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追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜  作者: 音無響一


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009 みーちゃんスーパーラッシュ

「ねぇねぇ!なんで素材を全部ギルドで換金しないの?」


「あのな、収納スキルを持ってる人自体が希少で、収納付きのバッグなんかも超貴重なんだ。低ランクの冒険者が持っているのはありえない。ひよりのスキルがバレたらどうなるか教えたろう」


「そうかもしれないけど、魔物の素材をスキルとはいえ、持ってるってだけでなんか嫌なの!」



もー!ナッシュくんは乙女心もJKの扱いもわかってなさすぎよ。



「まぁそう言うな。それでもかなりの金額になったぞ。まずは買い物に行こう」


「服!私の着替え!シャンプーとリンスも!」


「わかったわかった。まずはひよりのほしいものからだな」


「やった!ナッシュくんやっさし~」



やっと制服から解放されるのね。

ずっと着てたからヨレヨレだし汚れてるしもうほんと最悪だよ~







「ギルドで安い服屋を紹介してもらったんだ。ここに入るぞ」


「えー安いのー?かわいいブランド物が良かったな~」


「ぶらんどもの?よく分からんな相変わらず。今は安いので我慢してくれ」



ひよりは小さいからな。

子供の服でも入るんじゃないか?

生地が少ない方が安く多く買えるだろ。

そんなこと言ったら怒りそうだから、店の人に任せておこう。







「ふーん、ここが服屋さんなんだね。なんかダサい……」


「おい、文句言うな。ここはこの街で人気店なんだ」


「わかったよ~だ。あっ、みーちゃんあそこの服見に行こっ」



うーん、なんかしっくりこないなぁ。

でも街を歩いてる人も似たようなのだし仕方ないのかなぁ。

こんなの着てるの友達に見られたら笑われちゃうだろうけど、異世界だしいいよね。

今の私の制服姿の方が浮いてるし。







「金はあるかもだが、まだまだ買いたいものがあるから2着か3着にしておけよ」


「うーん、どれもこれも可愛くないけど、これに決めたよっ。お会計行こ!」



文句ばっかりだが、決まったなら良かったな。



「ひより、収納に入れるのはやめておけよ。見られたら困る」


「も~分かってるよっナッシュくんは心配性だな~」



いちいち言わないと不安なんだよ。

何かあって対処できなかったらどうするんだ。







「次は何を買いに行くの?」


「外でも調理できるように、道具を買いに行く」


「おっ、ついに本格的に料理人ナッシュくんの本領発揮だねっ」


「そうだ。もう俺は負けないからな……」


「どゆこと?」



ナッシュくんは何と勝負してるんだろ。

よくわかんない。

男の子のこだわりって変なの。







「どんなの買うの?」


「鍋だな。あとは食器も必要だろう」


「ふーん、その辺はナッシュくんにお任せだねっ」



ふふふ、これで俺は本領発揮できるからな。

慎重にいいものを選ばねばならんぞ。



「この鍋なんてどうだ?」


「えー、違いなんてわからないよ~」


「まぁ、そうだよな」


『キュッ!キュキュ!』



みーちゃんが何やら騒がしいな。

なんて言っているんだ。



「なになに?これ?これがいいお鍋なの?」


『キューッ!』


「うーん、私には違いがわかんない!」



こ、これは……

知る人ぞ知る、名工デラルが手掛けた品じゃないか!

俺の包丁もデラル作だ。

あのデラルの作品がなぜこんなとこに……


しかも値段が破格に安い。

偽物か?

いや、しかしこの意匠はデラルのものだ。

間違えてここに陳列されてたのか?


しかもそれを見抜くみーちゃんは何者なんだ。

くそっ、ここでもまたみーちゃんに遅れを取っているじゃないか。


悔しいがこれを買うしかあるまい。









「鍋だけじゃなくてフライパンも買うか。あとは……これとこれと。あっちも見ておこう」


「ねぇ、長すぎ!もう飽きたよ~」



しかもなんかずっとブツブツ言ってるし。


あっそうだ!

網も買ってもらお。

木炭とか売ってるのかな?



「ねーねー!網と木炭どこに売ってるの?」


「はぁ?そんなものは買わないぞ」


「え、なんで?外での料理なら絶対あった方がいいよ?」



料理が全くできないひよりが、なんでこんなことを言うんだ?


まさかひよりの国ではそれが当たり前なのか。

ここは助言を聞いた方がいいのかもしれん。



「どんな網が欲しいんだ?」


「えっとね~細かい網目状になってるやつだよ!」


「そんな細かい網目のやつなんてあるわけないだろ。それに木炭を料理に使うなんておかしな話だな」


「ええ、やっぱりこの世界は遅れてるんだ。はぁ、外で焼肉したかったなぁ……」



なんだこの落ち込みようは。

そんなに必要なものなのか?

これは鍛冶屋に頼むのもありかもしれない。

だが高くつきそうだからなぁ。


とにかく買いたいものは買えたからな。

あとはこれを収納にしまってもらうだけだ。







「ねーねー、あとは何買うの?」


「食材はひよりがいるから買う必要ないし、あとは金を貯めるしかやることはないな」


「じゃあ今日はもうおしまい?」


「俺は……修行だな」


「頑張って!」



私は宿に戻ってみーちゃんとのんびりしよっと。







「な、一緒にこないのか?」


「私が行く意味ないもん。だって料理の修行でしょ?私はできなくても問題ないじゃん?」


「そうかもしれないが……いや、そうか」



ひよりの国の技術を習得したかったんだが。

まずは焼き加減をマスターしなければならんからな。

ひよりがいなくてもなんとかなるだろう。

いっぺんに何個も覚えるのは良くないだろうしな。









「ナッシュくんは真面目だよね~私も見習わないとかな?」


『キュッ!』


「んー?なになに?そんなことしなくても、ひよりはかわいいから大丈夫?」


『キュキュッ!?』


「も~みーちゃんったらわかってる~!みーちゃんも最高にかわいいよっ」



そうそう、私はかわいいからいるだけでいいんだもんね。

面倒なことはナッシュくんが全部やってくれるもん。









ここが鍛冶屋か。

聞いた話ではここが一番腕のいいところと聞いたが。

とにかく行ってみるしかあるまい。



「頼もう」


「なんだお前は。お前みたいな若造に売る武器なんぞない。帰った帰った」


「あなたが店主ですか?俺は冒険者ではなく料理人です。相談に来ました」


「はぁ?料理人だと?俺に包丁でも作れってか?ガハハ!」


「いえ、そうではなくて……」


「ふざけてんじゃねぇ!俺のことを舐めてんのか?」


「これを見てください」


「包丁じゃねーか!こんなん見せて……ん?」


「お気づきになりましたか。名工デラルの包丁です」


「おめぇ、これをどこで手に入れた」



食い付いてくれたな。

これで話を聞いて貰えそうだ。









「みーちゃん暇だね~やっぱりナッシュくんについて行けば良かったかな?」


『キュー?』


「うーん、あっ!そうだ、あやとりしてみよう。朝はおかしなことになってたもんね。もう一度やってみよう!」



朝に使ったのは収納に入ってるから、取り出してっと。


チャチャッと作って~



「じゃじゃーん!熊手!」


『キューッ!』



みーちゃんは拍手までできるんだから芸達者なペンギンだよね。



「続きまして~東京タワー!」


『キューッ!』


「さらにさらに~オリジナルの~盾!」



なんか調子いいわね。

日本にいる頃よりスムーズにできちゃう。


朝は剣を作ってナッシュくんを切っちゃったもんね。

本当にあれはなんだったんだろう。


盾なら危なくないよね。


街で見かけたかっこいい盾をイメージして作ってみたけど、こんな簡単にオリジナルあやとりできちゃうなんてな~

昔はすっごい試行錯誤して作ってたのが嘘みたい。


この盾が本物になって、私でも使えたらいいのにな~

ってそんなわけ────









「それではあなたが……」


「ああ、俺がデラルだ。鍛冶師の名前はラデールだがな。名前を変えて、たまに調理器具を作ってるんだ」



何か手掛かりがあればと思って、修行よりも鍛冶屋に来てみたが、まさかいきなり本人に会えるとはな。



「この包丁、随分使い込んでるな。鍛治師冥利に尽きるってもんさ」


「はい、もう2年もお世話になっています」


「それで、どうやって手に入れたんだ?」


「師匠から頂きました」


「ってーことは、お前の師匠は……」


「はい、料理人のメリッサです」


「ガハハ、あの女が弟子を?それで、メリッサは息災か?」


「……2年前に病気で亡くなりました」


「そうだったのか……」


「その際にこの包丁を託してくれました」


「経緯はわかった。この場所はメリッサに聞いてたのか?」


「いえ、それが全くの偶然です。街で調理器具を買っていたら、デラル作の鍋をたまたま見つけて。それでこの街の鍛冶師からデラルの情報を教えて貰えたらと思ったんです」


「この街の鍛冶屋を何件も回ってたのか?」


「それが、まだここが1件目なんです」


「ガハハ!そりゃーすげーじゃねーか!メリッサが導いてくれたのかもな!師匠に感謝しとけよ!」



ちゃんと話せばいい人だな。

もちろん師匠にも感謝しています。

デラルさんも師匠もありがとう。









────ちょ、なにこれ?


うそでしょ。

信じられない。


あやとりしてた紐がなくなって盾になってる。

しかも私の想像のまんまの盾が手元にあるよ。

重くないし、軽々と持ててるのも意味わかんないよ。



『キュッ!キュキュー!』


「え、なに?どうしたのみーちゃん!?」



盾を構えろってこと?

なんでそんなことしなきゃなの?



「こ、こう?」


『キューー……キューーーーッ!』


「きゃっ、何するのみーちゃん!」



盾を殴った?

なんで?


でもビクともしない……

運動苦手だから筋力なんてないはずなのに。



『キュッ、キュキュキュ、キューッ!』



すんごい殴ってる、盾がガンガン音鳴ってるよ!



「や、やめてよみーちゃん!なんでそんなことするの!」



終わっ……た?



「もうしない?みーちゃんもういいの?」



なにか不満があったのかな。

この生活がストレスだったの?



『キュキュッ』


「もういいの?ごめんねみーちゃん!」


『キュー?』



え?そうじゃなくて盾がちゃんと使えるか試してた?

そんなことまでできちゃうの?


みーちゃん天才すぎるんだけど。

っていうか、盾使えるって、まじ?


これどうすればいいのよ。

私のあやとりがおかしなことになってるよ。

これもスキル糸操作の効果なの?



オラオラオラオラオラオラオラオラ!


面白いと一欠片でも思って頂けたなら、お手数ですがブクマと星評価をよろしくお願いいたします。


特に星評価をもらえると最高に喜びます。

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