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狐の嫁入り -土姫ノ章-  作者: ツカサシキ
25/41

5-7 昔噺の追憶(7)

6月事水無月見舞いを申し上げます。

拝読していただきまして、ありがとうございます。


今回も楽しんでいただけたら幸いです。

よろしくお願いいたします。

 ――先程まで、遠く淡い空色と畑から田んぼへと耕したばかりの水分の含んだ焦げ茶色の土の横の土手には…所々に春から初夏にかけてタンポポの黄色い花や青紫色と白色のスミレが、咲き誇っいた。


 新たになりつつある懐かしく、見慣れた風景に――…風が、吹きこんだ事により『驚き』を与えられた。


 一本一本ばらつきながら広がったタンポポの綿毛種の白色に染まっていった――…綿毛種の隙間から覗く風景は、何とも幻想的な光景へと変えた。


 あっという間の出来事に師匠の兄と幼馴染さんの目は、奪われた。

 まるで――…村から「おかえりなさい」と、帰郷した事を喜んで言っているかのようで…温かい気持ちに浸っていった。


 ――その後、夢心地であるものの…幼馴染さんを家に送り届けた。

 幼馴染さんの両親との久々の再会と挨拶を交わしていく中で、例の浪人の事を話してしまった。


 幼馴染さんの両親も知っているようで、危険視をしている人物であった――…と、言うのも半年前にフラっと立ち寄ったらしかった。


 村人から村長の家を教えてもらい挨拶しに行った――…そして、村長には「直ぐに立ち去るから手荷物整理をするために雨風を防げる所を貸してほしい」と、願われた。


 断る理由は、無かったため了承してしまった――…この事に村長は、今でも後悔の念に駆られているそうな。


 個人差あるが、荷物整理と言っても…早くて約3日~4日位かと思っていたらしい、が…7日経っても村を出る様子が、無くなったそうな。


 一瞬、病気に罹っていたのかと思ったらそうではなかった――…何時の間にか、2~3人の見慣れない浪人と共に勝手に住み着いていた。


 挙句の果てに…村の若い女子ばかり悪質な絡みをしているようだった。

 幸いと言ったら可笑しな話であるが…幼馴染さんは、両親と共に朝から畑仕事をしていて常に泥だらけだったため難を逃れていたらしかった。


 しかしながら…今回、本来の幼馴染さんの“素顔”を知ってしまったために警戒心を抱かずにはいられない。


 その話を聞いた師匠の兄は、両親からの手紙にて…知っていたものの思った以上に酷い状況に驚きを隠せなかった。

 呆気に捉えていると――…お礼にと、特製の香の物を何種類かを持たせてくれた。


 その様子に師匠の兄は「当然の事をしただけだ」と、断ろうとしたが…幼馴染さんからも「お礼なのだから受け取ってよ。それに女性からの気持ちを無駄にすると大変よ」の言葉に何も言えなくなり…受け取った。


 ――その後、何度も礼を言われつつ見送られた。


 師匠の兄が、帰郷して早々の幼馴染さんの――…温かく、淡く、儚く、くすぐったい『想い出』の話してくれた。


 真面目な分、争い事なんて以ての外な兄の勇気に感服しつつ…家族の再会と団欒を楽しんだ。


 翌朝――…師匠の兄と父は、朝からの勤めに行った。

 この休日の間の師匠は、蘭医の元にて学んだ薬の調合をしていた。


 その日も幼馴染さん親子が、玄米と新鮮な野菜を持って訪ねて来た――…またの大荷物に師匠の母は、お茶を淹れて

 昨日の出来事を聞いていたせいもあり、母親同士…井戸端会議していた。


 話している間に師匠は、昨日中に荷ほどきした事前に用意していた蘭医の先生からの土産を手渡した――…特に町の流行り菓子は、見慣れないせいもあり…とても喜ばれた。


 ――その後、土産と調合したばかりの薬壺を持って子供の頃から知っている家屋に回る事を話すと幼馴染親子も一緒に行く事となった。


 何故なら…師匠の持つ、土産の中々な量に同情してくれたようだった――…正直、ありがたい申し出だったため一緒に行く事となった。


 大量の土産を荷台に固定し、乗せてもらい出発した。


 何気なく空を見上げると、いい天気に恵まれた――…初夏特有の日照りと陽気に包まれていた…井戸端会議が、始まる前に母と一緒に洗濯物を干す手伝いをしたから直ぐに乾くだろう。


 そろそろ父と兄の勤めが、終わる頃合いだが――…距離と土産の量を考えると、直ぐに行った方がいいと思い…小腹対策に自分で、作った握り飯を包んだ。


 何時でも行ける幼馴染親子に待たせたのを謝罪すると「量も量だ。気にするな」と、心強い言葉を貰いながら幼馴染さんと一緒に荷台を押した。


 一軒、一軒と回る――…尋ねるたびに「昨日、来るつもりだったんだが…荷ほどきに苦労してしまって今日になってしまった、すまない」と、その土産を手渡た。


 久しぶりに会い、再会を喜ぶ人も居れば…家族の事情により引っ越してしまったの人も居た――…その久しぶりに会う人の中には、引っ越した内情を教えてくれる人も何組か居た。


 村の池作りにより、田畑を止めたからだった――…必要だった事とはいえ、家族の人数分の食糧調達に影響を与えかねなかった。

 森に行けば、イノシシや野兎の狩猟できるものの…時期が、ある。


 しかし――…幸いにも寺の住職(父親)から読み書きと計算の仕方を教わっていたため、その土地での職探しへと引っ越した人。

 中には、嫁いだ息子夫婦や娘夫婦の元に引っ越した。


 だが、やはりというべきか…例の浪人『行い』に嫌気して、夜逃げ同然に引っ越したという――…両親からの手紙と幼馴染さんの両親からも聞いていたが、しかめっ面になりかけていた。


 ――その後、一言二言の挨拶を交わしつつ…滞在期間を教えて後にした。

 帰郷したとはいえ“蘭医の仕事”を怠けたくなかったからだ――…それに蘭医の先生の元にて、学び習った事を『実行』する現場修行である事を教えられたからだ。


 元々――…薬師でもある両親から調合の仕方を学んだとはいえ“新たな技術”というのは『貴重な存在』を得て、生まれ育った村に恩返しをしたかったのだ。


 今回、村外れであるが――…帰れない距離でない場所に蘭医の先生が、住んでいた事を知っていたため…その蘭医の元に弟子入りさせてほしい内容の手紙を送ったのが、始まりだった。


 それに蘭医の先生の居住から離れたところに立て直された寺もあったため「(兄の手助けになれば)」と、蘭医の先生と寺の住職様から許可を得て…目まぐるしかったが、修行僧もしていたそうな。


 ――そして、今回の帰郷する前に晴れて…兄の補佐として“副住職”の資格を得た事を昨夜の夕餉の席に話していた。


 両親だけでなく、兄も喜んでくれた――…食事を楽しみながら兄が「体調不良になったら遠慮なく、頼るからな」と、笑いあっていた。


 ――帰郷中は、新米であるものの医師として務める事を知らせながら一軒一軒を回っていく内に…あっという間に荷台の土産の量も減っていった。


 改めて、大量の土産を荷台に乗せてくれた事を礼を言うと幼馴染さんの父親は「毎日、世話になってるからな。それに困った時は、お互い様だ」と――…頼もしい言葉を貰っていた。


 最後の家に回る前には、もう手に持っていける量となっていたため「後は、一人で行くよ。それに例の浪人が、うろついているかもしれないから早く帰って方がいい」と――…この言葉に渋々だったが『浪人』の単語により受け入れてくれた。


 実は、家族しか知らないが――…亡くなった祖母が、武術の心得を持っており『護身術』を教えられていた。


 護身術の訓練を終えると祖母は「とても強い護身であるから“緊急事態”以外、扱わないようにな」と、亡くなる直前までに言われ続けられていた。


 ――蘭医の元で、興味本位に『どのように強い』のかを調べてみて、驚愕した。


 何故なら――…枝切ばさみを使用しないと切れない約2cmの枝と同じ腕の骨を折れるほどの威力を発揮するからだ。

【作者の会議(愚痴)室】 ※許可を頂き、投稿しております。


C「・・・・・。」

シ「如何いたしました?Cさん。」

C「凄い、綺麗な描写だね…。」

シ「あー…タンポポの綿毛種?」

C「うん。」

シ「実物は、けた違いだったよ…。」

C「えっ…実話?」

シ「2~3年前かな?丁度、コンビニに用事が合ってね。今みたいな過ごしやすい頃で…暖かくて、いい天気でさ。」

C「ぉおー…し、写メは?」

シ「無い。車、通るから邪魔になるから断念しました。」

C「…それは、仕方ないね。」

シ「その時の感動を出来るだけ、細かくしたんだけど…私の語彙力が、な。」

C「惜しい…。」

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