いざパトリックワールドへ!
俺の停学初日は夢の中だ。今俺はエクセリアの作ったシミュレーションの中で修行中だ。
その修行で俺はある一つの真相に辿り着いた。
明晰値には個人の得意、不得意があるようだ。幾つかのジャンルに別れている。
まぁテンプレだが。火、水、風、雷、土、他にも色々あるらしいが俺がイメージ出来るのは火と風と土だった。水だけはどうしても発動出来なかった。
雷はもう少しで何かつかめそうだ。
それから俺は限界値を調べる事にした。
最大威力と技の維持だ。これを知ってると知らないでは雲泥の差だ。
どうやらこの世界では夢値の事を夢力と言うらしい。だから俺も夢力と言うことにしよう。
はぁぁああ‼手を上にかかげありったけの夢力を込める。イメージは…太陽だ‼
手の先から巨大な火の塊が出来た。大陸一つは埋め尽くせそうなほどでかい火の球だ。だが失敗した。これじゃあ隙だらけでなおかつ技にスピードがない。威力はあってもこれではダメだ。しかし、これだけで十分過ぎる夢力を持っている事が分かった。後これを5.6個作れそうだ。
確かに俺、強いな。
技の改良は後にしよう。次は技の維持だな。
維持と言えば耐久力だ。今回は体の廻りに風の鎧を纏う。
もちろん全力で。かれこれ10時間維持しながら実戦しているが、尽きる気配は一向にない。うん。これは辞めよう。
これである程度俺でも戦えそうだ。
と言うより俺強くね?
「そろそろ良さそうですね」どこからかエクセリアが俺に話かける。
「それでは行きましょう」
また辺りが真っ白になる。眩しすぎる。
思わず俺は目を瞑り。暫くしてから目を開ける。
俺は驚いた。案外普通に木とか水とかある世界であることに。そして目の前にそびえ建つ城だ。俺は門の前にいた。
「で、でかすぎるぜ。」
なんか門番見たいな奴ら二人が俺の方へ全力で走ってくる。
「貴様!何者だ!」
おいおい。待ってくれよ。いきなり不審者かよ。少しカチンと来た俺は
「てめーらが何者だ!!」と両手から火の銃を造り5.6回回しながら構えた。ついでにカウボーイハットなんて乗せちゃってね。
「なんだ!やるつもりか!捕らえろ!!」
そう言って俺に飛びかかってくる。
正直、秒殺出来る。
だが冷静に考えた。
待てよ。俺こいつら殺しちゃったらいきなり王国と戦争か。生きていける気がしない。
こっちの世界へ来て20秒で罪人はごめんだ。
俺は作った銃をマガジンホルダーにしまう。イメージをしながら。
出てくる訳なかったからそのまま銃を消した。そして素直に取り押さえられた。
「貴様!どこからどうやって来た!」
一人の兵士がそう言うと
「まさか!?こいつ」
ああそのまさかだよ‼この世界を救いに来たman of steel だよ。
「バンナルダの手先か!」
おい。誰だよそいつ。まぁ恐らく敵だな。
「とりあえずこいつは牢に入れておこう!」
「え。あ、あの俺は!」
っドガ!
顔どつかれた。
「うるさい!黙れ!!」
理不尽じゃないか。あんまりじゃないか。
そのまま後ろに手を回され縛られる。
簡単に外せるけどあえてそのままで。
王宮に入った。一言で言えば…スペインの世界遺産だな。行ったことねーけど。
いや、それどころじゃなかった。
でか過ぎる扉の前にたたされて
ひれ伏せ!と怒鳴られたからひれ伏した。
両サイドの兵士達は膝をつけ下を向いている。続けて一人の兵士が話す。
「女王様!!たった今門番を務めていたところ、不審な男がおりましたので連れて参りました。いかなる罰を与えましょう。」
いきなり。罪人じゃねーか。
突っ込みたくなるが黙っておく。
扉が開き。だれかが歩いてくる。
俺の前でとまり。
「貴方様は何者でございますか?」
だいぶ柔らかい声だ。そして可愛いらしい。懐かしい感じの声。もっと聞きたい。もっとしゃべってくれ。
そう思い俺は話す。
「お、俺、いや、私は」そこまでいいかけると
女王様が話す
「もしかして、貴方様は!」
あー。なんだっけ?バンナダル?の手先じゃねーよ。俺は。
だがその先は以外な言葉が出てきた。
「夢島 神 様ですね?」
え?俺は思わず見上げた。だが更に驚いた。見上げた先には髪や服装は違えどそこにいたのは妹だった。
目を疑ったよ。最愛の妹が夢の中にもいるんだからね。
「あ、あれ?芽亜?どうして?」
俺の動揺は隠しきれていない。
「現世での私はそう呼ばれているのですか?」
ん?なんかおかしい。
「現世での私って事は現世とここの人物はリンクしてるって事??」
女王様はこう話す
「はい。ですが貴方の様な夢をコントロール出来る人物はリンクしていません。こうして夢士となって来ることしかできないのです。」
なるほど。しかし芽亜がこっちでは女王様か。いつもと違う芽亜を見れて俺は興奮してる。
ん?んん??待てよ。てことは俺と女王様は兄妹ではないと言う事か。
いつの間にか俺は変態の顔をしていた。
いやいやいや、兄妹ではないと言っても顔は妹だし女王様だ。
女王様に手なんて出したらそれこそ罪人だ。即刻死刑であろう。
「私の名前はグラン・エクセリア3世。この国の女王です。」
「え。え?エクセリア?どういう事?」
だってエクセリアって女神なんじゃないっけ?
「こちらの方はエクセリア家の3代目の当主でおられます。」
女王様の側近見たいな 七三に分けた髪のインテリみたいなちょび髭じいさんがそう話す。
「きっと貴方の事を初代様が導いてくれたのでしょう。長い間お待ちしておりました。夢島様 お部屋を用意しております。今日はゆっくりおやすみ下さい。」
部屋まであるのか。VIP待遇だ。
そうだな。驚きばかりで疲れたな。
少し休むとしよう。
そうして俺のパトリックワールドの初日は火蓋を切って落とされた。
8話おわり