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転校生
次の日、教室。
「今日は転校生を紹介する。杉山カオルさんだ」
カオルがドアから教室に入ってきた。
「カオルです。よろしく…」
シーン…。
昨日の一件でみんな、引いている。
昼休み。
「カオル。どういうことなんだよ?」
「それが私、あのおばさんの娘ってことになって、ここに生徒になることになったの。わたしもよくわかんないんだけど…」
由貴がやってきた。
「昨日の娘ね!浩生はぜったいにわたさないから!」
「いーよ。わたしも別に…」
…え?
「だってわたし、この世界を自由に楽しみたいし、好きで浩生のアプリのキャラやってたわけじゃないんだから」
「カオル、だってお前、僕のスマホのキャラだろ?」
由貴が怒る。
「あーっ、やっぱり彼女がいいのねーっ!」
由貴がを無視してカオルが言った。
「とにかくわたし、自由なんだから。じゃあ、バイバイ!」
そう言って、カオルはどこかに行ってしまった。
怒りに燃える由貴と、僕が取り残された。