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ぼよよよよーん
「おはよう」
「…」
「オハヨー!」
カオルはやっと目を覚ました。
「なんで、スマホアプリが、目覚ましの役を果たさないんだよ。第一、目覚まし時計の目を覚まさせるって、どういうことだよ!」
「ゴメーン!確かに、なんかおかしいんだよね。ヴァージョンアップでなおるよ、きっと」
プツッ。アプリ終了。
さあ、飯食って高校だ。
浩生は大急ぎで登校路を走った。
教室、授業中。
あーっ、つまんねー授業。カオルとでも暇潰すかな?
僕は、スマホの電源をオンした。
ぼよよよよーん…
女の子が目の前に現れた。
どこかで見たような…
…カオル、?
スマホアプリのキャラ、カオルらしき女性は、あたりを見回して、慌てて教室から出て行った。
…静寂の教室。
「…知り合いかね?浩生くん」
「…た、ぶん…」