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追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜  作者: 音無響一


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007 JKの特技はかわいいとあやとり

「ひより、起きろ。冒険者ギルドに行くぞ」


「うーん……もう朝?まだ寝てたいよ~」



久しぶりのベッドなんだもん、まだ寝かしてほしいのに。



「色々買いたいものもある、それにこの宿の代金も払えなくなるんだ。また野宿生活したいのか?」


「ナッシュくんが頑張って稼いでよ~私はゴロゴロするの~」



うるさいなぁ。

私はまだ寝てたいのに。








「ここの宿は1泊しか泊まれないんだ。金がなかったからな。一緒に来ないと誰かに攫われるかもしれないぞ?それに……なんたってひよりは、か、かわいいからな」



昨日考えた作戦その1だ。

こいつのかわいいを利用させてもらう。



「えー、なんで泊まれないの?ナッシュくんの力でなんとかしてよ~」


「なんとかならないから言っているんだ」


「いくら私がかわいくったって、誘拐なんてされないよ~だ」



その危険性がゼロではないから言っているんだが……


恥を忍んでかわいいと言ったのに、まったく通用せんな。


ここは作戦その2に切り替えるしかあるまい。



「ひよりが一緒にいないと、さ、寂しいんだ……」



なんて恥ずかしいんだ……

だが情に訴えるしかあるまい。

頼む、これで食いついてくれ。



「……へ?」


「ひよりがそばにいないと……お、落ち着かないんだ」



恥ずかしすぎる。

だがこれもこいつのためなんだ。

決して俺が寂しいからなわけじゃない。

断じてない。



「ほ、ほんとに?」


「あぁ、本当、だ……」



なんで俺はこんなガキのために頭を下げてるんだ。

こいつのためでもあるが、俺の料理人として高みに登るためにはひよりが必要なんだ。









「し、仕方ないな~ナッシュくんがそんなに私のこと好きだなんて知らなかったぞっ」


「は、はぁ?す、好きなわけあるか!」


「照れちゃって~でもまだお付き合いは無理だよ?知り合って間もないもん。私はそんな尻軽じゃないんだからね?」


「付き合うだ?そんなことするわけないだろ!」


「はいはい、私が可愛すぎるからいけないんだもんねっ」



びっくりした。

ナッシュくん、そんなに私のこと好きになってたの?


可愛すぎるのって罪だよね~。

でもでも、まだ私は好きになってないんだもん。

ちょっとイケメンだからって、そんなに簡単に気は許さないんだからねっ。


……ちょっとじゃないわ、超絶イケメンなんだけど。


それに背が高いとかずるくない?

あのサラサラな金髪も反則だよっ!









「そこまで言うなら一緒に行ってあげる!でも私は戦わないんだからね!」


「来てくれるならそれでいいんだ、ありがとうひより」



ギルドに行く前からどっと疲れたぞ。

なんで俺がこんなガキを好きにならなきゃならんのだ。

今は色恋よりも料理の道を極めなければならないんだ。



「ひよりは糸操作ってスキルがあるだろ。それが少しでも戦闘向きだといいんだが」


「やーだ!例えそうだとしても絶対やらないよ!」


「少しでも自衛する手段がある方がいいじゃないか。何かあった時に身を守れる術があるとないとじゃ全然違うぞ」



どんなスキルなのか気になってるからな。

糸を使うことでどんなことができるのか知りたい。








「糸だけであんな化け物と戦えるわけないじゃん!私が得意なのはあやとりだもん!」


「あやとり?なんだそれは」


「あやとりはあやとりだよ!」


「いや、分からんから聞いてるんだが……」



この世界はあやとりもないの?

むー、説明できないじゃん!

紐があれば説明出来るのになぁ。



『キュッ!』


「なになにみーちゃん?え、なんで紐を持ってるの?」


『キュキュ!キューキュキュキュッ!』


「うんうん、あそこに手頃な紐があったから持ってきたよ?もーみーちゃん天才!」


「な、ひよりはみーちゃんの言葉がわかるのか!」


「適当に決まってるでしょ!ナッシュくんのおバカ!」


「お、おバカ……」



なーに落ち込んでんのよ。

私がペンギンの言葉なんてわかるわけないじゃん。

翻訳できるコンニャク食べたわけじゃあるまいし。







「今からあやとりを見せるね。二人でやると分かりやすいんだけど、相手がいないから1人用の技を披露してあげるっ」


「そんな紐で何をするんだ?」


「まぁ見てなさいって~こうしてこうして……こう!」



何をしてるんだ?

紐が形を変えて……



「ほら見なさい!オリジナルだよ!名付けて、聖剣エクスカリバー!」


「は、はい?エクスカリバー?」


「そう、この剣でナッシュくんを切り刻んじゃうぞ~えいっ!」


「そんなんで切れるわけ……いっつ!」


「え、うそ……なんで!ごめんナッシュくんっ!」



なんてことだ、切られたぞ。

反射で腕で受けたが、血が出ているじゃないか。

腕を出していなかったら頭を切られていたかもしれない。








「なんで、ただの紐なのになんで!?ごめんナッシュくん!ごめんなさい!」



何が起きたの?

冗談のつもりだったし、紐だから切れるわけないのに。

何がなんなのかわかんないよ……



「気にするな。驚いただけだ。こんなの俺の特製の栄養剤を直接塗れば問題ない」


「え、あのまじゅいのを塗る……まじ?」


「不味いとは失礼な。ひよりが食べたのをペースト状にしたやつだ」



何あの不気味な色の瓶。

あれが特製の栄養剤なのかな。

あんなの塗るの?

逆に悪化しちゃいそうなんだけど……








「綺麗な切り傷だな。まずは水で洗うか」



傷はそんなに深くないな。

ひよりのスキルは特殊なのが多すぎだろ。

俺の知らないスキルだらけでどうしたらいいか想像もつかないな。


しかし糸操作か。

やりようによっては有能な戦闘向きなスキルかもしれないぞ。


ひよりは戦闘を嫌がっているが、真面目に冒険者で経験を積めばいい所までいけるかもな。



「これで大丈夫だろ」


「くっさ!匂いやば!早く瓶の蓋閉めてよ!」


「くっ、こいつは……俺が1年も研究して作り出した栄養剤を臭い臭いと何度も連呼しやがって。ひよりが怪我しても貸してやらんからな……」


「なにブツブツ言ってんのっ!それより本当に大丈夫なの?」


「ああ、もう痛みもないから大丈夫だ。ひよりのその糸操作は使いようによっては戦闘向きになるかもしれないからな。訓練するのもいいかもしれん」



ひよりが一人で活動できるようになれば、俺はそれだけ料理の研究に勤しめるからな。







「やーだもんっ!私はナッシュくんの後ろで可愛く応援してるのが役目だしっ」



ぜーったい戦いたくないんだから。

怪我でもしたらどうするのよ。

医学も発達してない世界で傷なんて作ったら、あの臭いの塗るしかないんだよ?

むりむり、絶対やだ。



「はぁ、とりあえずギルドに向かおう。俺一人でも稼げる依頼をこなすからな」


「頑張ってナッシュくんっ!私とみーちゃんは応援係してるよっ」



私とみーちゃんのかわいい応援で頑張ってもらわないと。

その代わり美味しいのたくさん買わないとね!









「この依頼でいいか」


「なになに?どんな依頼?」


「来た側と反対の森にいる魔物の方が売れる素材が多いんだ。その素材を取りに行く」


「そういうのがあるのね!それじゃ張り切っていこ~」


『キューッ!』










「ねぇ、ナッシュくん、目的地はまだなの!」


「もう少しかかるな」


「遠いところ選びすぎ!」


「仕方ないだろう。お前らのペースに合わせてるんだからな」


「みーちゃんも疲れたよね~?」


『キュ~』


「疲れたよ~」


「はぁ……少し休憩にするか」



道中で倒して解体してを繰り返すから時間がかかるのは仕方ないよな。


ひよりの無限収納のお陰で普段なら無視する素材も無駄にならなくて済むからな。

それだけでも連れてきた甲斐がある。


……ひよりがいれば生活に困ることがないんじゃないか?


うるさいしガキだが、ひよりを手放すのは悪手なような気がするぞ。

これはとんだ拾い物かもしれん。







「も~疲れた!」


魔石はじゃんじゃん貯まるからいいけど、魔物の素材なんて触りたくもないのに~


早く手を洗いたい。

魔法で水とか出せたら良かったのになぁ。



『キュ!』


「なになに?みーちゃんどうしたのー?」


『キュ!キュキュ!』


「手を出せばいいの?」


『キューーーッ』


「え、うそ、また魔法?水が出てるよ!」



手にかけてるってことは、洗えばいいのね。

すごい、すごいよみーちゃん。








「んなっ!また、魔法だと!?」



ありえん、風魔法に続き、水魔法だと?

戦闘向きの魔法じゃないにしろ、2属性の魔法を操ること自体がレアな存在なのに。

しかも水魔法はどこのパーティでも重宝される貴重な魔法だぞ。


ひよりとみーちゃんがいるだけで、いろんな問題が解決してしまう。


これは本当にひよりを手放せないぞ。

俺はとんでもない拾い物をしたのかもしれんな。


みーちゃんはなんでもできます


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