空襲 その1
何かがおかしい。
世の中、何かが間違っている。
後ろでに縛られ柱にくくりつけられているホークはブツブツ呟いていた。
空から少女が降ってきた。そう書くと、どこかの名作映画の様だが、現実はパズーの様に甘くはない。
ホークは数mの高さから降ってきた40キロはある物体に押しつぶされた。
片方の頬に冷たい地面を感じ、もう片方は暖かく柔らかな尻に敷かれていたのである。
「いったーーーーーい……」
上にのしかかる物体が声を上げた。
目の前に白くしなやかな指が降りてくる。そいつは自分の尻を撫でていた。
「下が柔らかくて助かった……」
呑気にそんなことまで言いやがる。
「安心してるとこ申し訳ねぇんだが、その重いケツをどけてくれないか?」
その一言がいけなかったらしい。
「な、な、何よこれーっ!?」
自分が男の顔に座っていたのと、その男から重いと言われたことに逆上し、クリスは真っ赤になった。
そして、おもむろに立ち上がり……
なぜ、俺は踏みつけられねばならなかったのか……
ホークはクリスに何度も何度も踏みつけられていた。
そして、仕上げに……
「この変態を捕まえて!」
自分からケツを差し出しといて、捕まえろと言うんだからな……。
だから、女って生き物は……。
クリスはホークの身柄を差し出していた。
終いには涙目で金切り声を張り上げたため、教会中の僧兵が集まったのか、もの凄い人だかりができていたのである。
背後は高い塔のそびえ立つ教会の壁。
周囲は立錐の余地なく敷き詰められた僧兵。
さすがのホークも観念せざるを得なかった。
いや、やってやれないことはなかったんだ。あんな雑魚いくらでも相手に……
「おい、さっきからブツブツうるさいぞ。」
見張りの僧兵が声を荒げる。
「他にすることもないんだから、いいだろ!」
ホークは僧兵に向けて唾を吐きかけた。
「することはあるだろう。早く荷物の居場所を教えてもらえないかね。」
先ほど争っっていた司祭が言う。
司祭は深く椅子に腰かけ、その脇を聖衣をまとった男達が固めている。
「我々は彼女さえ手に入れば、君の身柄を解放することは何の不都合もない。」
恐ろしくにこやかな聖職者スマイルで、司祭は取引を持ちかけてきたのであった。




