5-14 昔噺の追憶(14)
あけましておめでとうございます。
1月事睦月見舞いを申し上げます。
今月もご拝読いただきまして、ありがとうございます。
去年2024年は、大変お世話になりました。
今年も完走していきたいと精進してまいります。
※苦手な方は、お閉じください。
よろしくお願いいたします。
その様子に居た堪れなくなってしまったのだろう…母親は「ご飯にするから中に入りなさい」と、子供を宥めながら…無理に話を終わらせた。
無理矢理感は、致し方ない――…運よくと言ったら可笑しいだろう。
しかしながら…その後の母親の“子供の疑惑変更”への腕前次第をさせてしまう事に兄と一緒に来てくれた男衆達の命運を祈るしかなかった。
――だが、杞憂に終わった。
それは、もう人の気も知らずにと…脱力してしまうほど、微笑ましいものだった――…何故なら翌朝の事だった。
伝言ゲームのように狐様の話を聞いて、狐様の安否を心配していたが…朝は、どうしても来るものだ。
羊達の餌をやるために準備をし終えると同時に戸を開けると、一匹の子羊と寄り添って眠っていた。
あの狼との対峙して以来――…姿を現さなかった狐様だったが、何時の間にか村に帰ってきたのだ。
後に――…狐様の『忘れ形見』にて、お乳をあげて育て上げるのが…あの時、群れから離れて餌を食べ進めており…後、この寄り添って眠っていた子羊である。
――その後。
また案の定というべきだろう…昨日の今日であるが、村恒例となっている子供達と子羊達の散歩時。
朝になるまで心配で、寝付けなかったのだろう…子供達の顔は、不安顔であったが…子羊の隣を歩く狐様の姿を見た子供達は、発狂するように泣いて喜んだ。
――狐様は、その子供達の反応に驚いてしまい…直ぐに草原へと、身を隠してしまった。
その狐様の身を隠した反応に子供達は、慌てて駆け寄ると「狐様ー!出て着てー!どこにも行っちゃイヤー!」と…また大騒ぎ。
やれやれ感が、否めないが…安堵感の方が、優っている『事実』に喜びを嚙み締める日常へと戻ってきた実感を得れた。
・・・・・
――数年後。
当時の子供達だけでなく、狐様と子羊達の成長速度は――…早いものです。
あっという間に“成体”となった狐様と羊達は――…別々の『道』へと、歩み始める時期となった。
まだ半年以上経っているため…大人と同じ体格となった羊の多くは、一部を残し…若い内に別の集落や村へと田畑の雑草取りとして“婿取り”や“嫁入り”として、受け渡された。
因みに狐様と寄り添って眠っていた羊は、村に残った――…狐様と離れたくないと訴えるように泣き喚いたからだ。
――狐様も嬉しかったのだろう。
その好意に応えるかのように『時期』が、来るまでの間…一緒に過ごした。
一緒に寝て、一緒に食事をし、一緒に運動という名の散歩をして過ごした――…揺ら揺らと揺れ動く狐様の尻尾を見て、村人達の微笑ましく…癒しの光景だった。
特に冬は、皆の目を楽しませてくれた――…豪雪地帯とまでいかないが、足首までに積もってしまうため定期的に雪かきをしないと戸が、凍って開かなくなってしまうため必須である。
何よりも…戸が、開かなくなると…井戸への水くみや離れの厠や風呂屋にも行けなくなってしまうのは、衛生面の致命的になってしまう。
そして――…馬を飼っている村や集落は、家畜のように運動させないと直ぐに病気や怪我を負いやすいくなるため…散歩で、体力と耐力作る事により『治りの早さ』に結ぶ。
村民は、渋々だが…雪かきのために外に出ると、現れる銀世界の“雪道の風物詩”一つ…野良猫か狐様の『散歩足跡』だ。
よく耳にする“風の子”よりも“雪の子”が、多い気がする――…それに期間限定という名の『幸福感』も相まって、寒さとの奮闘しながら目を楽しませる。
――その後、羊達の散歩…もとい、雪中行軍。
勿論、狐様も一緒に歩いていた…先に歩いていたのは、近辺への警戒と確認だったのかもしれない。
しかし――…狐様は、村の深い裏森へと行ってしまった。
何故なら狐様も“お年頃”だ――…しかし、必ず『村』に帰ってくる事を村人達は…不思議ながら確信していた。
大好きな『友達』が、待っているからだ。
因みに狐は――…生後10~11ヶ月で生殖が可能となり、繁殖用の固体は5~7年間使用されます。
雌狐は、約5~6月の出産期に平均で…約10~15匹の子を産みそうです。
――また脱線を挿んでしまい、申し訳ございません。
話を戻しまして――…狐様も恋をし、結婚し、子宝に恵まれた後に…村人達の確信通りに“村に戻ってくれた”のだ。
報告しに舞い戻っただけかもしれない、と…揶揄されたが、村に戻ったまま以前のように村に留り暮らし始めた。
一度だけ、友達の羊との再会を果たしていた――…しかしながら既に夫と子羊が、居たため…以前のような関係ではなくなってしまった事に狐様と羊は、悲しげだったものの…お互いに「結婚、おめでとう。子供いるんだ」と、報告し合っているようだった。
――その後、お互い『うんうん』と…頷き合いながら、その場を離れた。
妻を守るように夫が、側に駆け寄ると同時に…狐様の存在に気づき興味を示した子羊達も駆け寄ってきたからだ。
その後の数日間、出産するまでの間――…ウロチョロと、出産の場所を探していたのかもしれない。
その適した場所が、子狐時代から世話になっていた寺社の取り壊し予定の物置小屋だったのが…幸運だろう。
――しかし、その『幸運』を我が子に託して…亡くなってしまうなんて、誰もが悲しみに暮れた。
無事とは言い難いが――…三途の川から奇跡的に戻ってこれた子狐を“友達”である羊が、面倒を見始めた。
実は、夫である羊が…亡くなってしまったのだ。
それは、突然の事だった――…村恒例である子供達と子羊達の散歩。
あの狼との嬉しくない出会いの場所では、無く――…狼との一見以来、散歩道を見直すが…相手の嗅覚を侮ってはいけない。
焼け石に水であるが…散歩道を増やす事となった。
裏山中心のままであるが――…獣道と茨道を整えて、新たな散歩道を増やしたのだ。
獣道と茨道には、野生動物だけでなく…人間の好物である木の実や果物、山菜の宝庫であり『穴場』だ。
その穴場を荒らすような形となってしまうが…人の子だけでなく羊の“運動”は、欠かせない――…子育て中の親御さんと犬か猫を飼った事のある親御さんなら分かるのではないだろうか?
大きくなる子供達の将来への『安全・安心の確保』も兼ねていた――…散歩中の歩き疲れを癒すために小川に立ち寄った帰り道。
――突然…いや、突発であった。
若いオスのツキノワグマが、代わる代わる小川の水を飲んでいた子羊達に向かってくる突進したのだ。
呆気にとられるしかなかった――…そして、その突進してきたのが“熊”である事に気づくと同時に…周囲は、あっという間に阿鼻叫喚。
年長者さん達は、まさかの熊に対する恐怖と闘いながら足元を縺れながらも…子供達を庇っていた。
熊の狙いは、子羊――…子羊達は「メェ!メェ!」と、あちこちに逃げ回りながら悲鳴を上げていた。
――その時だった。
狙いを定めていた若いツキノワグマに『ドカンッ』と“何か”が、体当たりをした――…まるで、あの日の再現かと思った。
狐様のように勇敢に表れたのは、狐様の友達である『旦那』さんだった――…偶然にも同じ散歩道だったらしく、子供達と子羊達を見送ってからの出発だった。
思わぬ現状と回る思考は、目の前の異様な緊迫した空間に対して“否定したい”のか…いくら「(体動け!)」と、心情にて怒鳴っても思うように動けない。
そんな人間――…年長者とはいえ、まだ子供の『出来る事』というのは“限定”されるだけでなく…無情である。
声を出したくとも常々、大人から「熊が出たら驚かせずに後ずさりしながら逃げろ」と…実に難易度の高い指導をしていた。
大変、申し訳ございません。
突然で、恐縮です。
来月2月と3月は、仕事により投稿を休載させていただきます。
今回も拝読していただきまして、本当にありがとうございました。




