表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/40

【魔王の祭壇】にて(前編)

他人に触れられない猛毒体質の大魔法使いと、彼に触れても平気な毒耐性持ちニセ聖女(※実は妖精)の

人違い×隠し事から始まるハイテンションファンタジー


毎週火曜日20:20更新です。


→読み切り短編版はこちら

『猛毒持ち次期魔王(自称)に捕まった偽聖女の私、実は毒耐性持ちの妖精なんだが? バレる前に即逃げる!』

https://ncode.syosetu.com/n4523lo/



 なんか、めちゃめちゃよく眠れたな――。



 あたりの木々の枝から降ってくる小鳥たちのさえずりを聞きながら、わたしはハンモックの上で気持ち良く身体を伸ばした。


 これ以上ない、ってくらいにすがすがしい目覚めだった。

 スイッチでも入れたみたいにパッと目が開いて、眠気はカケラも残ってない。

 頭の中も、ほんの一瞬前まで寝てたとは思えないくらいにはっきりしてた。

 

 ……でも、不思議なもんだ。

 つい一昨日は、ちゃんとした宿屋のふかふかお布団でもあんまり寝れなかったのに、なんで昨晩はこんなに熟睡できたんだろ?

 まさか、野宿生活が長すぎて、身体が野宿に慣れちゃったとか?


 それとも……。



 わたしはふと、焚き火の向こうへ視線を向けた。



 木の根元では、例の魔法使いが毛布にくるまって静かに寝息を立ててた。

 その寝顔はちょうど数日前に森の奥で出逢ったときと同じように穏やかで、相も変わらず、ちょっとムカつくくらい綺麗だ。


 いつもの野宿なら、あたりの物音とか気配とかが気になって何度も起きちゃうんだけど。昨日はただの一度も目を覚ますことなく眠ることができた。


 ひょっとして、と、わたしは思う。


 それって、いつもの夜みたいに、ひとりじゃなかったから――?

 


 ……って! いやいやいやいやっ!?

 わたしは思わず思いっきり頭を振った。勢いあまってハンモックが大きく揺れ、わたしは軽く目をまわしてしまう。


 って、そんなわけあるか!

 こいつが近くにいたから安心して眠れたとか、ぜったい、そんなんじゃない!


 ていうか、考えてみればわたし、昨日の夜、こいつに魔法で穴を掘らされたんじゃん!

 こないだ馬にされたときも気絶するように寝ちゃったし、今回のも魔法の副作用に決まってるんだ、うん!



 そう自分に言い聞かせて自分で納得しつつ、わたしはひっくり返らないよう注意してハンモックを降りる。



 まだ朝方で日の光は弱い。焚き火もすっかり熾火になってるのに。

 ハンモックのまわりだけ、なんだか陽だまりみたいにあったかいような気がした。



* * *



 熾火を起こしてかんたんな朝食(わたしは炙ったパンに薄く切ったラルドを乗せたやつ、わたしより少し遅れて目覚めた魔法使いはいつもの携帯食をモソモソかじってた)を済ませ、わたしたちは早々に出発した。



 旧道へ戻ってしばらく進んだとこで、魔法使いがふいに道をそれて森へ入ってく。

 わたしも慌ててその後を追った。



「ねえ。これ、いったいどこ向かってるの?」


「次の村へと向かう前に、森の奥で少し、用事がある」


「……それって、もしかして、魔王の用事?」


 思いきって訊ねると、魔法使いは「ほう」、と感心したように目を細めた。


「なかなか聡いではないか。さすがは聖女だ」


「いや、聖女じゃねえし」


 魔法使いは少し笑ったあと、すぐに真面目な顔をした。



「これから禁域へと赴き、【魔王の祭壇】(アルター)のひとつを起動させる」


「アルター?」


「要するに、魔王になるための試練だ」、と彼は答える。


「魔王になるのに試練がいるの!?」


 わたしは目を丸くしてしまった。


「魔王なんて名乗ったもん勝ちでしょ? 村を焼くとか、お姫様をさらうとか、とにかくなんか悪いことして『俺が魔王だ』って触れ回れば良いんじゃないの?」


「……ピュイは、魔王をなんだと思っている」


 魔法使いが呆れたような顔をした。


「……少なくとも、俺がなろうとしている魔王は、そういうものではない。

 次の魔王になるためには、大陸中に散らばった全ての【魔王の祭壇】(アルター)を起動させ、【魔王の支配装置】(システム)を手中に納める必要があるんだよ」


「システム?」



 思わずオウム返ししたけど、魔法使いはそれには答えなかった。

 その代わり、足を止めて呟く。


「着いたぞ――」



 いつの間にか、森の中にぽっかり開けた広場みたいなところに出ていた。



 不思議な場所だった。さっきまでと空気が変わったのが肌の感覚で分かる。

 つい一瞬前まで聞こえてた葉擦れや鳥の声も、心なしか遠くなったような気さえした。


 あたりは明るかった。でも、眩しい、という感じはない。木の葉を透かして落ちてくる光はふわりとやわらかくて、まるで空気に光の紗でも掛けたみたいだ。



 そんな淡い光の中に、石で作られた灰色の、大きな台みたいなものが鎮座していた。


 それは、四角く削った石を積み上げて作られてるようだった。

 高さはわたしの胸くらいで、奥側には背もたれみたいな部分がせり上がってる。


 石レンガの角はぴしりと立っていたけれど、その継ぎ目には土や草の根が入り込んでた。北側には薄く苔がついて、ところどころ黒ずんでる。



 森の奥に現れたそれは、巨大な棺のようにも、寝台のようにも……あるいは、玉座のようにも見えた。


 ぞくり、と、背筋がわけもなく冷えるのを感じた。

 一見したところ、ただの石積みの遺跡にしか見えないのに、なぜだか妙な威圧感がある。



 ――たぶん、これが【魔王の祭壇】ってやつなんだろう。



 わたしのかたわらで、魔法使いが小さく息を吸うのが分かった。


 彼がまじないを唱えると、わたしたちの前に光の壁が生じた。

 それは一瞬でドーム状に広がって、ちょうどこの広場をまるごと覆う光の障壁になる。



「……って、なんで障壁を張るの?」


「【祭壇】が起動されると、魔王の力に惹かれた魔物たちが集まってくる」


 首を捻るわたしに、魔法使いがさらりと応えてくる。



「……それに、いたずらに森を焼きたくはないしな」


「森を焼く?」


 しれっと付け加えられた言葉にわたしは目を丸くした。


 ……そういえば、さっきから『【祭壇】を起動する』とか言ってるけど、この石の台みたいなやつをどうやって起動するんだ?

 なんか呪文を唱えるとか、スイッチを押すとか、魔法の鍵を挿すとか、そういうんだと思ってたけど、まさか……。



「まって! あんた、これからなにをするつもり……」


「知れたことだ」


 魔法使いが右の手のひらを持ちあげ、目の前へとかざす。



「【祭壇】を破壊するんだよ。――ありったけの魔法をぶつけ、完膚なきまでにな」



 【魔王の祭壇】を睨みつけ、彼は自信たっぷりにそう宣言した。



 呪文を唱える低い声が聞こえた。

 彼の手のひらに光球が生じたかと思うと、それは瞬く間に間に膨れながら輝きを増す。

 あまりに眩しすぎてとても正視できないくらいだ。

 

 それとわかるくらい強大な魔法の気配に肌がちりちりとした。あたりの空気が魔法に吸い込まれ、少し薄くなったような気さえする。



 これ以上ないほど魔力を高めたところで、魔法使いが口を開いた。


「――先手必勝だ」



 魔法使いが腕を振るった。

 限界まで膨れあがった光球は彼の手を離れ、【祭壇】めがけて真っ直ぐ飛んでいく!



 【祭壇】に触れた光球が弾け、閃光が視界を塗りつぶす。

 わずかに遅れて爆音が響き、衝撃波がわたしの髪と辺りの木々をなぶった。


 わたしは反射的に目をつぶった。それだけじゃ足りなくて、腕を持ちあげて目を庇う。


 ……やがて、静寂が訪れた。

 わたしはおずおずと目を開け、ぽかんとしてしまった。



 【祭壇】は、まったくの無傷だった。

 魔法使いが放った明らかにヤバい魔法の直撃を受けたはずなのに、なんのダメージも受けてない。



「なにこれ!? ただの石のくせに丈夫すぎない!?」


 思わず呟くわたしの隣で、魔法使いは浅く息をつきながら目を眇める。



「……ただの石ではない」、と、彼は応えた。


「なにせ、これは魔王自身が施した封印なのだから――」



「――その通り」



 不意に、【祭壇】の方から声がした。



『俺の【祭壇】は、そう簡単には壊させないさ。

 俺が丹精込めて作りあげた【支配装置】(システム)を、つまらないやつに使われるのはゴメンだからな』



 反射的に【祭壇】へと視線を向けた瞬間、わたしは目を見開いた。



 さっきまで誰もいなかったはずの【祭壇】に人の姿があった。

 その人物は【祭壇】の縁に掛けて長い足を組み、どこか面白そうにこちらを観察してる。



 男の人だった。

 だいたい二十代半ばくらいの、まだ青年と言ってもいいくらいの年齢だ。


 彼は、輝くような銀の髪をしていた。

 少し長めの髪のあちこちに、ビーズを数粒ずつ繋げたカラフルな飾りが提げられてる。彼が顔を動かすたび、それはゆらゆらと揺れた。




「だれ!?」


 わたしは思わず後ずさった。動揺のあまり声が裏返る。


「なんでこんなとこに人がいるの!?」


「人ではない」、と、魔法使いが短く答えた。


「あれは、二十年前に倒された、魔王だ――」



『どうも』、と、【祭壇】の青年がおどけたように片手を挙げる。


『ただいまご紹介に預かりました先の魔王でーす! いぇい!』



「な……」


 ……今度こそ、わたしは絶句してしまった。

 ややあって、喉の奥から悲鳴みたいなかすれた声が洩れる。


「魔王が……生きてる……?」


 心臓の奥の方がずん、と重くなる。手足が勝手に震えるのが分かった。

 魔王が生きてるだなんて、そんなことがあっていいの……!?



「単なる残留思念だ」、と、魔法使いが言う。


「安心しろ。魔王は確かに倒された。あまりにも魂が強すぎて、今なおこうして残像が残っているだけだ。……言うなれば、こいつは魔王の残り滓に過ぎない」


『……って、おい、残りカスとは随分な言い草じゃないか』



 魔法使いの言葉に、【祭壇】の魔王が口を尖らせる。



『言っとくけどな、いちおう死んでるとはいえ、まだまだお前よりぜーんぜん強いんだぜ? ……ま、残念ながら【祭壇】からは離れられないんだけどさ。つまりは超強くて偉大で美しい地縛霊サマだ』


「……ピュイ。こいつの戯れ言に耳を傾けるな」


 魔法使いは苦々しげに吐き捨てると、また、呪文を唱えた。



 不意に、わたしの足元の地面に光の円が生じた。

 光の円は淡い軌跡を描きながら持ち上がり、わたしの周囲を光の壁で覆ってく。


 一瞬後、まるでガラス瓶にでも詰められたかのように、わたしは光の筒の中に閉じ込められてた。



「な……」


「そこにいろ」、と魔法使いがわたしに命じてくる。


「戦いになる。……ピュイは、そこで見ているがいい」


 真剣な口調で言うと、魔法使いは改めて、【祭壇】の魔王へ向き直った。



 .……わたしはおずおずと指先を伸ばした。わたしの周囲を囲む光の壁におそるおそる触れてみる。


 光には感触があった。ほんのり暖かくて、しっかりとした手応えある。

 今度は拳を握って、軽く叩いてみる。けど、光の壁はびくともしなかった。




『へえ』、と、魔王がからかうように目を細める。


『ずいぶん紳士的じゃないか。いいねえ。さすがは俺が見込んだ人間だ。その優しさに免じて、今回ばかりは少し手加減してやろうか?』


「……必要ない」



 次の瞬間、魔法使いが地面を蹴った。


 詠唱の言葉が短く重なり、彼の手から矢継ぎ早に魔法が放たれる!

 土の魔法、水の魔法、火の魔法、風の魔法……精霊たちの力を借りた複数の攻撃魔法たちが、【祭壇】の魔王めがけて怒濤のように押し寄せた。


 けど、魔王は避けようともしなかった。

 【祭壇】に座ったまま、魔王は片手をひらりと振ってみせる。


 それで充分だった。


 ヴィルクが放った魔法はまるで見えない壁に阻まれたかのようにねじ曲げられ、障壁にぶつかり、霧散していく。魔王にも祭壇にもまるでダメージは届かない。



『おーおー、悪くない悪くない』


 ぱちぱち、と、魔王がからかうように拍手する。


『前に来たときより、多少はマシになってるじゃないか。だが……まだまだだな』



 不意に、魔王が視線を鋭くする。



 次の瞬間、魔法使いの足元の地面が大きくえぐれた。



「っ!?」


 間一髪、ヴィルクは跳ねるように身を引いた。土と石が爆ぜて宙へと舞いあがり、土煙が彼のローブの裾をはためかせる。

 爆風の衝撃で、わたしを閉じ込めてる光の筒がびり、と震えた。



 崩れる足場を避けようとたたらを踏む彼を見下ろし、魔王が高らかな笑い声をあげる。

 【祭壇】に座る魔王は、まるで新しい玩具で遊ぶ子どもみたいに楽しげだ。



 ……あれ?


 わたしはふと、違和感を覚えた。

 面白そうに笑う魔王の下。彼が腰掛けてる【祭壇】の一部が、いつの間にか濃い灰色になってた。


 影? と一瞬思う。

 けど、それにしてはどうも形が不自然だ。

 なんだか、まるでそこだけ、じっとり濡れてるみたいな……。



 土煙の中で、ヴィルクが不意に口の端を吊り上げた。


 「――凍れ」



 ぱきん、と小気味いい音がして、【祭壇】の下部の石レンガにヒビが走る。


 次の瞬間、【祭壇】の一部が大きく割れた。

 剥がれ落ちた欠片が地面に落下し、音を立てて砕ける。


 【祭壇】に腰掛けていた魔王もさすがに身じろぎした。銀の髪に付けられたビーズの飾りが波打つように大きく揺れる。



『へえ』、と、魔王は感心したように目を細めた。


『なるほど。最初の魔法攻撃に紛れさせて【祭壇】のひび割れに水を染みこませ、凍結膨張で割った、ってワケだ。……いいねえ。そういう姑息なやり方、俺は好きだぜ』


「……気に入って貰えてなによりだ」


 涼しい顔で答えるヴィルクに、魔王がニヤリと笑った。


『それじゃあ、こちらも、お返しをしないとな――』



 下の方が崩れた【祭壇】の上で足を組み替え、魔王が軽く指を振る。



 瞬間、魔法使いの周囲に幾本かの黒い閃光が降り注いだ。



 彼はとっさに腕をかざした。ヴィルクの目の前に光の障壁が生じる。


 ……けれども、防ぎきれなかった。

 閃光の大半は弾かれたものの、隙間をすり抜けたひと筋の黒い光が腕をかすめる。

 彼の顔が苦痛に大きく歪むのが見えた。



「魔法使い!」


 布が焦げる臭いと血の匂いが、光の筒に閉じ込められたわたしのとこまで漂ってくる。


 わたしはたまらず飛び出そうとした。けど、周りを囲む光の壁に阻まれて動けない。

 いくら力を込めて叩いても、わたしを守るために作られた障壁は揺るがなかった。



 魔王が放った魔法が嬲るようにヴィルクの足を打ち抜くのが見える。

 黒いローブに包まれた身体ががくりと沈み、そこを狙うように新たな魔法が飛んだ。



 ヴィルクの腹部に、黒い光の塊が衝突する。

 


 彼の口から、なにかが潰れるみたいな鈍い声が洩れた。

 魔法使いは身体を折るようにして地面に倒れ、それきり、動かなくなった。



「ヴィルク!」


 必死で声を張り上げて名前を呼んでも、魔法使いの反応はない。

 わたしはなおも強く光の壁を叩いた。どうにか抜け出そうとするものの、目の前の壁はびくともしない。


 自分でも意外なくらい動揺していた。

 もどかしさと、焦りと、不安が、胸の裡で大きく膨れあがる。


 ……くそっ、と、思わず心の中で呟いた。


 あんなやつ、どうなったって構わないはずなのに!

 どうして、わたしはあいつを心配してるんだっ――!?



『――安心しろ。殺しちゃいない』


 【祭壇】の上から、魔王がどこか面白そうに言葉を投げてくる。


『全力なんて出さないさ。こんなの、俺にとっては単なるお遊びなんだからな』



 人を人とも思わぬその言葉に、わたしは思わず魔王を睨みつけた。



 けど、魔王はこちらを見ていなかった。

 やつの視線は、地面に倒れた魔法使いへと向けられてる。



『やれやれ』、と、魔王が肩をすくめた。

 

『前回に比べれば多少はマシになったが、まだまだだな。……でも、まあ、今回はこの程度で勘弁してやるよ。まさか【祭壇】にヒビを入れられるとは思わなかったし、それに――』


 不意に、魔王が目を細めた。

 目を細めたまま、喉の奥を鳴らすようにして低く笑う。


『なんたって、今日は、手土産つきなんだからな――』



 魔王の視線が、わたしへと向けられた。

 

「!」


 わたしは反射的に後ずさった。とたんに、背中がなにかにぶつかる。


 ……障壁だ。魔法使いが作ってくれた光の障壁。

 そう気づいたとたん、わたしは少し安堵した。


 ――大丈夫、と、わたしは自分に言い聞かせる。


 彼の魔法がわたしを守ってくれてる。

 この障壁の中にいれば、きっと、魔王もわたしに手は出せないはず……!



『邪魔だな』



 ……けれども、そんな期待はもろくも消え去った。


 魔王が軽く指を鳴らすと同時に、わたしの周囲を囲んでいた光の壁は音もなく消滅してしまう。


 頼みの綱だった障壁をあっさりと奪われ、わたしは動揺のあまりその場から動けなくなってしまった。



 【祭壇】の上から、魔王がまっすぐにわたしを見てくる。


 澄み切った泉のような青い瞳だった。感情が読めない、底の見えない瞳。

 それがかえって恐怖をかき立て、わたしは息が詰まりそうになる。


 かつて大陸中の魔物を支配し、街や国を滅ぼし、無数の命を奪った恐ろしい魔王。


 こいつは、これから、わたしを、どうするつもりなんだ――!?



 不意に、魔王が表情をゆるめた。

 【祭壇】に掛けていた魔王は背中を丸めるように姿勢を崩し、頬杖をつきながらニヤリと笑う。



『――どうする?』、と、魔王が問うた。



『いまなら、この魔法使いから逃げられるぞ――?』



 その言葉に、わたしは思わず目を瞬かせた。

魔王出てきた!


次話「【魔王の祭壇】にて(後編)」、2/17(火)20:20更新


次回でいったん一区切りです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ