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日本のゴルフ場で10か月間の実務経験 インドネシア人学生が学んだ日本の職場文化と国際的な仕事への準備

掲載日:2026/11/03

石川県加賀市 — 日本語を学ぶインドネシア人大学生が、石川県加賀市にある片山津ゴルフ倶楽部で約10か月間のインターンシップを経験した。2025年3月2日から2026年1月4日までの期間、キャディ業務とゴルフ場のコース管理業務に携わり、日本の職場文化や接客の方法、そして国際的な環境で働くために必要な能力を身につけた。


今回のインターンシップは、単に日本で働く経験を得るだけではなく、大学で学んだ日本語を実際の職場で活用する機会にもなった。特に、日常会話とは異なる仕事上の表現や専門用語を学びながら、日本人の同僚やゴルフ場を訪れるお客様とコミュニケーションを取ることが求められた。


キャディ業務を通して学ぶ接客とコミュニケーション


インターンシップの主な仕事の一つは、ゴルフをプレーするお客様をサポートするキャディ業務だった。具体的には、ゴルフクラブなどの用具を運んだり、管理したりするほか、コースの状況に関する情報を伝え、プレーが円滑に進むようにサポートした。


2025年3月の初期研修では、まずゴルフ場の各エリアや安全規則について説明を受け、キャディマスターや先輩キャディとともにゴルフに関する日本語の専門用語を学んだ。その後、4月からは先輩キャディの指導を受けながら、実際にお客様を担当するようになった。ゴルフ用具の運び方や管理方法など、基本的な業務を一つずつ身につけていった。


5月になると、先輩の指導を受けながら行っていた業務から、徐々に一人でお客様を担当する段階へと進んだ。仕事に慣れるにつれて、自分で状況を判断し、必要な対応を考える責任も大きくなった。


キャディの仕事では、単に指示された作業を行うだけでは十分ではない。お客様が何を必要としているのかを考え、状況に応じて適切に行動することが重要である。そのため、日本語で正確に情報を伝える能力だけでなく、相手の様子を観察し、先を考えて行動する力も求められた。


コース管理業務「作業」で身につけた責任感


キャディ業務に加えて、ゴルフ場の環境を維持するための作業にも参加した。ゴルフ場では、こうしたコースの維持管理に関する業務を「作業(さぎょう)」と呼んでいる。


主な作業には、プレーによって傷ついた芝生の修復、バンカーの砂を整える作業、池に入ったボールの回収、練習施設であるドライビングレンジの整備などが含まれる。これらはお客様の目に直接触れる接客とは異なるが、ゴルフ場を安全で快適な環境に保つために欠かせない仕事である。


5月にはディボットの修復やバンカーの整備を担当するようになり、6月には池の周辺でボールを回収するなど、より多様な状況に対応する経験を積んだ。また、9月にはドライビングレンジの定期的な整備や練習用ボールの回収にも参加した。


こうした作業を通じて学んだのは、目立たない仕事であっても、最後まで丁寧に取り組むことの大切さである。作業の質はゴルフ場全体の環境に影響するため、一つ一つの仕事に責任を持つ姿勢が必要となる。


季節の変化と忙しい時期への対応


約10か月間の勤務では、季節によって仕事の内容や忙しさにも変化があった。


7月はゴルフ場を訪れるお客様が増える時期となり、キャディ業務の負担も大きくなった。通常より多くの対応が求められる中で、体力を維持しながら、落ち着いて仕事を進めることが課題となった。


8月には、日本人のお客様だけでなく、外国人観光客を含むさまざまなグループを担当する機会があり、日本語を使ったコミュニケーション能力をさらに高めることができた。相手の状況に合わせて説明することや、仕事に必要な情報を正確に伝えることが、日々の業務の中で重要な役割を果たした。


一方、10月以降は気温が下がり始め、寒い環境に合わせて働き方を調整する必要があった。11月にはゴルフ場を訪れるプレーヤーが減少する一方で、コース管理などの作業が増加した。さらに12月には、乾燥した芝生の状態に対応しながらドライビングレンジの整備を行い、キャディマスターとの業務評価にも参加した。


このように、季節や業務量の変化に合わせて柔軟に対応する経験は、仕事における適応力や継続的に努力する姿勢を身につける機会となった。


言葉や文化の違いを乗り越える


外国で働く上で、言語や文化の違いは避けられない課題の一つである。今回のインターンシップでも、日本語の専門用語や職場で使われる指示を正確に理解することが重要だった。


こうした課題に対応するため、仕事で使用する専門用語を書き留めたり、先輩の行動を観察したりするなど、日々の業務を通して理解を深めていった。実際の仕事では、教科書で学ぶ日本語だけでは対応できない場面もある。そのため、現場で使われる表現を覚え、状況に応じて判断する能力が必要だった。


また、日本の職場では、時間を守ること、周囲と協力すること、そして与えられた仕事を丁寧に行うことが重要である。特に、キャディ業務とコース管理業務の両方を経験したことで、接客の場面だけでなく、裏方の仕事にも責任感が求められることを実感した。


さらに、屋外での仕事は天候や気温の影響を受けるため、体調管理や休憩の取り方にも気を配る必要があった。こうした経験は、異なる環境で働く際に必要な準備や自己管理について考えるきっかけにもなった。


インターンシップで得た経験を今後のキャリアへ


2026年1月4日、約10か月間にわたるインターンシップは終了した。この期間に経験したキャディ業務やコース管理業務は、日本語の実践的な運用能力だけでなく、責任感、協調性、体力、そして環境への適応力を高める機会となった。


今回の経験から分かったのは、海外で働くために必要なのは語学力だけではないということである。職場のルールを理解すること、周囲の人々と協力すること、予想外の状況にも落ち着いて対応することなど、さまざまな能力が求められる。


特に、日本での仕事を目指すインドネシア人にとって、実際の職場を経験することは、渡日前に想像していた仕事と現実との違いを理解する上で大きな意味を持つ。語学学習だけでは得られない実践的な知識や、異文化の中で働くための心構えを身につけることができるからだ。


今回のインターンシップは、ゴルフ場での仕事という特定の分野にとどまらず、今後さまざまな国際的な職場で働くための基礎を築く経験となった。日本で過ごした10か月間は、仕事に対する考え方を深めるとともに、将来のキャリアを考える上でも貴重な機会となった。

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