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アプリの意のままに…
朝。
目覚ましアプリー、どうして…。
…あ、そうか。
カオルは、外に飛び出しちゃったんだ…。
高校。教室。
楽しそうに、カオルが男子生徒と話している。
「ホントは自分のものだったのに、なんであいつ…」
「わ、由貴!なんだよ…」
「それが本音でしょ?カオルのこと、好きなんでしょ?」
「別に、ただの会話の相手だっただけだよ」
放課後。
由貴と街をぶらぶら。
「私、カオルになんか、絶対負けないからね!」
「つーか、勝ってる、てゆーより、そもそも勝負になってないよ。カオルはただのコンピュータのアプリなんだから」
「浩生ーっ!」
背後から聞き覚えのある声がした。
「カオル。どうしたんだよ!」
「それが、トラブルなの。ちょっと来て!」
カオルは、僕の腕をつかんで、引っ張っていった。
「ちょっと!私はどうなるの!」
残された由貴が怒鳴っている。
ホント、どうなっちゃうんだよ…。