歌姫の婚約破棄騒動 カセットテープで出来ること
私はステージに上がる。パーティー会場には卒業生、保護者が立ち並ぶ。精一杯役目を果たそう。美声を響かせる。割れんばかりの拍手喝采を浴びた。ほっとしながら壇上から下がった。
「流石歌姫」
グラスを片手に親友のリサが待っていた。『ありがとう』とグラスを受け取る。
「カセットテープでレアーヌの歌がいつでも聴けるようになったけど生はやっぱり違うね」
「ありがとう。でもカセットテープは大発明よ。録音して聴かせるなんて。私も感謝しなきゃ」
「発明には感謝するけど発明者には感謝出来ないわね。礼儀も出来ない男爵令嬢」
「ダメよ。リサ」
リサには同意だが、そんな事言っては行けない。人にはそれぞれ個性かある。私も関わりたくない人物ではあるが恩恵を受けることもある。
歓談が終わりダンスパーティーへと移行する。私のお相手は王子のアルバート様。彼を見つけた時、周辺の様子が違うことに気づく。
「レアーヌよ。そなたとの婚約を破棄する!」
突然の出来事に立ち尽くすしかなかった。その後もアル様から謂れのないことで攻め続けられた。
「お待ち下さい。レアーヌ様はそのような方ではありません」
アル様と私の間にリサが入る。ゆとりが出来た。アル様の話は私が発明令嬢ポアンを苛めて、利益も搾取するとのことだった。
「アルバート様リサ様も止めて下さい。私がでしゃばり過ぎたのが原因です。大人しくしていますからこれ以上は……」
二人の言い合いに参戦者あり。ポアンだ。控えめにアル様を止める。健気に震えながら喧嘩の仲裁に入る。その姿は周りから彼女こそが被害者。という印象になる。私とリサが悪役のようだ。
「貴方これを聞いてもそんなことを言って言えるの?」
リサがカセットテープを取りだしプレイヤーにセットする。その音声は男爵令嬢が1人で大騒ぎして私を陥れるための計画を口走る内容だった。
「こ、これ。私じゃありません」
「そうだ。これはポアンじゃない!」
ポアンを庇うアル。興醒めてしまう。
「皆の者アルバートとポアン嬢を確保せよ」
国王様より激が飛ぶ。アルとポアン様は身柄を拘束された。
「レアーヌ。暫し時間をくれ」
王と父の会談が開かれた。父は謝罪を受け入れ婚約破棄は回避された。
その翌年。私はアルバート様と婚姻した。
アル様は私に頭が上がらなくなっていた。いいですのよ。側室にポアン様を迎えても。彼女は天才ですから。王家に多大な利益を生み出すでしょう。私は音楽活動に勤しみますわ。