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カオルと…
「な〜んちゃって!」
「へ?」
カオルが笑顔になった。
「だって、ああでも言わないと、由貴、あなたをはなさないでしょ?」
「おい、おい…」
これを知られたら、また由貴が…。
「ねえ、遊ぼうよ」
「遊ぶ?」
「だって、私、外のこと、よくわかんないんだもん。案内してよ」
それから僕らは、街をぶらついた。アクセサリーや、洋服を見て、カオルは無邪気に喜んでいた。
遊び疲れて、ベンチ。
「あー、楽しかった。スマホの中にいた時は、外の世界がこんなに楽しいなんて想像つかなかった〜。ありがとう!浩生」
カオルがほっぺにキスした。
へ?
な、なに、このムード…。
僕らは口を近づけていた。
カオル…。
「なにしてんのよ!あんたたち!」
聞き覚えのある声がとどろいた。
由貴だ!まずいよ〜!