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聖都 ヴェストファーレン その3

(3)

 男たちが振り返るとそこにはホークの姿があった。

 どこで着替えたのか、追手と同じ白い外套を羽織っている。

「なっ!?なぜ、お前が聖衣(ローブ)を……!?」

 真っ白な外套は高位の聖職者が羽織るローブで有った。世俗の者が簡単に入手出来る代物ではない。

「ああ、そこの親切なお坊様が恵んでくれたのさ。」

 そう言って指差す先にはゴミ捨て場に無残にも身ぐるみを剥がれて下着姿で転がっている彼らの仲間の一人であった。


「さて、聖都のど真中で、偉いお坊様に付け回される理由が知りたいねぇ。ねぇ、迷える子羊の疑問に答えてよ、司祭様(プリースト)……」

 ねっとりと、覗き込むような目でリーダー格の男を覗き込む。

 男は初老過ぎの白髪で、肌の色艶の割りには皺が深く刻み込まれている。

 フードの胸元には白金に輝く十字架の首飾りが覗いている。それは紛れもなく高位の聖職者が持つものであった。


「そもそも、あんたらどこで荷物(パッケージ)の情報を……」

 ホークがそう言いかけたところで男の一人が声を荒げる。

「我々が正教会の者であると分かっていて刃向うつもりか?大人しく、荷物(パッケージ)を渡せ!キサマの仕事は我々に荷物(パッケージ)を届けることのはずだ。」


「確かに、俺の仕事はあのガキを教会に渡すことだったんだが……、あんたら、本当にその引渡先かねぇ?

 後ろ暗くないところがあるなら、普通、堂々と言ってくるだろう?」


 聖教会。聖都の人々、聖王国、そして、この人間世界では唯一絶対の宗教として、それは存在していた。

 唯一にして絶対の存在である聖王を信仰の対象としており、聖王不在の王政を補佐する役割も持つ。

 だが、元々は魔族と戦うために千何百年か前の聖王が組織した対魔族の宗教騎士団であった。

 聖王国には聖教会とは別に、聖王を直接警護し、聖都周辺を守備する近衛騎士団、(聖王国近衛第一師団)がある。聖王の守護を目的としながら聖職者の集団と世俗の集団で対立する事もしばしばであるという。


まぁ、要するに、聖職者といいつつ、戦闘集団でもある。

「お、おのれ!俗物がっ!!」

自然と、その幹部ともなれば気性が荒かった。


先程まで怯えていたはずの男が短剣を抜き放ち、ホークに襲いかかる。

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