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奇妙な一行 その3

「わ、私は——私は——魔王ですっ!」

七海の思いがけないカミングアウトに一瞬、馬車の中に静寂が訪れると……


「七海!それは内緒にしないとダメ!」

「マスター、正気ですか!?人間の、しかも聖王の目の前で——」

両脇の女子の悲鳴でそれは破られた。


だが、一方のクリスも呆気にとられている。



——魔王って、魔族の王様よね?

昼間にアタシを襲ってきた一つ目の怪物や、翼の生えた兵士たち……

どんなモンスターが魔王かと思ったら……目の前にいる華奢な女の子が魔王?



「ったく……これじゃラチが明かないな……」

堪りかねて、という感じでホークが割って入る。


「——あれ?ホークさんは驚かないんですか?」

以外にも冷静なホークに七海の方が驚く。

「ああ——。こいつが、聖王だってわかった時点で、お前が魔王なのは分かったからな……」

そう言って、ステラの方を見る。

「そうだろ——星空の魔人さん?」

「……」

ホークの問いにステラは無言で答えた。


「ちょっと……状況が全然つかめないのだけれど……」

ホークの横でクリスが頬を膨らませて抗議していた。

「順を追って説明しようか」


今年の再臨祭を前に聖魔両王が転生することは予め分かっていた。

それを風の旅団に伝えに来たのが<星空の魔人>と呼ばれるステラであったのである。

ステラは魔人でありながら、人間と魔人の戦争を終わらせたいと願う数少ない穏健派の勢力だという。

ステラは最初、旅団長であるフレデリックを頼ったようだ——なんでも、ステラの父とは30年前の聖魔戦争で知己となったらしい。


「——って、俺は団長(オヤジ)から聞いてるんだが、合ってるよな?」

「ああ、大まかには……」


聖王か、魔王か、どちらかはわからないが、その候補者が転生する大まかな場所は分かっていた。

だから、あの夜、それを捜索していたホークが七海を見つけた、というわけだ。

荷物(パッケージ)とは、聖魔どちらの王か不明であるため、つけられたコードネームだった。



「私が魔王だったら、どうしたんですか?」

七海は自分がおかしな発言をしたことに気づいて真っ赤になる。

「あ——その、魔王なんですけど……」

「それは、私から説明しましょう」

ステラがにっこりと七海に微笑みかける。


荷物(パッケージ)が聖王であろうと、魔王であろうと、我が父、エルヴィン公が保護して魔族と戦う事を企図していたのです」



——魔族が、魔族と戦う?


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