最後の戦闘
竹部は、零戦勝手がやや違う、二式水戦の操縦に苦慮していたが、何とか機体を安定させサイゴンのツドウム基地を目指した。
ここいらで、一番大きな航空基地だった。
おそらく、昼間に村に機銃掃射をかけた機体があるはずだとにらんでいた。
明確な命令ではなく、私怨と言った方がよいと思った。
竹部には、軍隊に入ってから明確な意思があった。
それは、命令であっても民間人には銃を向けないというものだった。
中には、面白がって民家に機銃掃射をする輩もいたが、竹部は決してしなかった。
軍隊に銃を向けても、それは戦争をしているのである。
しかし、武器持たない民間人に対する攻撃は、許されるものではないと思っていた。
それをやってのけた、奴を許すことはできなかった。
ましてや、日本の航空機でやってのけたのだ。
竹部は、スロットルレバーを握りしめ全速をだした。
カムランから、サイゴンのツドウムまでは、300km弱の距離だ。
基地上空を低高度で旋回すると、一式戦が機駐しているのが確認できた。
竹部はスロットルレバーの機銃ボタンを押して試射をして、背面降下から一式戦に20mmと7.7mmをたたき込んだ。
航空機による攻撃を予測していなかった基地ては、次々と火を噴く一式戦をみて騒然となっていた。
機関砲で攻撃してきたが、竹部はひるまずに狙いを定めて機駐してあるある6機の一式戦全機を炎上させた。
全機破壊を確認して、竹部は機首を洋上に向けた。
乗りなれた零戦に、もう戦争へ加担して欲しくなかった。
竹部は、ベトミンが実行支配するするハノイ付近まで飛ぶと、海岸近くの洋上で二式水戦の燃料タンクに火をつけて、自沈させた。
そして、自分の痕跡をけして、闇に溶け込んだ。
この物語は、フィクションです。
一部は史実に基づき書いていますが、二式水上戦闘機と一式戦(隼)の戦闘はありません。また、村を機銃掃射するような史実もありません。
ただし、二式水上戦闘機1機と一式戦が鹵獲されて使用されたことは、かかれています。
さて、物語も終盤です。まもなくエピローグを迎えます。
どんな,終わり方をするのかまだ結論が出ていません。
当初は二万字程度で終わる予定でしたが、思いのほか毎日書いてしまいました。
もう少し,お付き合いください。




