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勝敗の行方

 平原に向けて降り注いでいた魔法砲撃はいつしか散発的なものになっていた。

 代わりに森に向けて幾筋もの怪しげな光が注がれ、次の瞬間には赤い炎となって木々を粉々に砕いている。


 魔族の陣営から反撃の砲撃が始まっていた。

「け、結界展開っ!早く、早く!!」

 マイナが慌てて小隊を指揮している。

「あんな怪獣がいるなんて聞いてないです……」

 散々砲撃を浴びせたために、こちらの位置は向こうに把握されてしまっている。

 急いで移動しなければ、もっと激しい反撃を受けることになるだろう。


「もー、あのボンクラは何をやっているんですか……。本当、死ねばいいのに……」


 当のホークボンクラは正に死の淵にいた。

 ゆっくりと魔人の指揮官が近づく。

 だが、それを妨害すべく、数本の矢が指揮官を襲った。


「無駄なあがきだ。」

 魔人はこともなげに鎧で弾く。

 その間にも、歩兵がホークを救出しようと駆けつけていた。


「隊長、ここはいったん下がりましょう。」

 意識も定かでないホークをかばって一人の兵が前に出る。

「……ティットか……」

 ホークは両脇を兵に抱えられてようやく立ち上がるという有様だ。


「逃しはしないっ!」

 指揮官が剣を一閃すると衝撃波が彼らを襲う。

 ホークとティット、そして援護に駆け付けた兵士はその衝撃派でぬかるみに叩きつけられた。

「……くっ……」

 ホークは懸命に立とうとするが、頭を打ったのか、足ががくがくと痙攣し、うまく立てなかった。


「貴様らがしてくれたように、我々も貴様らを焼くことにしよう……。結界獣を前に出せ。」

 指揮官の声に慌ただしく魔人たちが鞭を振り上げる。

 十体以上の結界獣が照準をホークたちに合わせていた。

「なかなか、楽しかったぞ、人間ども。」

 ニヤニヤと笑みを浮かべると大仰に腕を前に振る。

一斉ほうげファイエ…………」


呪縛結界バンネン


 指揮官よりも早く、やや甲高い男の声が響いた。

 同時にすべての結界獣の足元から黒い魔方陣が出現し、地面から鎖が表れてがんじがらめにした。


 ゆっくりと紫色のマントに身を包んだ小柄の男が前に歩みを進める。

 ニコニコと笑みを浮かべるそれはどこかうすら寒い印象を与えた。


点火ファイエル


 強く短い言葉の後、杖を地面にトン、と突き立てる。

 刹那、捕縛されていた結界獣達が火柱に包まれた。

 叫び声を上げる間もなく、哀れに灰となっていく。


「……ロシェ、遅いぜ。」

「主役は最後に登場するものでしょう?」

 ホークが恨めしそうに言うと、常に微笑みを浮かべるロシェが振り返った。


「さて……、ここで貴方に二つの選択肢を与えましょう。」

ロシェはゆっくりと歩を指揮官の方に進める。


「ここで死ぬか。それとも、魔界へ撤退するか。どちらをお望みですか?」

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