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狐の嫁入り -土姫ノ章-  作者: ツカサシキ
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1-3 懐かしい出会いと思い出(2)

 立て続け投稿です。

 よろしくお願いいたします。

 登校中に久しぶりに会った友達は、十字道路の方を真っ直ぐ見据えると「アイツ…」と、ポツリと言ったのを気になり、友達に理由を聞きまくった。


 しつこい僕の問いかけに友達は「さっきも言ったよね?気にすれば、気にするほど嵌まるよ」と、厭きれながらも忠告するばかりだった。


 一時的に休校中の時と春休みの間、友達を含む霊能の関係を調べた。


 その結果――…諸説に違いがあるが、感覚の内の“霊感”と“霊力”が強い事が大きく関係している。

 それは『野生の勘』と捉える研究家が多いが、まだまだ研究中らしく科学的に証明していない。


 友達もその『勘』で“何か”が見えたのだろうが…一向に話そうしてくれなかった。むしろ注意事項が増える一方通行だった。


 今も思い返せば、友達に守られていた…いや、守ってくれていた事に頭が上がらない。

 しかし、理解したい気持ちと分かち合いたい気持ちが大きかったから話してくれるように頼み続けたが教えてくれなかった。


 ――その結果…起こってしまった。

 まだ信号機が青で、僕が歩道を渡りきる前に工事現場に行くのであろうトラックが猛スピードで突進してきた。


 まだ歩道の信号機は『青』で、車道の信号機は『赤』にも関わらず…ありえないスピードで走らせるトラックに僕の他の歩行者は、慌てふためいた。

 中には、押されたのであろう高齢者や中学生の何人かが倒れこんでいた。


 僕を含む何人かの人達は、直ぐに倒れこんでしまった人達の元に駆け寄り助け起こすが…トラックのスピードは、落とすことなく目と鼻の先まで迫っていた。


 中には「いいからっ!逃げなさいっ!」と、助けようとした人から掴んでいた手を払いのけ逃げるように促したり、先に逃げていた人から突然であるが…襟元や裾をつかまれガードレールまで引っ張られた人が何人かいた。


 僕も引っ張られている拍子に何気に別の歩道を目をやると友達が真っ直ぐに険しいが悲観な表情を浮かべながら指差した。


 友達が、指差すと同時に『パンッ』と、何かが弾けるような音が鳴った後に『ギギギーッ』と、トラックのブレーキを掛ける重く鈍い音が響いた。

 後にトラックのタイヤからゴムの焼けた独特の臭いと道路の焼け焦げた臭いが充満していた。


 トラックが止まった事で、窮地からの逆転――…ではないが、自分達が助かった事に一瞬だけ呆然としたが直ぐに安堵からか歓喜にガラリと変わった。


 何分かすると…近所の人達が通報したのだろう、直ぐに警察と救急車が何台か到着し、あっという間に広々とした十字路が埋まってしまった。


 しかし、幸いな事に誰一人、轢かれていなかったが…何人かが転倒による軽傷を負い、病院に搬送された。

 件のトラックの運転手は、警察が来るまでの間、逃げないように大人の何人かが取り囲んでいた。


 ――そして、警察が到着し聴取をしていた。


 僕は、直ぐに友達のところに駆け込むと友達は「何度も説得したんだけど…聞く耳が無かったから仕方がない。」と、ポツリと哀愁交じりに呟いた。


 僕は「何をしたの?」と、聞くと友達は「私の“(しりあい)”に頼んで、さっきまで悪さしてたのを消してもらった。」と、またポツリと呟くと「学校に遅れるから行くわ。」と、一言を残し学校に向かった。

 後を追いかけようとしたら警察の人に呼び止められ、僕も先程の出来事の確認をしてきた。


 その後、念のためと病院に運ばれ検査が終わる頃に警察から連絡があったのだろう、両親が血相を変えて駆け込んできた。

 僕の姿を見るや否や一目散に駆け込んできた両親に「大丈夫か!」とか「怪我は?」と、言いながら交互に僕を目視した。


 僕は、何とか両親を落ち着かせようと試みるが…お察しだ。


 何時もと変わらない朝のはずなのに突然、警察から連絡があるだけでも心臓が止まりそうになるだけでなく「お子さんが事故に遭った。」と、言われてしまったら…いくら僕が「大丈夫だよ。」と、言っても「本当に?本当に大丈夫なの?」とか「念のため、脳外科に…!」と、人の話しを聞こうとしない。


 僕だけでなく看護師さんや医師からも「大丈夫ですよ。」と、言ってくれるが…両親の『事故に遭った』という単語が、まだ頭の中で山彦のように連呼しているのだろう。


 両親が落ち着いた頃には、もう昼休みになっていた…学校の事を聞くと両親から学校も両親と同様、警察から連絡があったらしく休む事になっていた。


 確かに…事故に遭ったが、僕は「(聞きたい事があるのに…。)」と、友達の意味深い言葉が気になり、頭がいっぱいだった。しかし、今から学校に行っても間に合わなかったため、お言葉に甘えて休む事になった。


 夕方頃になりテレビをつけると、朝の出来事がニュースになっていた。知らなかったが、僕が寝ている間に警察の人が来たらしく、事故の原因を話してくれたそうだ。


 警察からの話しによると、走行していたトラックの運転手は“わき見運転”だった。

 運転手の主張は「飲み物を取ろうと目を逸らしたら赤信号が目に入ったが、慌ててブレーキを踏んだが、誤ってアクセルを踏んでしまった。」と、両親から聞いた話とニュースの内容がそのままだった。


 既に警察からの説明を聞いていた両親からすれば、鬼のような形相だった。

 今朝もだが、以前から今朝と同様の事故が頻繁に起こっていたため、PTAでも原因を専門家に究明依頼を掛け合っている最中だったそうだ。


 何度、聞いても嫌な話題のため直ぐにチャンネルを変えるが何処の局も同じ話題を取り上げられていた。


 父は、嫌気が刺しながらもチャンネルを変えていくと再放送のドラマがあったので、それになったのだが…ドラマの上部分に速報でも取り上げられていた。


 ――両親の顔が更に険しくなった。

 当然だ。


 変わりない毎日の『当たり前』から急激に落下するような出来事が、瞬時に電気が点灯するかのように変化したからだ。

 黙々とした空気が、漂っていると…勢い良く玄関が開く音が響いた。


 何事だと思っていると、二人分の足音がバタバタと、僕達の居るリビングに近づき…後に玄関と同じように勢い良くリビングのドアを開けながら「蓬っ!無事っ!」と、聞き慣れた若い男女の声が交互に響いた。


 僕の上には、二十歳の双子の兄・蘭と姉・花梨がいる。

 今は、勤め先の都合で会社が用意している寮に一人暮らしをしている。


 僕の姿を見るなり兄と姉は、我先にと一目散に駆けつけ勢い任せに抱きつかれ「大丈夫っ!蓬!母さん達から電話があって!」と、交互に息のあった質問攻めにあった。


 病院での両親と同様に何度も「大丈夫。」と、言っても「でも!」とか「だって!」と、聞こうとしなかった。


 何とか、兄と姉を落ち着かせて「大丈夫。」と、これから言う事を一から順に話した。


 確かに事故に遭ってしまったが、本当に不幸中の幸いにも掠り傷が無い事や頭を打っていない事、僕の他に被害に遭ってしまった人達も無事である事を子供ながら語彙力は、乏しかったが…何とか噛み砕いて説明した。


 兄と姉に『何とか』分かってもらうのに…時間が一気に過ぎ去っていた――…夕食時と食後の時にも病室の時の両親のように「でも!」とか「やっぱり!」とか間を挟み込んだ。


 僕は「心配してくれてありがとう…でも、本当の事を話してるのに信じてくれないの?」と、聞き返したら黙ってしまった。


 両親にも兄と姉に心配させてしまった事を申し訳ないと思っているが…僕も僕で、実際に起こってしまった事の現実味を混乱と拒絶している事を…何とか、言葉にするのに限界があったが、大人と子供の“理解”の差を痛感するしかなかった。


 まるで、イワシやサンマ等の郡遊するかのような『大人』に流される感覚で…哀しかった。


 気づけば、もう就寝時だが…今朝の出来事が今でも僕自身を束縛する感覚に襲われた――…友達の行動と言葉が、この何とも言えないモヤモヤとした感覚が不快だった。


 何となく、あの事故を思い出してみた。

 出来るだけ正確に…静かに静かに思い出した事をメモ帳に出来るだけ細かく書いていった。

【作者の会議(愚痴)室】 ※許可を頂き、投稿しております。

A「――あー…火照った体が、冷えた牛乳寒天によって骨身に浸透するわ~。」

ツ「それは、良かったよ。」

A「すっかり、初夏?っぽくなってきたけど…まだエアコン使うのに抵抗あるわー。」

ツ「だねー…未だに何を着たらいいのかさっぱりなんだけど…。」

A「分かるわー…春パーカーとか着て行ったら「暑っ!」ってなったり、お店によって空調設定が、違うから「寒っ…」になるし…帰ってきたら風邪っぽくなってるっというオチ待ちが…。」

ツ「何の試練かねー。」

A「いらんわ、そんな傍迷惑な試練!ただでさえ、コロナで自重しているというのに!」

ツ「あー…全くと言っていいほど、収まらないねー。」

A「ただでさえ、インフルエンザとか迷惑物なら間に合ってるのにねー。」

ツ「Aさん…お代わり、足りる?」

A「・・・・・。」

ツ「お茶のついでに持ってくるよ。」

A「…更にゴチになります。」

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