プロローグ
時間は、偉大な治療薬だと人は言う。神は人に忘れるという機能を授けた。忘れることで精神の崩壊を防ぐと・・・・・・。
人は忘れないように、記録を残した。その記録さえも人は葬り去ろうとする。都合の悪いことは、捻じ曲げてまたは、破壊して。
同じ間違いを繰り返そうとしている。
何度も、何度もさけんだのに、それを無視して、人は同じ行為に走る。
人は、死ぬために生きているのではない。誰しもが理解していることだ。
それでも、死に向かって生きなければならない時代があった。
無理やり理屈をつけて、美辞麗句で飾り立て自分を騙して生きなければならない時代があった。
人の命が、紙切れよりも軽い。
人が死ぬことが、日常茶飯事。
死ぬことに慣れすぎて、感情が麻痺していく。
そんな時代に、必死に生きた人たちがいた。
半世紀以上年の時を超えて、出会う二人がたどる、過去の時代への邂逅。
2001年9月11日 午後10時ごろ
竹部は、何気なしにテレビをつけた。
衛星放送のNHKのニュースが、台風情報を伝えていた。
80歳を超えて目も耳も弱ってはいたが、畑仕事で鍛えた体で足腰は達者だった。
寝酒にとコップに焼酎を次いで、一口飲んでテレビに画面を見ると、どこかの高層ビルの火災現場の映像が映し出されていた。
次の瞬間、竹部はコップを床に落とした。
竹部の手がワナワナと震えだし、その場に座り込んだ。
飛行機が、水平にビルに突っ込んだ場面が映し出されていた。
竹部は、呆然として画面を眺めていた。
悪夢を見るように、右肩の古傷が痛んだ。
「馬鹿やろう」
竹部はつぶやいた。
竹部の脳裏に、過去の記憶が引き戻されていく。
オイルの焼ける音と、エンジンの音。
そして、花浅葱色(Cerulean Blue sky)の空が広がっていた。
昔から、戦記が好きで読みまくっていました。でも、大人になり史実を紐解く決して勇敢な事ばかりではない史実があることが分かりました。
どう書けばいのかよくわかりませんが、とにかく書いていこうと思います。
なるだけ史実に基づいて書いていこうと思います。
また、読んでください。
何かを感じてもらえたらそれでいいと思います。




