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まずはこの世界の説明から

　まずはこの世界の説明から始めよう。

　普通に地上があり、海がある。

　そして、空には天界があり、瘴気に満ちた谷底には地界がある、らしい。

　伝説では、天界には天使が、地界には悪魔が住んでいるとの事だ。

　我々普通の人々は、普通に地上に暮らしている。

　それは別に、太古の神々に定められたから、とかいう理由ではない。

　ただ、空に行く術がなく、瘴気に身体が耐えられないというだけだ。

　しかし人々は、太陽の光が射し大地の恩恵を受ける恵まれた地上に住まっても、まだ見ぬ世界に憧れがあるらしい。

　天界に行きたいと空を飛ぶ道具を作ろうとし、瘴気に潜り込もうと防御護符を開発しようとする。

　どちらもまだ成功したという話は聞いていない。

　噂でしかない天界と地界が、本当に存在する事を僕は実は知っている。

　もちろん行った事はない。

　あると思い込んでいるだけの訳でもない。

　ただ、天使と悪魔の友達がいるだけだ。

　誰にも内緒の話だけど。