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奇妙な一行 その5

「き、君は本気で言っているのか!?」

ホークの”結果オーライ”という発言にステラは愕然とした。

「聖王か、魔王様か、わからないからとりあえず、分かりそうな人物の元に送った——しかも、ともすれば敵地の真っ只中になりそうな聖都に……そう言っているのか?」

「あー……そう言われると、そうかも知れない」

ホークが苦笑で応じる。

「……ステラ、団長もコレと同じ。基本的に何も考えていない」

シグナスがフォローになっていないフォローを入れる。

「……ち、父上はこんな計画性のない人間たちを信じたのか……」

ステラの頭にはヒヨコが数羽飛んでいた。


「……確かに、コイツの計画性のなさは群を抜いてるわね……」

横にいるクリスは身にしみて知っている。

「ま、まぁ……そういう無鉄砲さは……き、嫌いじゃないけど」

狭い馬車の中で誰も聞き取れないほど小さく呟いた。


「まぁ、俺たちは聖魔戦争を終わりにしたいと思っている。その過程で聖王も、魔王も一緒にいるってのはいいことじゃないか?」

ホークが強引に場をまとめようとする。

「いいや、そんな考えは良くないよ!」

「そうだ!間違っているよ!!」

突如、七海、クリスの頭の上に二匹のイタチが現れる。


「!?何だ!?コイツら!?」

初めて見る生物にホークは面食らった。

「おいおい、君も勇者になったんだから、僕のことくらい知っておいてもらわないと困るな……」

クリスの頭の上のイタチが答える。

「僕は聖王のインストーラーにして光の導き手、ブラ……」

「紹介するわ。私のペットのシロよ」

シロが自己紹介をする前にクリスが強引に語る。

「——ぼ、僕には自分の名前すら語る自由が与えられていないのかい……?」


「ふふっ、そちらは随分と酷い扱いのようだね。僕はシュバルツ七海の——」

「シグナスの、ペット——」

シュバルツが言い終わらないうちに彼はシグナスの腕の中にあった。

「ちょ、ちょっと!違う!」

シュバルツが暴れるがシグナスの抱きしめる力が強く身動きが取れなかった。


「で、なんなんだ?この喋るイタチどもは?」

「インストーラーは……魔王……おそらく聖王もなんだと思うけど……転生してきた王様をこの世界に適応させるためのアドバイザー……で、いいんだよね?」

七海が横で抱きかかえられているシュバルツに問う。

「そう!僕らは王の導き手なんだ。」


「だからこそ、僕は王を正しい道に進ませなければ……」

シロが得意げに言った。

「君らは人間だろ?人間は魔族と戦うって決まっているんだ!ホーク、君は勇者なんだろう?今すぐ、この貧弱な魔王を殺してしまいなよ!」

「な、なんだと!?聞き捨てならない!」

ステラが再び立ち上がる。

「マスタはー今は貧弱かもしれないが、きっといつか出るとこは出て、シュッとしまるところは締まる……」

「ちょ、シグナスさん!?」

魔族主従の漫才を他所にシュバルツは囃し立てる。

「そうだ、ステラ!君も使徒になったんだから、勇者も聖王も殺してしま……えっ!?」

言い終わらないうちにシュバルツはシグナスに締め上げられていた。

「……ケンカ、ダメ。絶対」


「ってか……ステラが使徒……なのか……」

聖王に対し勇者がいるように、魔王に対しても勇者に相当する戦士がいる。

それを、使徒と呼んだ。

魔神と使徒は区別がつきにくい。魔神は力のある魔人のことを指しているからだ。

使徒となれば、魔神クラスの魔力・戦闘力が与えられる。

そういう意味において、すでにステラは魔神であった。


「今この空間で殺し合いをすれば、生き残った方の陣営が聖魔戦争の覇者となれるんだよ!」

シュバルツ、シロが同時に声を上げた。

「だから、殺し合おう!」


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