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海の月  作者: ゆー
12/13

入社と入学

今年は暖かったらしく、早くも桜が散り緑が多くなり始めた4月のある日、俺は勤務先である"五十嵐保険"へ初出勤した。

五十嵐保険は大手保険会社の下請けをする会社で、社員は30人程度と、さほど大きな会社ではない。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


バタバタの初勤務を終えた俺は、会社の近くにある居酒屋で歓迎会を開いてもらっていた。


「「カンパーイ!!」」





今年の新入社員は俺を含めて2人で、もう1人の新入社員である宮中(みやなか) 早姫(さき)ちゃんは、先ほどから男性陣に話しかけられチヤホヤされている。


俺がそんな光景を見ながらボーっとビールを飲んでいると、俺より若そうな小柄で可愛らしい女の子が話しかけてきた。


「鳴瀬さん、隣いいですか?」


『ああ、いいですよ。えっと、あなたは...?』


「私は坂崎 美奈(みな)です。事務やってます。年はハタチです。よろしくお願いします。」


そう言ってニコッと笑った。


『初めまして、鳴瀬悠人です。こちらこそ、よろしくね。』

俺は歓迎会が終わるまで、ずっと美奈ちゃんと会話をしていたのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

鳴瀬さんが会社に初出勤したと聞いた日から数日後、私は自宅のアパートからほど近い高校で、入学の日を迎えていた。


~♪~♪

~♪~♪


まだ新しそうな体育館の中に、入場の軽快な音楽が鳴り響く。私は親友の坂崎 友梨と同じ高校に入学できたことを喜ばしく思いつつ、少し寂しくも感じていた。

その種となっているのは母がこの場に来ていないことだ。


お母さん、大丈夫かな。

最近疲れた顔してるけど。

...お母さんに心配かけないように高校頑張らないとな。


そう決心しつつ、私は入学式を終えた。

新しいクラスでのHR(ホームルーム)を終えた私は、友梨とともに下校していた。


「同じクラスになってよかったね。」


『うん、ホントよかったよ~。』

「ところでさ、同じクラスの浅野くんってちょっとカッコいいよね。彼女とかいるのかな。」


『どうだろう。友梨、気になるの?』


「まあ、ちょっとだけね。海月は誰か気になる人とかいないの?」


『うーん、いないかな~。』


そう言いつつ、私の頭に浮かんだのは同級生でも高校生でもない人物の顔だった...。



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