5-9 昔噺の追憶(9)
8月事葉月見舞い、残暑見舞いを申し上げます。
今月も拝読していただきまして、ありがとうございます。
まだまだ暑いですので、熱中症と水中毒に気をつけてくださいね。
※苦手な方は、閉じてください。
窘めながら「たった今、助けた“命”を捨てないでくれ。それとも復讐して…貴方を怪我を負わせた男と同じ下品になりたいのか?」と――…強引な言い方だが『下品』という言葉が、効いたらしく怒りを鎮静化に成功を果たした。
患者を運ぶために毛布を布担架にし、浪人達の協力し合い…仮住まい家屋に運んだ。
彼等が、居た場所より広く小奇麗な家屋だった――…その場所に案内された浪人達は、目を見開いていた。
――元々、調理道具や農具等の取り扱っていた商家だった。
家族経営をしていたが…年月を過ぎると調理道具だけでなく、農具の“長持ち”するようになっていた。
結果――…長持ちするようになったために買い替える頻度が、減ってしまったために閉店してしまった。
閉店の前に隣町に暮らしている親戚さんが、訪ねてきたらしく…一緒に商いをする事となり、引越しをする事となったようだ。
――その後。
閉店する事と知らせを受けた村民に半額で、調理道具と農具を売りに出した所――…あっという間に家族分の路銀代を稼げた。
全ての商品を売りつくしている間、引越しの準備をしていた――…しかし『予想外な出来事』と言うのは、忙しい時ほど発生してしまう。
引越しの移動中対策として、用意していたはずの保存食と常備薬が…無くなってしまったのだ。
お手伝いをしてくれていた子供の急な発熱、その発熱による食欲不振――…親御さんの一心不乱に働いている所を間近に見て「自分も頑張る!」と、慣れない意気込みと“大人の真似をしてみたい”と…人一倍、頑張ってくれていたそうだ。
親御さんと来客から微笑ましく見守られていた、が――…子供の体は、妊婦さんの次に繊細だ。
慣れない行動と緊迫した空気に耐え切れずに熱を出してしまったのだ。
子供の熱の看病に常備薬から解熱剤を使い、食欲不振でも食べやすいように梅干しを浮かべた水に近い粥を食べさせていった。
熱が、下がっていく中で――…食欲も粥から雑炊となり、やがて…握り飯から茶碗盛りに戻っていった。
一安心である、が――…思った以上に子供の罹っていた熱が、下がらなかった事もあり…あっという間に約1~2日分しか、残らなかった。
引っ越し先は、約3~5日も掛かってしまう距離――…引っ越しトラックなんて、まだ存在しない時代。
その引っ越しトラックの代わりに運搬していたのは、荷車――…大きさの違うために両手では、足りないだけでなく…在庫の確認と整理にも役立っていた。
今日もだが、ほぼ毎日使用していたため…その荷台が、壊れてしまったのだ。
食糧だけでなく、荷台まで――…正に八方塞がりと、なってしまった。
――しかし『手を止めるわけには、いかないの』が…現実だ。
困り果てながらも…商売の手を止めない。
その代わりに…ついつい世間話として「引っ越すというのに困った」と、愚痴ってしまった所――…妻から聞いたのであろう大工をしていた村人から「荷台を直すから安くしてくれ」と、交渉成立。
荷台の次に困っていた長距離歩行への“保存食”は――ご近所さんから保存食を「引っ越し祝いに持って行って」と、お裾分けの嵐と化した。
自家製の梅干しや沢庵、香の物に加え「晩ご飯に食べなさいな」と――…根菜の煮物や土壌やタニシの佃煮も頂いた。
――嬉しい贈り物だ。
しかし、着々と『別れ』間近なのだと…寂しさが、残るが“決めた事を何が何でも進む”精神を貫いた。
それに…村に残っていても『今後の生活』に影響を与える事は、目に見えていた――…満足に食べさせたい気持ちが、大きかったからだ。
――あっという間に引っ越し当日は、雲一つない晴天。
まるで、門出を祝うかのようだった。
惜しまれつつも引越しの出発へと準備が、進む中――…一時帰宅をしていた僧侶の兄が、走って駆け寄ってきた。
慌ててきたため、見送りに来ていた村人達に理由を聞かれた僧侶の兄は「薬が、出来たから届けに来た。本当は、早く渡したかったのだが…出来るだけ保存効くようにと、お子さんが飲めるように薬草茶にしていたら遅くなってしまった。申し訳ない」と、謝罪されながら手渡した。
あまりの出来事に固まってしまったが、恐る恐る受け取った…こちらの都合だというのに嫌な顔をしないどころか、逆に謝らせてしまった事を恥じた。
そして――…使用した分だけでなく、長期間保存と子供でも飲めるように薬草茶にしてくれた事を感謝するしかなかった。
それだけでなく、読み書きを教えてもらっていたため薬草茶の袋の張り紙に書かれている効能の意味を難なく理解を得た。
たった今、受け取った薬を…宝物のように大事に大事に懐の中に抱き締めた。
――その後、二言三言と別れの挨拶を済ませて…皆に見送られながら引っ越し先へと、旅たった。
新住人を待つ身となった家屋は、そこそこ広いため――…引っ越し先にて、水が合わずに戻ってきてもいいように村人総出となり…取り壊さない方針へと進んだ。
しかしながら…そのままでは、朽ちて崩れ落ちるだけのため…考えられた結果“村の集会場”となった。
家屋と共に残された物置も広いため、買ったばかりの農具や鍋屋包丁等の調理道具を一時保管場所へとなった。
まるで『元に戻った』かのようだ――…と、誰かが呟いた。
――余談だが…幸い引っ越し先の水が、合っていたようだ。
何故、知っているのか?
収穫して、綺麗にした旬の新鮮な野菜や野菜を作った香の物――…秋になると、精米した玄米と焙煎した玄米茶を露店販売していた所に早くも再会を果たしていたからだ。
思わぬ誤算だったが「お互い、元気そうで何より」と――…笑いあい、懐かしの“故郷の味”の野菜と香の物を買っていった。
変わり種として、ミョウガの甘酢漬けや田んぼから獲れた土壌や谷繫の佃煮も買っていった。
すっかり、恒例となっていく中――…その様子に感化するように新たな御客様が、次々と来店するようになっていった。
今でも続けており――…実は、修行僧をしていた兄とも再会を果たしていた。
兄に会うや否や、再会を喜んだ…お布施として残った野菜と漬物の他に「少なくて申し訳ないが」と、売上金から少額を手渡した。
兄は、慌てて「大事な売上金は、受け取らない。野菜だけでいい」と――…断ったが「久々に逢って、嬉しいから受け取ってくれ」と、子供のように無邪気な笑顔を見せる。
離れ離れとなってしまったが…懐かしい笑顔に兄は、根負けしてしまい――…お金と野菜のお布施を受け取った。
兄は、再会だけでも嬉しいのに「再会の記念」にと…野菜と一部の売上金を貰ってしまった事に申し訳なさに襲われていた。
二言三言と挨拶をし終えて、受け取った御布施を持って帰った。
持って帰った修行寺の住職に相談したところ――…野菜は、有難く食事に金銭は「それは、お前への再会祝いとして受け取りなさい」と、お言葉を頂いた。
本来ならば、有り得ない事だ――…しかしながら住職の「再会祝い」という言葉に感銘を受けた。
しかし、それでも兄は「お布施であるのに変わりない」という心情に駆られてしまい…住職に預けたそうだった。
【作者の会議(愚痴)室】 ※許可を頂き、投稿しております。
シ「それにしても今年も?雨、多いね。」
A「だねー…すっかり、部屋干し祭りだよね。」
シ「うん。それとさ…一番困るの外出先で、必ず会う傘を横向き持ちする人…いい加減に縦向け持ちにしてほしい。」
A「あー!確かにっ…てか、この前っ!歩くたびに勢い良く横振りするから危うく刺さりそうになったわっ…。」
シ「危なっ…。」
A「不幸中の幸いにも…無事だったけどさ、振り子みたく振らないでほしい。しかも勢いよく振らないでほしいよ。」
シ「前々から問題視されたよね。大学生さんだったっけ…幸い、失明逃れたらしいけども…忙しいだろうけど、駅員さん監視と言うか…注意してくれる人を入口付近に置いてほしい。特に階段とかエスカレーター。」
A「だねー…何回もネットやニュースでも恒例迷惑行為ネタとして、取り上げられてるのに…かっこいいとか思ってるのかな?」
シ「無意識じゃないかな…服やカバンと靴に傘の水滴を付けたくないだけじゃない?私、試しに周りを確認してから横向き持ちしてみたんだよ。」
A「チャレンジャー。」
シ「安全のために我が家です。」
A「えらいな。」
シ「さっきも言ったように水滴だけでなく、持ちやすいんだと思う。」
A「そうなの?」
シ「試しとして、検証した方が――…はい。」
A「お借りします――…あー…。」
※気になる方は、実験です。しかし、危険行為である事に変わりありませんので、傘を使う時は、気を付けてください。




