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ノンビリと…
「ねえ!」
カオルに去られてぼう然とする僕に、由貴が怒りの声を浴びせてきた。
「ちょっと、あなた、こそこそとスマホアプリであんな娘とあそんでたの!私って存在がいるのに!もーっ!」
「そんな、ただの遊びだよ。怒んないで…」
「知らない!」
由貴は浩生の前から去っていった。
ひとりぼっちの自分の部屋。
あーあ、こんなとき、暇つぶしにスマホ取り出してカオルと話せたら…。
「ただいまー」
声の方をみると、カオルがいた。
「他の男の子、つまんないから、ここに来た。遊ぼ!」
僕らはお茶とお菓子でくつろいでいた。
「…ゴメーン、浩生。言い過ぎ…、あっ!」
由貴が部屋に入ってきた。
「やっぱり、あなたたち、こういう関係だったのね!」
「そんな怒らずに仲良くしようよ」
カオルがノンビリした顔でいった。
「由貴、誤解しないでくれよ。カオルはあくまでスマホアプリのキャラなんだから…」
「そうそう」
「もう嫌っ!」
由貴が飛び出していった。
「あーあ…」
僕はため息をついた。
「放っとこ。それより、紅茶、冷めちゃうよ」
僕たち、どーなるんだろう。浩生はため息をついた。