表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たった一つの命  作者: 豆太郎
1/1

~悲劇~

「ドナーはごめんだけど断る。」

私は静かな住宅街にいた。兄、翔と兄嫁、由良はじっと私の顔を見つめていた。

「頼む。」

兄が聞こえない程小さな声で言った言葉は私になにも響かなかった。

兄の息子の奏楽はドナーが必要だった。詳しい病名などは知らないが、ドナーが見つからなければ亡くなってしまうらしい。そして偶然なのかなんなのか私と一致した。もちろん何もない普通の甥だったら当然の様に助けていた。しかし私にはドナーになりたくない理由があった。

5歳の時に両親が事故で亡くなった。私は5歳にしては物分かりがよかった方だったと思うし、両親が亡くなったという事はすぐに理解した。残った家族は高校生だった兄だけだった。両親は二人とも兄弟がいないし、祖父母も訳があっていない。頼れる人は兄以外いなかった。けれど兄は両親が亡くなった一か月後、急に姿を消した。保育園にずっと迎えに来なかった。その後近くにあった児童養護施設に入った。しかし学校では親がいないことでいじめられ、不登校になった。学校は近くにもう一校あったのでそちらに通う事にした。そして高校生になって百人一首部に入ったのが由良との出会いだった。百人一首はふつうにB級だった私と違い、由良はA級で名人の唯一の孫だった。由良は私の事を見下し、いじめが始まった。彼女の家はものすごく裕福で、学校での行事は彼女の両親のおかげでこんなにもさかんなんだと先生が言っていた。もちろん取り巻きもいて、先生も誰も逆らう事は出来なかった。その後壮絶ないじめを受けた。その後百人一首部をやめ、由良から距離をおいて、高校を卒業した。大学はなにもなく順調に終えた。その後、伝統ある和菓子の会社に就職し、和菓子職人になった。しかしそこに兄がいた。そこから連絡をとるようになり、由良と結婚し、奏楽が産まれたと事を知った。しかし子供のころからの兄の性格は変わってなかった。それに連絡はとってるとはいえ、許したわけではなかった。ただ兄弟だから連絡を取っている。それだけだ。由良の事もゆるしていない。向こうも怪しい謝ってこない。その事について話したら私が悪かったみたいな事を二人でいってくる。奏楽は可愛かったがドナーになろうという気にはならなかった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ