5-11 昔噺の追憶(11)
10月事神無月見舞い申し上げます。
今月もご拝読いただきまして、ありがとうございます。
大変、申し訳ありません。
今月より多忙となってしまい、誠に勝手ながら投稿回数を控えさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
※苦手な方は、直ぐに閉じてください。
よろしくお願いいたします。
直ぐに売り切れてしまうが、呼び込み用として余分に作っていたらしく…難なく、手に入った。
つい最近までの出来事のように思い出してしまうほど『愛着』に胸を締め付けられてしまう、が――…直ぐに“エゴ”である事に気づいた。
煩悩の一種であるが――…大事な『思い出』である事に変わりない。
最後に加護の願掛けを祈禱を掛けた後に小町の大道へと出て、帰路についた――…帰り道での途中に女将から受け取った握り飯の弁当は、格別であったという。
磨り潰した胡桃を甘辛い味噌と混ぜて炊いた女将特製、冷めても美味しいと評判である胡桃味噌の焼き握り飯――…兄の好物でもあり、良い陽気だったのも美味しさを倍増したのかもしれない。
この胡桃味噌は、師匠も先輩達も好物だ――…参拝をする際に手土産として、よく持って来てくれた。
あれば、朝昼晩の食卓に使用されていた――…ご飯や粥の主食の“お供”を初め、焼きおにぎりにコンニャクや豆腐に里芋等の味噌田楽や風呂吹き大根等の煮物や和え物の副菜の『味変』に使われていた。
一番人気だったのは、お湯か水にて味噌を伸ばした汁粉のように餅と一緒に食べる事だった。
何時も取り合いになってしまうほどだ――…好物というのは、本当に…あっという間に平らげていた。
修行を終えた兄の帰還と幼馴染さんとの“例の出来事”へと発展するとは、誰も思わない。
幼馴染さんを送り届けた道中、村長さんと逢った。
一言二言、挨拶を交わしながら…金物屋さんの引っ越し先が、修行先の小町であった事を話すと安堵した。
気がかりな理由――…引っ越し先での上手くやれるか、だ。
それは、エゴであるものの…どうしても『余所者』への風当たりというのは、天変地異並みに荒れてしまうものだ。
――波風立てずに“挨拶程度”が、お互いのためであろう。
しかし、接客業の場合は?
そうもいかない――…しかしながら杞憂だった事に我が事のように安堵していた。
兄は、村長さんと話をしながら気がかりだった――…件の浪人、だ。
帰宅した兄は、荷解きをしながら父と『村長への配慮』を相談しあっていたそうだ。
――そして、今回の“問題”だ。
呼び寄せられ、仲間と思っていた浪人達の『亀裂』を利用する事にしたのだ――…その時、働いた悪知恵に感謝してしまった。
今にも逃げ出したい浪人達を諭しながら屋敷の大広間に怪我をしてしまった浪人を運ばせながら寝かせる。
怪我をした浪人に手当の許可を取ると再び、状態を確認しながら手当てをしながら止血していった。
幸いにも傷口から流れる余分な体液と血液を小まめに取り除いていたため、化膿していなかった。
その後――…浪人達に人数分の食料と新しい痛み止め等の薬を持ってくる事を話し、帰路についた。
帰宅する道中に再び、村長宅に立ち寄った。
訪ねた理由を話すと、直ぐに部屋に上がらせてもらい…事情を話した。
――正直、苦肉の策であるが…最後まで、話と提案を受け入れてくれた。
思わぬ提案に村長は、軽はずみな判断により村民に迷惑を掛けてしまった“責任”を果たしたかったのだろう。
基本的に行動するのは、自分である事に関して以外には――…この事には、危険と隣り合わせになる事に村長から大反対を受けた。
しかしながら…事の深刻さを目の当たりにしているため、その提案を飲むしかなかった村長の目から大粒の涙しか流れなかった。
護身術に関しては、村長も知ってはいるが…子供の癇癪のように暴れ狂う男だ。
報告と協力を兼ねて、この一件を話して構わない――…が、井戸端会議のように横目にしながら『この一件』を耳に入ってしまう可能性あるものだ。
あの癇癪男の耳に入ってしまえば、どうなるのか――…想像しただけでも悍ましい。
――信じていないわけではない。
しかし、仲間外れ良くないと正義感を働いてしまった人や“特別情報”として…面白おかしく話してしまう人というのは『どうしても』存在している。
今回の一件により…心労してしまった浪人達の何人かが、去ったら伝達のように話していく予定だが――…何日間、持つだろうか。
スッキリしない不透明な心配は、精神を病んでしまうものだ――…しかし、直ぐに木漏れ日の日差しのように功を奏した。
帰宅して早々に家族に話した――…始めは“母以外の家族だけ”で、今直ぐにでも抜けて逃げ出したい浪人達に会わせた。
理由は、握り飯等の食事を始めた『身の回りの世話』と逃亡資金の受け渡しだ。
突然の事に疑心暗鬼だった、が――…受け入れるしかない。
――次は、我が身。
因みに母にも事前報告を行っているため、負担となるが…我が家だけでなく、浪人達からの家事全般を引き受けてくれた。
村の一大事だからだ。
村長への恩返しも含めて、居心地の良い村なのだ。
しかし、何日かして…嗅ぎ付けられてしまうものだ。
空き家だが、集会場の出入りの激しさに…不審がられてしまった所で、報告を行った。
報告を受けた村人全員から“やはり”というべきか「水臭い!今直ぐにでも協力する!」と、熱願されてしまったのだった。
――次第に当番制となり、癇癪浪人の動向を探ると…何の疑いを持たずに今日も今日とて、酒を摘まみに寝て起きてを繰り返している日々を送っていた。
しかし、そのままにしておけない。
ピリピリとした空気間の中――…今日も今日とて、父と交代しながら怪我人の治療を行っていた。
兄も薬師としての心得ているが、内容が内容である――…家族と他の村人達からも例の癇癪男に見つかったら厄介である事から神事を引き継いでいた。
因みに元商家の空き家は、表向きは『医師である弟の調合室』になっているものの――…完全ではないが“逃がす”約束をしたため、浪人達も必死であり必至だ。
問題視と言っては、炎上ものであるが――…根気のいる治療のため、患者さんから何度も泣かれた。
しかしながら…みるみるうちに傷が、塞がっていった。
出血多量による貧血を起こしていたが…若さによる自然治癒力と治療法が、合っていたのだろう…青ざめていた顔色も血色は、すっかり良くなっていった。
気になっていた食欲も消化に良い粥から梅干しや刻んだ香の物の入った茶漬けから小さく握られた握り飯になり…ようやく、ご飯茶碗になっていった。
握り飯辺りから具のない味噌汁であったり、徐々に少量ずつ具のある味噌汁から副菜も付いていった。
怪我人食から通常食になった事に大きく喜んだのものだ――…怪我人食でも十分に美味しかったそうだが、やはり寂しいものだ。
食後の按摩や運動に加えて、ようやく動けるようになった体に対して…不安を吐き出させていった。
因みに何人かの浪人達は――…村人達と意気投合して自ら“密偵”を買って出た。
癇癪浪人への手土産を持って様子を見に行ったり、時に農村の格好に扮して、手伝いをしながら『癇癪浪人の監視』を徹底していた。




