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空襲 その2

「我々は彼女さえ手に入れば、君の身柄を解放することは何の不都合もない。」

「……」

 ホークは答えない。

「こんな俗物と取引する必要など……、さっさと拷問でもして口を割らせれば……。」

 ホークに切りかかった男が語気も粗く、司祭に詰め寄る。


「滅多な事をいうものではない。」

 先ほどの聖職者スマイルのまま、司祭は微笑みかける。

「彼は聖都を魔族から守る旅団の大隊長……お若いのに確か、大佐……でしたかな……?士官に対して滅多な事を言ってはいけませんよ。」

「その士官様を柱に縛り付けるのはどういう了見なんだ?」

 ホークが司祭に向かって言葉を投げかける。

「……まぁ、それはいいとして、彼女(パッケージ)はどこにいるのですか?」

「無視かよ!」

「無視をしているのは貴様のほうだろうがっ!」

 横に立っていた男が錫杖でホークの頬を打つ。


「……」

 ホークは無言で口の中にたまった血を脇へ吐き出すと、正面の司祭を睨み付ける。

「これこれ、暴力はいけませんよ。」

 ニコニコと微笑みながらも、その表情の奥には怒りが露わとなっている。

「あなたも薄々は感じているのではないですか?彼女(パッケージ)が何者であるか。」

「……」

 ホークは答えない。

「……いいでしょう。それでは、我々が掴んでいる情報も少し開示しましょう。」

 司祭は立ち上がり、ゆっくりとホークに近づく。ホークの目の前まで来ると、身をかがめ、ホークの目を見つめながら言った。


「我々は……既にもう一つの荷物(パッケージ)を回収しているのです。」


 ホークは無言で通した。しかし、明らかに空気が変わったことを司祭は感じ、満足したようだった。


「……おや、何を意味するか、理解できたようですね。さすがは賢明だ。」

 ゆっくりと立ち上がり、先ほどまで自分が座っていた椅子に向かって歩みを進める。

「ならば、何をためらうというのですか――」

 司祭は椅子の背もたれに手をかけると背中を見せたまま言い放った。


「――彼女を手に入れれば、世界は変わるのですよ。」

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