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ミラクル・キス その5

 はぁはぁ……っ……


 息が上がる。七海はシグナスに手を引かれ、路地をジグザグに走っていた。

 人ごみに紛れ移動している最中に空が黒く染まった。

 大挙して龍が現れ、甲冑に包まれた兵士たちが降下してくる。聖都は怒号と悲鳴で満たされている。


「七海……大丈夫……?」

 シグナスが振り返って聞く。シグナス自体も走るのはあまり得意ではないようで、苦しそうにしていた。

「うん……何とか……」

 答えつつ、もう限界を感じていた。酸欠でめまいがする。今すぐ倒れこんでしまいたい。そう、思った刹那――

 ドンという爆発音が響く。走っていた二人に横殴りの爆風が押し寄せ、七海は壁に叩き付けられた。


「あ……、うぅっ……。」

 小さく呻き声が漏れる。息ができない。目の前が真っ白になる。

「……龍……。大きい……。」

 そこには灼熱のように紅い龍が立ちはだかっていた。爆風は龍が吐き出した火球が建物に当たって爆発したもののようであった。そこかしこで火の手が上がっている。


 火龍(かりゅう)――。降下猟兵を運ぶトカゲ様の竜とは違いこの獰猛な爬虫類は戦闘兵器として用いられていた。一つの意思を持った殺戮兵器として投入される。

 身体中が固く、燃えるように熱い鎧状の鱗に覆われており、最も戦闘力の高い魔獣として恐れられていた。


 もう、今回は本当にダメなのかも……。


 シグナスも衝撃で吹き飛ばされ、意識を失っていた。

 七海があきらめかけた時、目の前に白い羽根がふんわりと舞い降りると、その羽根が一陣の風に舞いあがった。

 次の瞬間、火龍の頭が首から離れ、地響きとともに転がる。


「ステラさん!」

 七海が見上げると、そこには優しく微笑む、頼もしい騎士の姿があった。


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