代から意地悪をされてきたため嫌いだが…この一件で、怒りが爆発しそうだった。


 しかし、菜種の怒りを読んだのか…両親と叔父からは「私達を思ってくれるなら馬鹿な考えをしないでほしい」と「もし怒りを爆発させたら…緑子と同じだ」と、言われた。


 菜種は、抗議をしようとするが…母と叔父から「気にしていないから大丈夫」と、言われてしまった。

 そう言われても噴火しかかっている怒りを静めるには、時間が掛かる…しかし、両親と叔父が気にしていないの一言で、無理矢理だが怒りを抑えた。


 菜種の気持ちを知っている両親と叔父は「緑子は、可哀想な人なんだ」と、昔から聞かせられ続けた話しがぶり返った。


 それは、母と叔父から聞かされた過去の話し――。


 伯母であり長女・緑子、菜種の母であり次女・桜子、叔父である長男・零の両親は、幼い三姉弟を残し…交通事故による事故死してしまった。


 その両親の事故死が原因か定かではないが…何時の間にか緑子の心が不安定による精神崩壊し、何歳になっても万年子供のままになってしまった。


 亡くなってしまった両親に…二度と甘えられない寂しさと哀しさを紛らわすように、お呼ばれで遊びに行った友達の家での事、友達の母親を勝手に『家族化』し、甘えるようになった。


 初めは、友達と友達の母親は、戸惑ったが…事情を知ると、同情からか優しく接してくれていた…しかし、徐々に度が過ぎていったようだった。


 ――結果、その子供特有の独占欲が災いしてしまい…仲が良かったはずのクラスメイト達から距離を置かれ始め誰からもお呼ばれの誘いが無くなってしまった。


 その後も酷かったそうだ。

 緑子は…妹の友達、弟の友達が出来ると知ると直ぐに「遊びに行くなら私も連れて行け!」と、命令を下すようになった。


 勿論、母と叔父は、伯母・緑子を連れて行くわけが無い――…弟妹の態度が気に入らなかったのか、直ぐに暴れだす癖が何時の間にか出来てしまっていた。


 ――小学生、中学生、高校生…緑子は、何歳になっても変化がなく大変だった。


 問題児であるが、本家筋でなかったら速攻で、施設行きだったと親戚から口々にして洩れていた。

 そんな伯母が突然、何時もの『幼児返り』が起こらなくなった…見合い結婚をし子供が生まれるまで、大人しかったが…愛娘・果歩が生まれた途端――…血族は、恐怖した。


 あまりの酷さに…大加速し普及し続けるインターネットにて調べたら『ピーターパン症候群』か『シンデレラ症候群』ではないか?と、緑子以外広まっていった。


 簡単に纏めると…異なる病名だが、二つの共通しているのは『心の病気』であり、プライドが高過ぎのネガティブ思考だが“永遠の頂点”という――…あくまで、似た症状のため断言せずに専門医に受診させようにも相手は、緑子…無理な話しだ。


 現に愛娘・果歩が、生まれたばかりの頃…大変だったらしい。


 次期当主として立候補者だが二人とも辞退している事をいい事に…なれない自分の変わりに“我が娘”を無理矢理、就かせようとしていた。


 結果、現当主である曾祖母が一喝して納まったが…フツフツと、湧き上がり続ける願いが…大爆発した惨事だった。


 伯母・緑子が逮捕による強制的な入院が決まった時――…血族は、長年の悲願が達成したかのように安堵したのは、言うまでもない…その光景は『鬼の首を取った!』と、いう言葉がピッタリ合うだろう。


 困り者だが、仕方がない。

 それだけ、周囲が手を焼きながら宥めながらも“迷惑”の言葉が見え隠れし、苛立っていた伯母・緑子の代償だろう。


 そして、今では――…現当主・曾祖母が無事に退院し、上手く休めたのか…分からないが、溜まっていた仕事を簡単にバリバリとこなしている。


 その曾祖母を筆頭に他の血族達も悠々と仕事をこなす日々を過ごしている。


 従姉妹・果歩は、大学側の勧めと援助がありバレエの道に進みたいが…やはり、母親の事が心配で足踏みをしている。

 その事は、父親とも相談しながら決めていくつもりだと話してくれた。


 入院中の伯母・緑子は、医師の立会いの元、菜種の母・桜子と叔父・零だけが、見舞いに行っている。

 しかし、見舞いに行っても…伯母・緑子は、薬の影響なのか不明だが、放心状態らしく話しかけても無反応になっているそうだ。


・・・・・


 ――そして、私こと菜種は…従姉妹の夢を応援しつつ、大学に進学した。


 しかし…いつぞやの“占い”の噂を聞きつけた教員とクラスメイト達が、詰め寄るたびにあしらっているが…堪忍袋が限界なので、退学しようと考えている日々を送っている。


 そんな大学生活を送る毎日と別に『ある事件』が、発生していた。


 ニュース等のネットワークで、話題になっている『少女失踪事件』だ。

 分かっているのは、十代の女子中学生や女子高校生が学校帰りか塾帰りで、忽然と行方不明になっている事件だ。

【作者の会議(愚痴)室】 ※許可を頂き、投稿しております。


A「・・・・・。」

ツ「お茶、お待たせしましたーって…どうしたの?」

A「シキさん…素直に言いなさい、何を悩んでる?」

ツ「悩み事、ねー…愚痴含め日記をつけてるから軽めに憂さ晴らししてるよ。」

A「偉い!てか、日記書いてるんだ。」

ツ「日記って言っても…メモ書きみたいな感じだよ。」

A「それでも偉いよ、私なんか…懐かしき夏休みの宿題以来してないよ。」

ツ「本当に懐かしいな…愚痴は、ついでで…本来の目的は“体調の変化記録”なんだわ。」

A「偉いな。」

ツ「きっかけは、学生時代から続く二人三脚中の貧血が、酷くてね…通院している先生に説明をするのに必要だと思ってね。」

A「偉いという言葉しか出ない。」

ツ「貧血改善には、自分の“身体に合った”サプリメントや鉄分豊富のレバーや砂肝とかを扱った料理を食べてるよ。」

A「偉いな。」

ツ「自分の体調管理位、自分出来ないと駄目でしょう。」

A「ぐふっ!」

ツ「どうした、Aさん。」

A「耳から耳血が、出るほど痛い…。」

ツ「Aさんもやってるでしょ?」

A「シキさんほどではないなー…とりあえず、レバニラとかレバカツを食べる程度だもん。」

ツ「十分じゃないかな?」

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