1-1 夕立の『ヤサシイ』雨宿り
本日から新作を投稿させていただきます。
恐縮ですが、初の試みである『百合(擬き)×怪異(擬き)』を挑戦させていただきます。
今回は『想ヒ人』の登場人物であった“辻本蓬”と“無患子菜種”を重視した作品です。
また『想ヒ人』や『ドラッグ・シューマノイド』と同様に何度も書き直すと思いますが、よろしくお願いいたします。
※苦手な方は、お閉じください。
――何時からだろうか?
一体、何時から…わたしは『あなた』様に――…いや。
違う…。
言葉の誤りをお許しください。
わたしは『あなた』様の“本来”に戻ったのですね。
しかし、ほんの“一部”にしか戻られていない…寂しく、哀しいことです。
どうすれば、いいのでしょうか?
一体、どうすれば…わたしは『あなた』様を“元”に戻せるのでしょうか?
難題です。
無心…。
無情…。
『あなた』様は、わたしにそう教え込んでいただいたが…難しいです。
――当時のわたしを思い出してみました。
お恥ずかしい話しで…今もなのですが…今の世の中は、わたしには“棲みにくい”です。
まるで、酸素を奪われた魚のように…必死に酸素を求めて、もがき苦しみ続ける感覚に日夜、襲われています。
そんな右往左往をしているわたしに『あなた』様は、気づいてくださった。
お声を掛けていただいた。
――嬉しかった。
わたしは「誰でもいいから気づいてほしかった」のだと…遅れながら自覚いたしました。
・・・・・
ポッポッポッ…と、静かな音を立てながら小粒の雨が降り始めたと軽く思ったら…短時間で、バケツをひっくり返したような土砂降りになった。
そんな雨の中、慌てて折りたたみの傘を広げるも頼りにならず…あっという間に制服がぐしょぐしょに濡れただけでなく重さが増していった。
最悪な現状に…途方に暮れた女子学生は「(参ったな~…行きつけの文房具屋さんに新色のペンが売ってなくて、思いっきって遠出して買えたけど…バスに乗り過ごしただけじゃなく、近くにコンビニとか無いって…オマケにバス停、屋根くらい取り付けてよ…)」と、愚痴交じりの思いながらも「(あたしのワガママ行動だしな~…どうしても欲しかったしなぁ~…)」と、スクールバックの中から買いたてほやほやの新色のペンをチラ見すると思わず微笑む。
女子学生は、続いてスクールバックからスケジュール手帳を取り出すと「(あー…早く帰って、書きたいなー♪)」と、思いながらもバスが来ない苦しい現実が突きつけられ沈黙。
呆然とバスを待ちながら顔を上げると「(あ、神社?気づかなかった…まだバスが来ないし…失礼だろうけど、雨宿りさせてもらおう…)」と、思い立つと直ぐにバス停から足早に神社に向かった。
頼りない折りたたみ傘を駆使しながら酷い雨降りの中、びしょ濡れな制服を引きずるように足早に目的地の神社に向かった。
不幸中の幸いか…交通量が極力、無いのか車が一台も通らずに難なく神社に到着した。
遠目だと小さいと思っていた神社だが、とても大きくどっしりとした趣が印象的で、新しく立て直したのだろう幣殿が輝かしかった。
生憎の天気により避難する自分を恥じながらも折りたたみ傘の水気を切り、水切りポーチに仕舞い入れた。
そして、財布を取り出し小銭の幾らかを賽銭箱に入れると直ぐに手を合わせ「(すみません、バスが来るまでの間だけ雨宿りさせてください)」と、無理矢理だが雨宿りをさせてもらった。
しかし、待てども待てども雨が止まないどころかバスが予定時間より遅れており女子学生は、途方に暮れていると『ギッ…』と、いう軋む音が聞こえた。
思わず振り向くと…巫女衣装を着た美しい少女が、立っていた。
女子学生は、思わぬ巫女の登場に驚いていると巫女は「どうぞ、中に入ってください」と、優しく声を掛けてくれた。
巫女の優しい言葉に誘われ幣殿の中に入ると巫女から「良かったら使ってください」と、バスタオルを差し出してくれた。
女子学生は「す、すみません…!ありがとうございますっ…!」と、巫女からタオルを受け取り幣殿の中を巫女と共に消えていった。
【作者の会議(愚痴)室】 ※許可を頂き、投稿しております。
A「・・・・・。」
※投稿前の小説を読ませています。
ツ「おやつだよ?Aさん。」
A「・・・・・。」
ツ「Aさん…?その様子は…完全、プライベートにした方が良かったか…。」
A「いやいやいや!勿体ない!」
ツ「あ。好評でしたか。」
A「ついつい読み行っちゃったよー…引き込むの上手いんだから~。」
ツ「引き込み上手なのは、こちらでしょう?」
A「おっ!ポ○○○○グ?」
ツ「ヤ○○キの米粉入り『も○○わ』で、ございます。」
A「ほほう!いただきます。」
ツ「どうぞー。」
A「…おほほほほー♪」
ツ「喜んでいただき良かったです。」