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狐の嫁入り -土姫ノ章-  作者: ツカサシキ
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5-12 昔噺の追憶(12)

11月事霜月見舞い申し上げます。

今月もご拝読いただきまして、ありがとうございます。


大変、申し訳ありません。

先月と同様に多忙でございまして、今月も投稿回数を控えさせていただきます。


※苦手な方は、お閉じください。

 中には、故郷の田畑仕事への懐かしさから没頭してしまったり…ちゃっかり婿養子になった者も居た。


 また一人また一人と、役割を果たしながら――…その後、ようやく完治した浪人を筆頭に逃亡準備を開始していた。


 一日一日経過しても…不思議にも癇癪浪人は、気づかなかった。

 恐らく、だが“自分以外興味ない“のだろう――…これ幸いにと、必要分の旅支度を進めていった。


 勿論、この間でも癇癪浪人の身の回りの世話も欠かさない――…時折、農民姿のまま手荷物を持って行こうとした者も居たが…今では、笑い話となっている。


 そして、ようやく――…準備が、整った。

 くどいが、この時でも癇癪浪人は…相も変わらずに飲んで寝の日常を送ってた。


 時折、気分転換に外を出歩く事もあるが…お目当てが、居ないと舌打ちして直ぐに家屋に戻り…また飲んで寝る。


 ――ある意味で、ありがたい状況だ。

 癇癪浪人が、寝ている隙に一人…また一人と、逃げていった。


 きっかけは、どうあれ…婿入り予定の浪人何名かは、逃げたふりをして…ちゃっかり婚家に行っていって隠れていた者も居た。

 彼等は、問題児限定だが…すっかり、村の貴重な監視者であり協力者。


 初め、最悪な印象しか持たれなかったものの――…癇癪浪人以外は、あの一件以来により満了一致し『仲間』として“迎え入れられた”のだった。


 その後、約三か月の歳月が、流れた――…ようやく、最後の一人を逃がしながら見送ると同時に恐れていた事態が…起こってしまった。


 癇癪浪人が、邪魔をした兄の居所を分かってしまったのだ。


 いずれは、分かってしまうと理解していても…ずっと『知らないまま』で、居て欲しかったと思うのは…我儘だろう。


 ――それは、偶然であった。

 遂にと言うか…何と言うかだが、ようやく“異変”に気づいた癇癪浪人は…何を思ったのか、また酒の調達しに出歩ている所を兄を見つけてしまったのだ。


 運悪く…丁度、人手が足らずに薬を届け終えた所であった。


 実は、何日か前に――…身重の狐が、寺社の物置に住み着いた。

 しかも取り壊し予定だったが、無理を言って…妊婦狐が、居なくなるまで『そのまま』にしてもらった。


 運良くと言ったら可笑しな話だが――…物置の取り壊しを受け持った大工さん達の都合により、予定日より遅れる事を話してくれたのであった。

 本来であれば、許されないが――…古今問わず、何に対しても人出足らずな時代だからこそ“許されていた”のだ。


 ――人手不足の主な原因は、また戦前。

 いくら自給自足中心の時代でもあったとはいえ、戦前戦中になってしまうと…必要以上に見境なく、恐喝強奪を当たり前にされてしまう時代でもありました。


 戦争は、何でも奪い失います――…それは、戦争だけでなく…人災と災害も当てはまります。

 戦争は『人災』という名の“災害”です。


 その災害を利用し――…あろう事か『盗み』を働く輩が、害虫のように湧いて出る。


 ――残念な事に現代でも問題視されています。

 とあるライターさんの住まわれている地域でも大被災に遭ってしまい、その「空き巣かも?」を経験してしまったそうなのです。


 ライターさんの情報ですと――…自衛隊員さんや不動産関係や役所関係に携わっている業者さんやボランティアさんの扮して“現金化できる代物”や破損した紙幣等を物色していきながら『回収』と称して、盗んだとして逮捕されたというニュースを取り上げられています。


 ライターさんは、実家の近くの駐車場にて車中泊をしていたそうですが…不幸中の幸いにもかち合わなかったそうです。


 都市伝説のような“ヒトコワ”恐怖体験談というのは、この時代にも存在していた――…癇癪浪人も例外なく、厳格な親元を離れた瞬間の自分の『欲』を素直に曝け出してしまったのだろう。


 またフラッと、気ままに出歩くと――…まさかのまさかだったのだろう。


 例の癇癪浪人と会わないように徹底していたものの…偶然にも幼馴染親子の朝の畑仕事が、掛かってしまった。

 また…あの時のように絡まれたら堪ったものではないし、いくら両親と一緒に居るとはいえ…あの仲間の浪人を切ったという話だ。


 会いたくないから早く早くと急かしても…焦った手元に持っていた農具は、狂ったかのように行く手を阻んだ。

 自分に怒りながら転がった農具を拾っているところに兄が、駆け寄ってきた。


 実は――…村の入り口にある“お地蔵様”に供え物と洗濯したばかりの前掛けを交換した帰りだった兄と逢い、また手伝ってもらったのだった。


 その兄の足元には、例の…雨漏れして取り壊す予定の物置小屋に住み着いていた妊婦狐から生まれた黄土色の子ぎつねが、元気に猫のようにじゃれついていた。


 ――しかし、残念ながら…この一匹以外、助からなかったのだ。

 黄土色の子ぎつねの他の兄弟姉妹は、難産による窒息と…母狐は、出産時に出血多量による失血死してしまったのだった。


 人間も動物も『出産』は、命がけである。

 しかも…この黄土色の子ぎつねも例外なく、何度も生死を彷徨っていた。


 子ぎつねの…徐々に冷えていく体温は、何度も懐に入れて温めた。

 温めながらも弱々しく母を求める鳴き声――…その声に反応して駆けつけたのが、メスの羊であった。


 兄に軽く頭突きをしながら…羊は「メェメェ」と、泣きながら子ぎつねを渡すよう訴えるように鳴いた。

 一瞬、迷ったが…羊に子ぎつねを見させた。


 すると――…羊は、しゃがみ込みながら子ぎつねを温めながら…乳を飲ませる姿勢を取ったのだ。

 子ぎつねは、羊の毛刈りしたばかりであるが…残っていた毛皮と体温に甘えながら乳を探し出し、飲み始めた。


 一生懸命、乳を飲み続ける子ぎつねに…羊は、嫌がる事なく愛しそうに眺めていた。


 突然の出来事に家族そろって、目を丸くしたが…たった今『異種親』として、役目を果たそうとしている羊を信じるしかないし…見守る事しかできなかった。


 しかしながら…草食動物の乳は、肉食動物にとっては『下痢』や『肥満』を引き起こしてしまうのが…難題である。

 昔、子猫や子犬に牛乳を飲ませた事があるのではないだろうか?


 牛乳には――…子猫に必要なタンパク質や脂肪分が、十分に含まれていないために栄養不足してしまうそうです。

 また水分補給として牛乳をあげる人もいますが、栄養過多となり肥満の原因になる恐れがあります。


 食欲がなく“牛乳なら飲んでくれるという場合”の栄養補給としてあげるのは良いですが『普段の食事にプラスして与える必要はない』そうです。


 しかし、先程も言いましたが――…喜ぶからと言って、与えし過ぎてはいけません。

 お腹を下したり、肥満の“元凶”になります。


 ――話を戻しましょう。

 気になっている方も多いかと思います――…何故、羊を飼っているのか?


 実は――…羊は『飛鳥時代』から日本に実在したという記録が、残っているそうです。

 山羊は、江戸時代から日本に渡ってきたという記録が、残っています。


 この村でも牛よりも羊か馬が“お助けマン”として、飼われていたのだ――…今回の異種親子の件も幸いながら雌の羊を飼っていた。

 丁度、羊も乳から草を食べれるようになった子育てを終えてばかりであった…しかしながらパンパンに張ってしまった乳房が、何とも痛々しかった。

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